デデキント環
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デデキント環(デデキントかん、Dedekind ring)、あるいはデデキント整域(デデキントせいいき、Dedekind domain)とは、任意の0でない真のイデアルが、有限個の素イデアルの積にかけるような整域のことである。そのような分解は一意であることが知られており、イデアル論の基礎定理と呼ばれる。
定義
[編集]体でない整域 R について、以下の条件は同値である。
- Rの任意の0でない真のイデアルは、有限個の素イデアルの積にかける。
- R はネーター環で、クルル次元が1で、正規である。
- R の任意の0でない分数イデアルは可逆である。
- R はネーター環で、任意の極大イデアルにおける局所化は離散付値環(DVR)である。
デデキント環とは、上記条件の1つ、従ってすべてを満たすような整域のことである。体については、デデキント環に含める場合と含めない場合がある。
例
[編集]加群の構造
[編集]デデキント環 R 上の有限生成加群 M の構造は次の様になる[1]。有限生成加群 M に対して、ある零でない整イデアルの列 I1 ⊆ … ⊆ In と階数有限の自由加群 F、可逆イデアル I が存在して同型
が成り立つ。また、このイデアル I, I1, …, In と自由加群 F は有限生成加群 M により同型を除いて一意に定まる。
脚注
[編集]- ^ Auslander & Buchsbaum 2014, Theorem 5.1.
参考文献
[編集]- Auslander, Maurice; Buchsbaum, David (2014). Groups, Rings, Modules. Dover. ISBN 978-0-486-49082-3
関連項目
[編集]- リヒャルト・デーデキント
- 主イデアル整域(PID)
- 一意分解環(UFD)
- 遺伝環