アマレット
アマレット(Amaretto)とは、アーモンドのような香りを持つリキュール。香りがアーモンドに似ているため、原料の中に必ずアーモンドが入っているものと思われがちだが、実際は杏仁(杏仁豆腐等にも使われるアンズの核)を使用しているものが主流。Amarettoとはイタリア語で「すこし苦いもの」という意味。
ディサローノ・アマレット
[編集]アマレットの元祖であり、アマレットの中で最も有名なブランドである、アマレット・ディ・サロンノ(Amaretto Di Saronno) は、アンズの種を原料とし、甘くてほろ苦いアーモンドに似た風味と赤みを帯びた琥珀色が特徴のリキュールである。アルコール度数は28%。エキス分は26%。ミラノ地方の菓子のアマレッティに香りが似ていたことから、このリキュールは「アマレット」と命名されたとも言われる[1]。
したがって、元々は「アマレット」として売られていたが、このリキュールの成功を見た他社が「アマレット」の名で類似品を発売し出したため、1992年に現在の名称に改名した[2]。
1525年に、イタリアの画家ベルナルディーノ・ルイーニが、イタリア・サロンノにあるサンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会に、聖母マリアのフレスコ画を描くよう任じられた。このときに絵のモデルとして雇った宿屋の若い女主人と恋におち、この女性がルイーニへの贈り物としてつくったのが、アマレット・ディ・サロンノの原形である。このときから現在まで製造法は変わっていないとされるが、瓶の形状は何度か変更されており、現在のよく知られた四角い瓶はムラーノ出身のガラス職人がデザインしたものである。なお、日本の輸入業者であるサントリーでは「ディサローノ」の表記を用いている。
その他の銘柄
[編集]- アマレット・フローリオ(Amaretto Florio)
- アルコール度数25度、エキス分29%[3]。
- ルクサード・アマレット・ディ・サスキーラ(Luxardo Amaretto di Saschira)
- アルコール度数28度、エキス分28%、片仮名ではルクサルド・アマレット・ディ・サスキーラとも表記される[3]。
アマレットを使ったカクテル
[編集]出典
[編集]- ^ 成美堂出版 2001, p. 116.
- ^ 福西 1997, p. 135.
- ^ a b 成美堂出版 2001, p. 117.
参考文献
[編集]- 成美堂出版 編『リキュールとカクテルの事典』成美堂出版、2001年8月20日。ISBN 4-415-00835-6。
- 福西英三『リキュールブック』柴田書店、1997年7月1日。ISBN 4-388-05803-3。