ドン・スリート
ドン・スリート Don Sleet | |
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出生名 | Donald Clayborn Sleet |
生誕 | 1938年11月27日 |
出身地 | フォートウェイン、インディアナ州、 アメリカ合衆国 |
死没 |
1986年12月31日 (48歳没) ハリウッド、カリフォルニア州、 アメリカ合衆国 |
職業 | ミュージシャン、バンドリーダー |
担当楽器 | トランペット |
活動期間 | 1954年 - 1964年 |
レーベル | パシフィック・ジャズ・レコード、リバーサイド・レコード |
ドン・スリート(Donald Clayborn "Don" Sleet、1938年11月27日 – 1986年12月31日)は、アメリカ合衆国出身のジャズ・トランペット奏者。ダウン・ビート紙で「傑出している (outstanding)」と評され[1]たミュージシャンだったが、薬物乱用のためそのキャリアは短く、生涯で残したリーダー作はアルバム1枚のみだった。
生涯とキャリア
[編集]幼少期
[編集]スリートは1938年11月27日、インディアナ州フォートウェインで生まれた[2]。父親は学校で音楽の教師をしていた[3]。10歳の時に家族でカリフォルニア州サンディエゴに移住。そこで4年間ピアノのレッスンを受けた後、トランペットを始めた[3]。ハリウッドではバディ・チルダースに1年間師事した後、サンディエゴでダニエル・ルイスに師事し、サンディエゴ州立大学ジャズバンドの一員となった。さらに、ロサンゼルスでショーティー・ロジャースに師事し、テリー・ギブスのビッグバンドのメンバーとなった。また、クラシック音楽を学び、サンディエゴ交響楽団で3年間演奏した[4]。
スリートは1950年代半ばに小さなジャズ・コンボを率い、1956年と1957年にハモサビーチのライトハウス・カフェで開催されたイースター・ウィーク・ジャズ・フェスティバルで優勝した。1959年、彼はレニー・マクブラウン・アンド・ザ・フォー・ソウルズに参加し、1960年初頭にアルバムを録音した[5]。1960年の夏にはハワード・ラムゼイが率いるライトハウス・オール・スターズのメンバーとなった[6][7]。1960年10月、スリートはフォー・ソウルズと共にニューヨークに渡り、オーネット・コールマン監修のもと、フォー・ソウルズの2枚目にして最後のアルバム『イースタン・ライツ(Eastern Lights)』のレコーディングを行った[8]。
唯一のリーダー作
[編集]スリート唯一のリーダーとしてのセッションは1961年3月16日に行われた。オリン・キープニュース監修のもとニューヨークで録音されたこのアルバムは、ジミー・ヒース(テナー・サックス)、ウィントン・ケリー(ピアノ)、ロン・カーター(コントラバス)、ジミー・コブ(ドラムス)というミュージシャンも参加して、「All Members」の題名で発売された。このアルバムはリバーサイドの子会社であるジャズランド・レーベルからリリースされ、ダウン・ビート紙では「傑出している (outstanding)」と評された[1]。
後年と死
[編集]アルバムのリリース後、スリートはドラッグを乱用するようになり、それが原因で演奏を辞めざるを得なくなった[9]。1964年夏、シェリー・マンのアルバム「My Fair Lady with the Un-original Cast」に出演し、これが最後のセッションとなった[10]。その後、シナノンの薬物リハビリプログラムに参加したが、その後の演奏活動は散発的なものにとどまった[9]。1986年12月31日、3年間闘病していたリンパ腫のためハリウッドの自宅で亡くなった[9][11]。
スタイル
[編集]スリートは、チェット・ベイカー、マイルス・デイヴィス、ケニー・ドーハムなどに影響を受けた[12][13][9]。彼はまた、その「滑らかな音色」からアート・ファーマーと比較されることもある[12]。
家族
[編集]スリートは1970年代に結婚したが、子供はいなかった[9]。弟のデヴィッドは1960年代にプロのドラマーとして活躍し、ルーディメンツを研究する協会「NARD (National Association of Rudimental Drummers)」に所属していた[9]。
ディスコグラフィ
[編集]リーダー作
[編集]- 1961年: All Members (Jazzland)
伴奏として参加
[編集]- Lenny McBrowne and the 4 Souls (Pacific Jazz, 1960年)
- Eastern Lights (Riverside, 1960年)
シェリー・マンとの共演
参照
[編集]- ^ a b “All Members: Don Sleet”. Down Beat 28: 33. (1961) .
- ^ “Don Sleet - Biography”. AllMusic. Rovi. September 26, 2015閲覧。
- ^ a b “The Trumpet of Donald Clayborn Sleet”. JazzArcheology (April 1, 2013). September 26, 2015閲覧。
- ^ “Don Sleet - Biography”. AllMusic. Rovi. September 26, 2015閲覧。
- ^ Mitchell, Tillie (1960). Lenny McBrowne and the Four Souls (liner notes). Los Angeles, CA: Pacific Jazz
- ^ “The Trumpet of Donald Clayborn Sleet”. JazzArcheology (April 1, 2013). September 26, 2015閲覧。
- ^ Gioia, Ted (1998). West Coast Jazz: Modern Jazz in California, 1945-1960. New York, NY: Oxford University Press. p. 224
- ^ Albertson, Chris (1960). Eastern Lights (liner notes). New York, NY: Riverside
- ^ a b c d e f “My Brother, Don Sleet”. JazzWax (November 24, 2009). September 26, 2015閲覧。
- ^ “The Trumpet of Donald Clayborn Sleet”. JazzArcheology (April 1, 2013). September 26, 2015閲覧。
- ^ “Obituaries”. Cadence 13: 93. (January 1987) .
- ^ a b “Don Sleet - Biography”. AllMusic. Rovi. September 26, 2015閲覧。
- ^ “All Members - Don Sleet”. AllMusic. Rovi. September 26, 2015閲覧。
外部リンク
[編集]- "Don Sleet". Discogs. Retrieved September 26, 2015.