デカルコマニー
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デカルコマニー(仏: Décalcomanie)は、紙と紙の間などに絵具を挟み、再び開いて偶発的な模様を得る技法で、「仏: décalquer」(転写する)[1]に由来する[2]。元は陶器やガラスの絵付け技法であったが、オスカー・ドミンゲスが絵画に導入した[2]。シュルレアリスムの画家たちの間では、フロッタージュなどとともにオートマティスムの一つの手法として広まり、特にマックス・エルンストによる作品が著名である[2]。
工程
[編集]- ガラスや表面が滑らかな紙など、絵具が定着しにくい素材を選び、その上に絵具を塗る。
- 絵具が乾かないうちに、別のガラスや紙を上に重ねて押し付ける。
- 重ねたガラスや紙を外すと、そこに模様ができている。ただしガラスの場合は外さなくとも模様が見えるため、重ねたままにすることもある。
特徴
[編集]絵画を制作する際、そこには往々にして制作者の意図が働いているが、デカルコマニーで制作された模様には制作者のコントロールが(少なくとも完全には)効いていない。つまり、完成した模様に制作者の「無意識」が表出していると考えることが可能になり、それこそがデカルコマニー最大の特徴といえる。また見る者によっても模様の見え方は様々であり、それが見る側の「無意識」をも示す可能性も指摘されている。
脚注
[編集]- ^ “DÉCALQUER : Définition de DÉCALQUER”. www.cnrtl.fr. 2019年9月18日閲覧。
- ^ a b c 武蔵野美術大学造形ファイル.
参考文献
[編集]関連項目
[編集]- 瀧口修造
- 展覧会において、瀧口のデカルコマニー作品が展示されたことがある(富山県立近代美術館・常設展「瀧口修造とデカルコマニー」・2008年)
- ハンス・ベルメール
- ロールシャッハテスト
- 墨流し