トンクル (楽器)
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トンクル(Tuŋkuř)はニヴフに伝承される一弦楽器の名称。日本での俗称は「蝦夷胡弓」[1]。 インドネシアのジャワ島やバリ島のソンタイや、エジプトのレバービエルムハ二、エジプト以外のアフリカのレバーク等との類似性がある。
呼称
[編集]古くから中国大陸の胡琴(二胡の原楽器)の模倣楽器として知られ、アイヌの五弦琴である「トンコリ」は「トンクル」とも発音され、混同されていたようだ[2]。樺太アイヌ、オロッコが所有するトンクルの模倣楽器は「ウマ・トンコリ」という。
構造
[編集]胴の形状は中国大陸の胡琴とおなじく円筒形であり、シラカバの樹皮を輪にし、筒の横から棹を貫き、その上を鮭の皮を張り馬の尻毛を弦とし、それを棹の両端から張る。弓に張る弦も同じ馬の毛を用いる。胴は竹筒に紙などを貼ったのもあるが、ブリキの空き缶の蓋を取り去ったものを使う場合もあった[3]。音はきわめて細く弱い。
脚注
[編集]- ^ 谷本一之『アイヌの五弦琴(北方文化研究 第13輯より)』北海道大学、1958年、244頁。
- ^ 谷本一之『アイヌの五弦琴(北方文化研究 第13輯より)』北海道大学、1958年、246頁。
- ^ 田辺尚雄『島国の歌と踊り』磯部甲陽堂、1927年、129頁。
服部健『ギリヤーク』の「14芸術・娯楽・物語」