トランスアエロ航空
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設立 | 1990年12月28日 | |||
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運航開始 | 1991年11月5日 | |||
運航停止 | 2015年10月25日 | |||
ハブ空港 | ヴヌーコヴォ国際空港 | |||
マイレージサービス | Transaero Privilege Program | |||
保有機材数 | 20機 | |||
就航地 | 54都市 | |||
本拠地 | サンクトペテルブルク, ロシア | |||
代表者 | Olga Pleshakova (MD) | |||
外部リンク | ウェブアーカイブ |
トランスアエロ航空 (ロシア語: Авиакомпания Трансаэро; 英語: Transaero Airlines)は、かつて存在したロシアの航空会社である。
歴史
[編集]当初、トランスアエロ航空はアエロフロートからのリース機材でチャーター便のみを運航する会社であった。しかし、1990年12月28日に株式会社となり、ロシアでアエロフロート以外で初めて定期便の運航を認可された。初のチャーター便は 1991年11月5日のモスクワからイスラエル・テルアビブへのフライトであった。1992年7月には、イリューシンIl-86を受領した。また、1993年1月にはモスクワ・ノリリスク間の定期路線をアエロフロート以外で初めて開設し、同年にキエフ・ソチ・アルマトイへの路線も開設した。初のCIS(CIS)域外への国際線はモスクワからテルアビブへの路線で、1993年11月に開設された。
1995年にロシアで初めてマイレージサービスを導入し、1997年にはFAAの整備認証を受けた。
1998年12月、モスクワからロンドンへの路線を週1便で開設。
2005年7月11日、ロシアで初めてボーイング747をモスクワからテルアビブへの路線開設と同時に導入すると発表した。この機体は元ヴァージン・アトランティック航空のボーイング747-200がリースされたものである。
2005年5月、モスクワからモントリオールへのカナダ初乗り入れとなる路線を開設した。2006年には、モスクワからトロントへの直行便を開設している。
2007年6月の日露航空交渉により東京/成田への週2便の就航が認められ、2008年4月24日より、サンクトペテルブルクから成田空港へ週2便就航したが、同年10月28日より運休している[1]。2010年5月27日から直行便の運航が夏季限定で再開されたが、再び運休となっている。2012年6月21日から週1便で運航再開。更に2013年5月25日からモスクワ/ドモジェドヴォ - 東京/成田線に週1便で就航開始した。成田発着枠は保持していてサンクトペテルブルク線とモスクワ(ドモジェドボォ)線を夏期を中心に運航していた。2010年には待望のアメリカ路線であるニューヨークへの乗り入れを開始。
2015年5月、新塗装を導入。初号機となるボーイング737-800がボーイングから引き渡された[2]。
2015年9月1日、トランスアエロ航空はロシア政府の提案により、アエロフロート・ロシア航空に売却されることが決まったと発表[3]。アエロフロート航空も2015年9月3日、9月1日に開催した取締役会で、トランスアエロ航空の株式75%を1ルーブルで取得すると発表。ロシア連邦政府はイーゴリ・シュワロフ第一副首相をトップに民間航空分野でロシア発の世界最大の航空会社を作る目標を設定し、アエロフロート・グループによるトランスアエロ航空の買収を承認。アエロフロートはこの買収手続きを1年ほどで行う方針で、トランスアエロ航空のリストラを進めるための検討グループも設置した[4]。9月28日には、モスクワの拠点をドモジェドヴォ空港からヴヌーコヴォ国際空港へ移すと発表している[5]。
2015年10月2日、トランスアエロ航空は航空券の販売を停止し、2015年12月15日まではアエロフロート航空の支援を受けつつ運航を続けると発表した[6]。しかし、期限までにトランスアエロ航空の株主側が提案を出さなかったため、アエロフロート航空は買収交渉の期限を延長しないことを明らかにした[7]。
これに伴い、トランスアエロ航空は経営破綻[8]、10月25日、ロシア当局による許可停止を受けてすべての運航を停止した[9]。負債総額は約2,500億ルーブル[10]。主要機材・路線・人材はアエロフロートの子会社であるロシア航空に移管された。
保有機材
[編集]機材は1993年4月にボーイング737-200の導入により、ロシアで初めて西側の機材を導入した会社となった。以降1994年4月にはボーイング757-200、1998年にはボーイング737-700、2002年にはボーイング767-200とボーイング737-300、2003年にはボーイング767-300とボーイング737-400、2005年にはボーイング747-200、ツポレフTu-214-300、2010年にはボーイング747-400と多種機材の導入を発表しているがそのほとんどが中古のリース機材である。このような機材構成とロシアの国情もあって地上待機の機体もあり、実運用でどれだけの機体が稼働しているかは把握が難しくもある。
2014年1月時点で以下の機材を所有している[11][12]。
機種 | 機数 | 座席数 | 特記事項 |
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ボーイング737-300 | 4 | 122 (C8/PY42/Y72) | EI-CXRはC56席のみ |
ボーイング737-400 | 5 | 140 (C8/PY60/Y72) | |
ボーイング737-500 | 14 | 101 (C8/PY42/Y51) | EI-UNGはWL(ウイングレット)装着機 EI-UNHはF18C8Y30の56席配置 |
ボーイング737-700 | 7 | 128 (C8/Y120) | |
ボーイング737-800 | 15 | 158 (C8/PY54/Y96) 154 (C16/Y138) 144 (F4/C8/Y132) |
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ボーイング747-400 | 20 | 522 (C12/Y510) 461 (F10/C12/Y439) 447 (F12/C26/Y409) 375 (F12/C50/Y313) 352 (F11/C21/PY35/Y285) |
元南アフリカ航空・日本航空・シンガポール航空機材 座席配置は旧所属別で分別。なお、EI-XLO機は元9V-SPQでありシンガポール航空747フェアウェルフライトに充当された機体でもある。 アムールトラを機首に描いた特別塗装機も存在する。 |
ボーイング767-200ER | 2 | 230 (C16/Y214) 221 (C12/Y209) |
元USエアウェイズ・LANチリ機 |
ボーイング767-300ER | 12 | 249-202 (C12-26/PY98-117/Y92-106) | 世界主要会社からの中古機。アエロフロートからの機材も存在。 多様な座席配置 |
ボーイング777-200ER | 8 | 323 (C30/W176/Y117) 306 (F12/C14/PY167/Y113) |
元ユナイテッド航空・シンガポール航空機材。 同機の初期ロットが多数。最初の2機は非ER型 |
ボーイング777-300 | 5 | 373 (F4/C14/W133/Y222) | 元シンガポール航空機 |
ツポレフTu-214 | 3 | 182 (C8/Y174) | 7機納入残 |
ツポレフTu-204C | 2 | 貨物機 |
発注していた機材
[編集]- エアバスA320neo - 8機
- エアバスA321-200 - 8機
- エアバスA330ceo - 8機
- エアバスA330neo - 12機
- エアバスA380-800 - 4機(652席予定)
- ボーイング747-8IC - 4機(460席予定)。うち完成済みの2機はアメリカ空軍が購入し、米国大統領専用機に転用される[13]。
- ボーイング787 - 4機[14][15](3クラス262席予定)
A380と747-8ICは747の代替予定。2015年にロシア経済の景気後退からくる需要低下により受領延期。787は767の代替を目的として導入される予定で、2012年4月9日に確定発注が決まった[16]。いずれも破綻に伴い導入されることはなかった。
その他にもロシア機材としてスホーイSSJ100やイルクート MS-21の導入も計画されていた。
以前保有していた機材
[編集]定期便就航地
[編集]国内線
[編集]- アナディリ - ウゴリヌイ空港
- イルクーツク - イルクーツク国際空港
- モスクワ - ドモジェドヴォ空港(ハブ空港)
- ノヴォシビルスク - トルマチョーヴォ空港
- サンクトペテルブルク - プルコヴォ空港
- エカテリンブルク - コルツォヴォ国際空港
- ペトロパブロフスク・カムチャツキー - エリゾヴォ空港
- ユジノサハリンスク - ユジノサハリンスク空港
国際線(主要就航地)
[編集]- ドバイ - ドバイ国際空港(2013年9月20日から就航開始予定 [17])
- アブダビ - アブダビ国際空港
- アルマトイ - アルマトイ国際空港
- クアラルンプール - クアラルンプール国際空港
- 広州 - 広州白雲国際空港
- 上海 - 上海浦東国際空港
- シンガポール - シンガポール・チャンギ国際空港
- 台北 - 台湾桃園国際空港
- タシュケント - タシュケント国際空港
- テルアビブ - ベン・グリオン国際空港
- デンパサール - ングラライ国際空港
- バンコク - スワンナプーム国際空港
- 東京 - 成田国際空港
出典
[編集]- ^ “サンクトペテルブルク、トランスアエロ航空が10月26日より運休に”. トラベルビジョン. (2008年7月30日). オリジナルの2012年9月14日時点におけるアーカイブ。
- ^ “トランスアエロ、新塗装737-800は初の製造時にKuバンド搭載機”. FlyTeam (2015年5月24日). 2017年6月22日閲覧。
- ^ “アエロフロート・グループ、トランスアエロ航空を買収 連邦政府が承認”. FlyTeam. (2015年9月2日)
- ^ “アエロフロート、取締役会でトランスアエロの買収を承認 リストラ実施へ”. FlyTeam. (2015年9月4日)
- ^ “トランスアエロ航空、モスクワの利用空港をブヌコボ国際空港に統一”. FlyTeam (2015年9月29日). 2017年6月22日閲覧。
- ^ “トランスアエロ航空、航空券の販売を停止 12月15日までは運航”. FlyTeam (2015年10月3日). 2015年10月3日閲覧。
- ^ “アエロフロート、トランスアエロ航空の買収断念へ 約2円で買収を計画”. Traicy (2015年10月2日). 2015年10月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月22日閲覧。
- ^ “露トランスアエロ、事実上の破綻 S7航空が株式取得”. Aviation Wire (2015年10月21日). 2017年6月22日閲覧。
- ^ “トランスアエロ航空が運航停止、旧JALの747もテルエル空港で保管へ”. FlyTeam (2015年10月26日). 2017年6月22日閲覧。
- ^ “<新興国eye>ロシアのトランスアエロ航空、9500人超の全従業員に退職勧告へ”. モーニングスター (2015年11月11日). 2017年6月22日閲覧。
- ^ [1]
- ^ “アーカイブされたコピー”. 2013年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月12日閲覧。
- ^ “米空軍、次期大統領専用機に元トランスアエロの747-8購入 新古機でコスト削減”. Aviation Wire. (2017年8月6日)
- ^ Авиакомпания «Трансаэро» приобретает четыре самолета Boeing 787 Dreamliner
- ^ Boeing, Transaero Airlines Finalize Order for Four 787 Dreamliners
- ^ “トランスアエロ、787型4機を確定発注-初めて787機内で契約”. FlyTeam (2012年4月9日). 2017年6月22日閲覧。
- ^ “トランスアエロ航空、9月からモスクワ/ドバイ線に定期便を就航”. FlyTeam. (2013年8月29日)
外部リンク
[編集]- トランスアエロ航空(ロシア語)
- トランスアエロ航空 - インターネットアーカイブ
- トランスアエロ航空の機材(英語)
- トランスアエロ航空の機体の写真(英語)