トロワのサウィニアヌス
トロワの聖サウィニアヌス | |
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生誕 |
不明 サモス |
死没 |
275年 リリー=サント=シル(トレカス近く) |
崇敬する教派 | カトリック教会 |
記念日 | 1月29日 |
トロワのサウィニアヌス(英: Saint Savinianus of Troyes、英: Sabinianus、? - 275年[注 1](または270年[1])1月24日)はフランスの殉教者、正教会・カトリック教会の聖人である。サビニアヌスとも表記される[2]。記念日は1月24日[1]。 トロワのサウィナ(サビナ、英: Saint Savina of Troyes、英: Sabina)の兄であり、兄妹聖人として知られる[3][4][5]。トロワの使徒[注 2]。
生涯
[編集]サモス[注 3]の出身で、アウレリアヌス統治下で殉教したとされる[3]。
『黄金伝説』によると、次のように伝えられている。彼の父、サウィヌスは貴族で非キリスト教徒だった。1番目の妻からサウィニアヌスが、2番目の妻からはサウィナが産まれた。 サウィニアヌスは『詩篇』の "51:7, ヒソプをもって、わたしを清めてください、わたしは清くなるでしょう。わたしを洗ってください、わたしは雪よりも白くなるでしょう。"[8]の句を読んだが、意味が理解できなかった為に落ち込み、死のうと思っていたところ、彼の前に天使が現れ、死ぬことはない、洗礼を受ければ雪よりも白くなり、意味が分かるだろうと告げた。それ以降、サウィニアヌスは非キリスト教の神を崇めるのをやめた。
のちにサウィニアヌスは家から出奔し、トレカス[注 4]に辿り着いた。セカナ[注 5]の川の水での洗礼を主に願い、受洗したところ[注 6]、長い間知りたかった意味がわかっただろう、との主の声が聞こえた。サウィニアヌスが持っていた杖を地面にさして主に祈ると、杖からは葉がはえ、花が咲きはじめた。この奇跡を見た者たちはキリスト教徒となった。 このために、アウレリアヌスは兵士を送り出し、サウィニアヌスを捕らえ拷問した[注 7]。
アウレリアヌスが兵士たちに矢を射させたが、サウィニアヌスに傷はつかず、矢はアウレリアヌスの目に刺さった。 アウレリアヌスは怒り、翌朝首をはねることを決め、牢に閉じ込めた。サウィニアヌスが、主に洗礼を受けた場所へ行くことを願うと、牢の扉が開いた。サウィニアヌスが川へ向うと、アウレリアヌスは怯える兵士たちに、追いかけて首をはねるよう命じた。 受洗した場所に辿り着いたサウィニアヌスは兵士たちに、私の血によってアウレリアヌスの目が治るだろうと伝え、首をはねるように言った。斬首されたサウィニアヌスは自らの首を拾い上げ、49歩も歩いた。アウレリアヌスが目にサウィニアヌスの血を塗ると、また目がみえるようになった[12]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- “Saint Sabinian of Troyes”. CatholicSaints.Info. 2015年9月19日閲覧。
- “St. Sabinian of Troyes - Saints & Angels - Catholic Online”. Catholic Online. 2015年9月19日閲覧。
- “January 29, Saint of the Day”. St. Patrick Catholic Church. 2015年9月19日閲覧。
- Charles George Herbermann. The Catholic Encyclopedia: Complete Vol. 1-15 (With Active Table of Contents) (English Edition) Kindle版 ASIN B005ZUXBY2
- ヤコブス・デ・ウォラギネ、前田 敬作(訳)、西井 武(訳)、2006、『黄金伝説3』、平凡社〈平凡社ライブラリー〉 ISBN 978-4582765823
- Charles George Herbermann. The Lives of the Saints Volume 1
- ウィキメディア・コモンズには、Sabine Baring-Gould,The Lives of the Saints Volume 1に関するメディアがあります。