テルミドール (料理)
テルミドール | |
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テルミドール(真ん中のもの) | |
発祥地 | フランス |
主な材料 | ロブスター、卵黄、ブランデー、マスタード |
テルミドール(Thermidor)は、ワインソースで煮込んだロブスターなどのエビの身をその殼に詰めて焼いた、フランス発祥の料理である。ソースは一般に卵黄とブランデーが加えられる[1]。オリジナルのレシピでは、ソースにマスタード(一般には粉マスタード)が加えられる[2]。高価な材料が使われ、作るのにも手間がかかることから、特別な日のための料理とみなされている。
歴史
[編集]この料理のレシピは、パリの料理人レオポルド・ムーリエによって考案されたものである。1891年1月、フランス革命時の「テルミドールのクーデター」を題材としたヴィクトリアン・サルドゥの舞台作品『テルミドール』がコメディ・フランセーズで上演されたが、その内容から賛否両論となり、2回目の上演の後、当局により以降の上演を禁止された。ムーリエは、この作品の名前を料理の名前につけた。なお、ムーリエの師匠のオーギュスト・エスコフィエによりレシピが作られたとする説もあるが、当時エスコフィエはパリにはいなかった。この料理を最初に出した店については、「カフェ・ド・パリ」、「シェ・マリー」、「メゾン・メール」など諸説ある[3]。『テルミドール』は5年後の1896年に、「メゾン・メール」の近くのラ・ポルト・サン=マルタン劇場で再演されたが、そのときにはこの料理はすでに定着していた[4]。
メゾン・メールでムーリエが出していたテルミドールは、トマト、カイエン、ブランデーで作ったソースにイングリッシュ・マスタードを添えて提供されていた[2]。ロンドンの初期のレシピでも、イングリッシュ・マスタードが使われている[5]。初期のアメリカのレシピでは、トマト、カイエン、マスタードを使わず、ベアルネーズソースでとろみをつけたクリームソースにすりおろしたチーズを掛けている[6]。ニューバーグソースで供されることもあるが、これにトマトを加えたものはロブスター・ニューバーグとして区別される[7]。
脚注
[編集]- ^ Crofton, Ian (2013). A Curious History of Food and Drink. New York: Quercus. ISBN 9781623658267 February 16, 2021閲覧。
- ^ a b Strong, Rowland (1900). Where and How to Dine in Paris. London: Grant Richards. p. 75 February 16, 2021閲覧。
- ^ Bodet, R. (1939). Toques blanches et habits noirs. Dorbon-ainé. p. 70 February 16, 2021閲覧。
- ^ 50 Greatest Dishes of the World: James steen
- ^ Beaty-Pownall, S., ed (1903). The "Queen" Cookery Books. Series XII. Fish. Part I.. London: Horace Cox. pp. 138-140 February 16, 2021閲覧。
- ^ Hoff, A. C., ed (1914). Fish, Oysters, and Sea Foods of the World Famous Chefs. Los Angeles: International Publishing. p. 40 February 16, 2021閲覧。
- ^ Kander, Mrs. Simon (June 1924). The way to a man's heart: The Settlement Cook Book (13 ed.). Milwaukee: The Settlement Cook Book Co.. pp. 153-154 February 16, 2021閲覧。
外部リンク
[編集]- The Ivy. “Lobster Thermidor”. Taste of My Life. BBC Food. 23 May 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。15 January 2014閲覧。 Recipe.