トロンボーンとコントラバスのための二重奏曲
表示
トロンボーンとコントラバスのための二重奏曲(Duett for trombone and double bass)は、エドワード・エルガーが作曲した室内楽曲。
作曲の経緯
[編集]この作品はエルガーがおよそ4年前に婚約していたヘレン・ウィーヴァーの兄弟であるフランク・ウィーヴァーの結婚を記念する贈り物として作曲され[1][2]、1887年8月1日にファニー・ジョーンズと結婚した彼へと贈られた[3]。ウィーヴァーはエルガーよりも1歳年長で[4]、ブーツを製造しアマチュアのコントラバス奏者だった。一方、エルガーはトロンボーンを演奏することができた[5]。フランクとヘレンの父であるウィリアム・ウィーヴァーはウスターのハイ・ストリートで靴の販売業を営んでおり、彼の店はエルガーの父が経営する音楽店の向かいに位置していた[6]。
手稿譜がフランク・ウィーヴァーの息子の1人に受け継がれており、1970年になってロドニー・スラットフォード(Rodney Slatford)からヨーク・エディションとして出版された。
楽曲構成
[編集]アレグレット、ロ長調、49小節からなる二重奏曲である。フーガの形を取っており、コントラバスによって提示される主題をトロンボーンが4度上で模倣する。
脚注
[編集]出典
- ^ McVeagh, p.9
- ^ Moore, p.77
- ^ FreeBMD record: Frank William Weaver married Fannie Jones in Droitwich, Worcestershire, 1887, ref. 6c 511
- ^ 1891年のイングランドとウェールズの人口調査資料より:フランク・ウィリアム・ウィーヴァー、25歳、ブーツの製造、妻のファニー及び娘のマーガレット(Marguerite)と共にウスター、セント・ニコラス、セヴァーン・ロッジに居住。
- ^ 1970年に出版された本作のヨーク・エディションの編者注による。
- ^ 1861年のイングランドとウェールズの人口調査資料より:ウィリアム・ウィーヴァー、ブーツと靴の製造者、ウスター、ハイ・ストリートの84、妻のジェーン、子どものエイダ・クララ、フランク、エレン(ヘレン)とともに居住。
参考文献
[編集]- McVeagh, Diana M. (2007). Elgar the Music Maker. Woodbridge, Suffolk: Boydell Press. ISBN 978-1-84383-295-9
- Moore, Jerrold N. (1984). Edward Elgar: a Creative Life. Oxford: Oxford University Press. ISBN 0-19-315447-1
- Slatford, Rodney (ed.). (1970). Edward Elgar: Duett for Trombone and Double Bass. London: Yorke Edition YE0016