トーマス・シドニー・クーパー
トーマス・シドニー・クーパー Thomas Sidney Cooper | |
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自画像 | |
生誕 |
1803年9月26日 イギリス、カンタベリー |
死没 |
1902年2月7日 (98歳没) イギリス、ハーブルダウン(Harbledown) |
トーマス・シドニー・クーパー(Thomas Sidney Cooper CVO RA、1803年9月26日 - 1902年2月7日)は、イギリスの画家である。家畜のいる風景画を描いた[1]。
略歴
[編集]ケント州のカンタベリーで生まれた[2]。5歳の時父親は家を出ていて、貧しい環境で育った。12歳から家計を助けるために馬車の装飾の職人のもとで働き、旅芸人の舞台の背景を描く仕事もした。そのような仕事を8年ほど続けながらも画家になる夢をもと、余暇の時間は風景を描いて過ごした。20歳になって、ロンドンに出て、しばらく大英博物館で絵を描き、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの美術学校に入学できた。
ロンドンでは生活を続ける余裕がなかったため、カンタベリーに戻り、絵画教師として働き、絵を売って生計を立てた。1827年に友人とベルギーのブリュッセルに移り、肖像画を描いて生計を立て、絵画教師もした。ブリュッセルで結婚し、動物のいる風景画が得意なベルギーの画家、ウジェーヌ・フェルボークホーフェン(1798-1881)と知り合い影響を受けた。1830年にベルギー独立革命による騒乱が起きたため、家族でロンドンに戻った。1833年に初めて、ロイヤル・アカデミーの展覧会に出展し、それ以後、長く出展を続けた[3]。1842年に描いた作品はサザビーズのオークションで当時としては高値で落札されるようになった[4]。
1845年にロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの準会員に選ばれ、1867年に正会員に選ばれた。
故郷のカンタベリーの貧しい子供のために慈善活動をし、1868年に生家のまわりの建物を買い改装して「シドニー・クーパー美術館」を設立し美術学校(Canterbury Sidney Cooper School of Art)を開いた。美術学校はクーパーの没後も存続し後に「Kent Institute of Art & Design」となった。
クーパーはカンタベリーに隣接する村ハーブルダウン(Harbledown)で亡くなった。息子のトーマス・ジョージ・クーパー(Thomas George Cooper: 1857–1896)も画家になった。
作品
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カンタベリー郊外の小川を渡る牛 (1834)
南オーストラリア美術館 -
牧草地の牛 (c.1881)
-
森の小川
脚注
[編集]- ^ Martí, José (1982) (英語). On Art and Literature: Critical Writings by José Martí. NYU Press. p. 79. ISBN 978-0-85345-590-5 29 May 2020閲覧。
- ^ “cooper-ts - Canterbury History”. www.canterbury-archaeology.org.uk. 30 November 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。13 March 2019閲覧。
- ^ Chisholm 1911, p. 82.
- ^ "Thomas Sidney Cooper - Expert Art Authentication & Attribution Investigations - Research Services | Provenance Scrutiny and Verification | Fake and forgery detection, Paintings analysis and forensics". www.freemanart.ca.
参考文献
[編集]- Sartin, Stephen (1976). Thomas Sidney Cooper, C.V.O., R.A., 1803-1902. Leigh-on-Sea: F. Lewis.
- Westwood, Kenneth J. (2011) Thomas Sidney Cooper C.V.O, R.A. His Life and Work. 2 vols. Barrington, David Leathers Publishing.
- Cooper, Thomas Sidney, My Life, published by R. Bentley, 1890
- Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Cooper, Thomas Sidney". Encyclopædia Britannica. Vol. 7 (11th ed.). Cambridge University Press. pp. 81–82.