テルメ川
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テルメ川 (トルコ語: Terme Çayı; ラテン語: Thermeh[1])は、トルコ北岸のサムスン県を流れ、黒海に注ぐ河川。古代にはテルモドン (ギリシア語: Θερμώδων,[1] ラテン文字転写: Thermodon[1]) と呼ばれた。源流はポントス山脈にあり、3本の支流がサルパザルで合流した後、肥沃なチャルシャンバ平野を通る。河口から5キロメートルの位置にテルメの町が存在する。
歴史
[編集]古典古代においてテルメ川はテルモドンと呼ばれ、周辺地域はポントスと呼ばれていた[2]。古代では河口の幅が約3プレトラ(約300ポデス)あり、船舶が航行できたという[1][3]。ストラボンは「パナロイア近くに多数の源流...多数の支流」があり(不正確な記述で、おそらくイリス川と混同している)、「古代の著述家の間では非常によく知られており」、その河口はテミスキュラの町の近くであったという[1]。アレクサンドリアのディオニュシオス以降、テルモドン川はたびたび40キロメートル東方に河口を持つイリス川(イェシル川)と混同されている。イェシル川はテルメ川より格段に大きな河川であり、より多くの土砂を運んでいるため濁っている[4]。
ギリシア神話では、テルモドン川やその流域の平野にアマゾーンの首都テミスキュラが存在したとされている[2][1]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f Schmitz, Leonhard (1857). “Thermodon”. In Smith, William (英語). Dictionary of Greek and Roman Geography. II, Iabadius-Zymethus. London: Walton and Maberly, and John Murray. p. 1161, principally
- ^ a b Schmitz, Leonhard (1857). “Themiscyra”. In Smith, William (英語). Dictionary of Greek and Roman Geography. II, Iabadius-Zymethus. London: Walton and Maberly, and John Murray. p. 1156, principally; see also pp. 64, 70, 119, 223, 546, 659, 946, and 1161
- ^ Xenophon, Anab. 5.6.9, 6.2.1.[要文献特定詳細情報]
- ^ Tønnes Bekker-Nielsen, Marit Jensen, "Two Pontic Rivers", Cedrus: The Journal of MCRI 3:231-2142 (2015), doi:10.13113/CEDRUS.2015011411