トリジャター
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トリジャター(梵: त्रिजटा, Trijaṭā)は、インドの叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する年老いた羅刹女(ラークシャシー)。ラーヴァナの滅亡を予知する夢を見た[1][2]。また心が優しく、捕らわれたシーターを励ました[1][2][3]。
神話
[編集]『ラーマーヤナ』
[編集]トリジャターは様々な夢を見た。ラーマに関する夢が幸運を暗示させるのに対し、ラーヴァナについては不吉、死を暗示させるものばかりであった。夢の中でラーヴァナは頭を剃り、香油にまみれていた(死の予兆とされる)。あるいはロバに乗り、南を向いて進んでいた(南は不吉な方角とされる)。またランカーの城門が破壊され、都市が海に沈み、あるいは灰と化す夢を見た。そしてシーターにラーヴァナの妃となるよう脅す羅刹女たちを諫めた[1]。
またシーターがインドラジットの攻撃でラーマ、ラクシュマナが深く傷つき、大地に横たわる姿を見て深く悲しんだときも、トリジャターはシーターをなぐさめ、元気づけようとした[4]。
『マハーバーラタ』
[編集]『マハーバーラタ』ではトリジャターは年老いた羅刹女とは語られていない。トリジャターはアヴィンディヤという聡明で年老いたラークシャサの言葉を伝える役目を持っており、それによってシーターはラーマが猿王スグリーヴァと手を結び、自分を救出するための準備を整えていることを知る。またラーヴァナがかつてナラクーバラの妻ラムバーを凌辱したために呪われて、抵抗できない女には手出しできないことを告げてシーターを安心させた。さらに自らが見たラーヴァナの破滅を暗示する夢について語って聞かせた[2]。戦争後、トリジャターはラーマから財産と名誉を授かったという[5]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 『ラーマーヤナ 世界文学全集III-2』阿部知二訳、講談社、1966年。
- 『原典訳 マハーバーラタ4』上村勝彦訳、ちくま学芸文庫、2002年。ISBN 4-480-08604-8。
- 菅沼晃編 編『インド神話伝説辞典』東京堂出版、1985年3月。ISBN 4-490-10191-0。