ドロステ効果
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ドロステ効果(ドロステこうか、英語: Droste-effect)とは、再帰的な画像[1](紋章学における紋中紋)のもたらす効果のこと。あるイメージの中にそれ自身の小さなイメージが、その小さなイメージの中にはさらに小さなイメージが、その中にもさらに……と画像の解像度が許す限り果てしなく描かれる。ドロステ効果は、自己言及システムの不思議の環(strange loop)の視覚的例である。
起源
[編集]名前の由来はオランダのドロステ社の販売していたドロステ・ココアのパッケージからである。尼僧が持っている盆の上に、ココアの入ったコップと一緒にドロステ・ココアの箱が乗っていて、その箱の絵には、コップとドロステ・ココアの箱が乗った盆を持つ尼僧が描かれている[2]。この絵柄は1904年に始まり、長い間使われ、家庭ではおなじみのものになった。
「ドロステ効果」という語は、伝えられるところでは、詩人でコラムニストのNico Scheepmakerが1970年代後期に使い出したということである[3]。
ドロステ効果の作り方
[編集]ドロステ効果は向かい合った2枚の鏡で簡単に作ることができる。鏡の中にはお互いの画像が永遠に反復される(合わせ鏡も参照)。また、ビデオカメラで、それがとらえた画像の映ったモニターを撮影する(ビデオフィードバック)ことでもドロステ効果が作れる。
ドロステ効果の例
[編集]- ジョット・ディ・ボンドーネ作の三連祭壇画『Stefaneschi triptych』(1320年頃)の一枚に描かれた枢機卿ジャコモ・ガエターニ・ステファネスキ(Giacomo Gaetani Stefaneschi)は、当の祭壇画を聖ペトロに捧げている[4]。
- ピンク・フロイドのアルバム『ウマグマ』のカバー
- ラムダ計算騎士団(Knights of the Lambda Calculus)の紋章
- スポンジたわし「キクロンA」のパッケージ[5]
- かこさとしの絵本『ことばのべんきょう くまちゃんのいちにち』の表紙
- 日専連の「日専連QUICPay(nanaco)」[6]
ギャラリー
[編集]-
モニターにおけるドロステ効果
-
ラムダ計算騎士団の紋章
-
スポンジたわし「キクロンA」のパッケージ
脚注
[編集]- ^ Nänny. Max and Fischer, Olga, The Motivated Sign: Iconicity in Language and Literature pp.37, John Benjamins Publishing Company, (2001) ISBN 9-027-22574-5
- ^ Törnqvist, Egil. Ibsen: A Doll's House, pp.105, Cambridge University Press (1995) ISBN 0-521-47866-9
- ^ Droste, altijd welkom
- ^ Giotto di Bondone and assistants: Stefaneschi triptych
- ^ キクロンA
- ^ 日専連QUICPay(nanaco)
関連項目
[編集]- 再帰
- 自己相似
- フラクタル
- ハウリング
- 紋中紋
- クワイン (プログラミング)
- 夢の中の夢
- マトリョーシカ人形
- ドロステのはてで僕ら - ヨーロッパ企画による映画作品。タイムテレビが作り出したドロステ効果が、様々な騒動を巻き起こす。
外部リンク
[編集]- Escher and the Droste effect
- The Math Behind the Droste Effect (article by Jos Leys summarizing the results of the Leiden study and article)
- A moving picture with the Droste effect
- Droste NV (Droste Cocoa corporate website)