トー横キッズ
トー横キッズ(トーよこキッズ)とは、東京都新宿区歌舞伎町の新宿東宝ビル周辺の路地裏でたむろをする若者・未成年の集団のことである[1][2]。「トー横」とは「新宿東宝ビルの横」を略したもので、元来は東宝ビル東側の路地のことを指したが[3]、語義が拡大され、西側のシネシティ広場なども含めた東宝ビル周辺一帯を指す場合もある[3]。
トー横キッズの派生概念として、大阪府大阪市中央区道頓堀のグリコサインの下の意から「グリ下キッズ」、福岡県福岡市中央区天神の警固公園(けごこうえん)周辺の「警固界隈」がある[4][5]。なお、東横イン、東急東横線、東横特急などの「東横」を冠する他の事物や東急グループとは無関係である。
概要
[編集]2015年にゴジラヘッドが特徴的な新宿東宝ビル(TOHOシネマズ新宿)が開業した後、2018年頃から、この周辺に自撮りを行う若者たちがたむろして増え始め[6]、彼らは「自撮り界隈」を自称し始めた。未成年も含む若者が多くたむろしていたことから、周辺の居酒屋や風俗店の店員や、風俗嬢・キャバクラ嬢らが彼らを「トー横キッズ」と呼び始めた。しかし彼らは「キッズ」と呼ばれることに抵抗し、2019年9月頃から「トー横界隈」と名乗りだした。その後は無名の存在であったが、2021年頃に界隈を狙った犯罪行為や誹謗中傷が度々行われたことから一躍注目を浴びることになった。
援助交際や暴力行為などの被害なども絶えず起こっている[7]。2021年6月には当時15歳の少年が路上でホームレスの60代男性の頭を足で踏みつけようとするなどの暴行を働いた動画がSNSで拡散され[注 1]、少年は書類送検された。同年5月には当時交際関係にあったとされる18歳の専門学校生の少年と、14歳の女子中学生が近くの歌舞伎町のホテルから飛び降り自殺をしており、さらにオーバードーズによる薬物中毒状態だったことが判明するなど、深刻な問題も起きている[7]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “2021年の"裏流行語"!? 「トー横キッズ」とは一体なにか?”. 日刊SPA! (2021年12月29日). 2022年6月15日閲覧。
- ^ “トー横キッズが歌舞伎町に居場所求める本当の訳”. 東洋経済ONLINE. 2022年10月10日閲覧。
- ^ a b 渋井哲也 (2022年1月4日). “「歌舞伎町で援デリ業者と出会って…」トー横キッズが語る“帰りたくても帰れない理由””. 文春オンライン. 文藝春秋社. 2024年9月24日閲覧。
- ^ “大阪ミナミ「グリ下」・東京「トー横」、肩寄せる若者…「家にいたくない」SNSで集う”. 読売新聞オンライン. 2024年5月2日閲覧。
- ^ 「「警固界隈」夜な夜な集う若者…東京「トー横」と並び定着、福岡県警はパトロール強化」『読売新聞オンライン』2023年7月28日。2024年7月7日閲覧。
- ^ 歌舞伎町「トー横」界隈にたむろする若者達の実像 避難所の側面もあるが放置のあげく暴走を招いた
- ^ a b ““トー横キッズ” 新宿 歌舞伎町に集うこどもたち”. NHK事件記者取材note. 2022年12月3日閲覧。