デッドウイング
『デッドウイング』 | ||||
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ポーキュパイン・ツリー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 2004年3月 - 10月 | |||
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | ラヴァ・レコード | |||
プロデュース |
スティーヴン・ウィルソン アディショナル・プロダクション:ギャヴィン・ハリソン、リチャード・バルビエリ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ポーキュパイン・ツリー アルバム 年表 | ||||
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『デッドウイング[注釈 1]』(Deadwing)は、イングランドのプログレッシブ・ロック・バンド、ポーキュパイン・ツリーが2005年に発表した8作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]正式なレコーディングは、2004年3月から10月にかけてイングランドの様々なスタジオで行われたが、2003年から2004年のデモ録音からの断片も流用されている[11]。バンドの中心人物スティーヴン・ウィルソンは当初、幽霊をテーマとした映画作品の制作を構想しており、本作はそのサウンドトラックとなるはずだったが、本作のリリースに至るまで、映画制作に必要な資金は得られなかったという[12]。
当時キング・クリムゾンのメンバーだったエイドリアン・ブリューと、オーペスの中心人物として知られるミカエル・オーカーフェルトがゲスト参加した。スティーヴン・ウィルソンは、ブリューがゲスト参加を希望してきた件について「驚きだよ。私はラッシュとキング・クリムゾンを聴いて育ったんだからね」とコメントしているが、ブリュー本人との対面は果たせず、ウィルソンが送った音源にブリューが自分のパートを追加する形となった[12]。また、ウィルソンは本作以前よりオーペスとの親交が深く、『ブラックウォーター・パーク』(2001年)、『デリヴァランス』(2002年)、『ダムネイション』(2003年)といった作品でプロデュース、演奏、ボーカルなどに貢献してきた[13]。
アメリカで発売されたエンハンストCDには、本作のメイキング映像が収録された[14]。また、2006年3月24日に発売された日本初回盤CD (IECP-20003/4)には、過去の代表曲をコンパイルしたボーナスCDが付属していた[2]。
反響・評価
[編集]フランスでは2005年4月2日付のアルバム・チャートで初登場100位となり、前スタジオ・アルバム『In Absentia』に続く自身2作目のトップ200入りを果たした[9]。スウェーデンでは2005年4月7日付のアルバム・チャートで26位となり、同国における初のチャート入りを果たした[3]。アメリカの総合アルバム・チャートBillboard 200では2005年5月14日に132位を記録し、バンド初の全米トップ200入りを果たした[10]。また、『ビルボード』のトップ・ヒートシーカーズでは4位に達した[15]。
フィンランドでは、リリースから約5年後の2010年、2週にわたりアルバム・チャートでトップ50入りして、最高47位となった[4]。バンドの母国イギリスでは、オリジナル・リリース時には全英アルバムチャート入りを果たせなかったが、2018年3月8日付のチャートで97位を記録した[8]。
John D. Luerssenはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「『デッドウイング』はヘッドフォンで聴くべきである、タイトルに反して飛べるから」と評している[1]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はスティーヴン・ウィルソン作。
- デッドウイング - "Deadwing" - 9:46
- シャロウ - "Shallow" - 4:17
- ラザルス - "Lazarus" - 4:18
- ヘイロー - "Halo" (Porcupine Tree) - 4:38
- アライヴィング・サムホエア・バット・ノット・ヒア - "Arriving Somewhere But Not Here" - 12:02
- メロトロン・スクラッチ - "Mellotron Scratch" - 6:57
- オープン・カー - "Open Car" - 3:46
- ザ・スタート・オブ・サムシング・ビューティフル - "The Start of Something Beautiful" (Steven Wilson, Gavin Harrison) - 7:39
- グラス・アーム・シャッタリング - "Glass Arm Shattering" (Porcupine Tree) - 6:12
ボーナス・トラック
[編集]アメリカ盤CD (Lava 93812-2)および日本盤CDに収録。「グラス・アーム・シャッタリング」から約5分の無音状態を経て始まる[14]。
- シーズ・ムーヴド・オン - "Shesmovedon" - 4:59
日本初回盤CD (IECP-20003/4)ボーナス・ディスク
[編集]- イーヴン・レス - "Even Less" - 7:13
- ピュア・ナルコティック - "Pure Narcotic" - 5:04
- ハウ・イズ・ユア・ライフ・トゥデイ - "How Is Your Life Today" - 2:48
- バイング・ニュー・ソウル - "Buying New Soul" - 10:27
- ロシア・オン・アイス(ライヴ) - "Russia on Ice (Live)" (Steven Wilson, Richard Barbieri, Colin Edwin, Chris Maitland) - 12:07
- ブラッケスト・アイズ - "Blackest Eyes" - 4:25
- トレインズ - "Trains (Edit)" - 4:28
- オープン・カー - "Open Car" - 3:51
- ラザルス - "Lazarus (Single Edit)" - 3:58
- ヘイロー(ライヴ) - "Halo (Live)" (Porcupine Tree) - 5:53
参加ミュージシャン
[編集]- スティーヴン・ウィルソン - ボーカル、ギター、ベース、ピアノ、キーボード、ハンマード・ダルシマー
- リチャード・バルビエリ - キーボード、シンセサイザー
- コリン・エドウィン - ベース
- ギャヴィン・ハリソン - ドラムス、パーカッション
アディショナル・ミュージシャン
- エイドリアン・ブリュー - ギター・ソロ(on #1, #4)
- ミカエル・オーカーフェルト - ハーモニー・ボーカル(on #1, #3, #5)、ギター・ソロ(on #5)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 日本初回盤CD (IECP-20003/4)、2008年再発CD (IEZP-10)、2013年再発CD (IEZP-57)の帯に準拠。
出典
[編集]- ^ a b Luerssen, John D. “Deadwing - Porcupine Tree”. AllMusic. 2019年6月22日閲覧。
- ^ a b “ポーキュパイン・ツリー/デッドウイング (2CD)”. CDJournal. 音楽出版社. 2019年6月22日閲覧。
- ^ a b swedishcharts.com - Porcupine Tree - Deadwing
- ^ a b finnishcharts.com - Porcupine Tree - Deadwing
- ^ Offizielle Deutsche Charts
- ^ italiancharts.com - Porcupine Tree - Deadwing
- ^ Porcupine Tree - Deadwing - dutchcharts.nl
- ^ a b PORCUPINE TREE | full Official Chart History | Official Chart Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
- ^ a b lescharts.com - Porcupine Tree - Deadwing
- ^ a b “Porcupine Tree Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2019年6月22日閲覧。
- ^ Porcupine Tree - Deadwing (CD, Album) | Discogs
- ^ a b Prasad, Anil (2005年). “Porcupine Tree - Cinematic catharsis”. Innerviews. 2019年6月22日閲覧。
- ^ Steven Wilson | Credits | AllMusic
- ^ a b Porcupine Tree - Deadwing (CD, Album, Enhanced) | Discogs - アメリカ盤エンハンストCD (Lava, 93812-2)の情報。
- ^ “Porcupine Tree Chart History - Heatseekers Albums”. Billboard. 2019年6月22日閲覧。