エバーハルト・カール大学テュービンゲン
Eberhard Karls Universität Tübingen | |
ラテン語: Universitas Eberhardina Carolina | |
モットー | Attempto! |
---|---|
モットー (英語) | I dare! |
種別 | 国立 |
設立年 | 1477年 |
予算 | € 562.5 million[1] |
学長 | Bernd Engler |
教員数 | 3,604[2] |
職員数 | 1,375[2] |
学生総数 | 28,515 (WS2016/17)[3] |
学部生 | c. 21,800 (WS2016/17)[3] |
大学院生 | c. 4,600 (WS2016/17)[3] |
博士課程在籍者 | c. 2,000 (WS2016/17)[3] |
所在地 |
ドイツ連邦共和国 バーデン=ヴュルテンベルク州テュービンゲン |
キャンパス | 大学都市 |
スクールカラー | |
Exzellenzinitiative、Matariki Universitätsnetzwerk、German U15、Guild of European Research-Intensive Universities | |
公式サイト | www.uni-tuebingen.de |
エバーハルト・カール大学テュービンゲン(ドイツ語: Eberhard Karls Universität Tübingen、ラテン語: Universitas Eberhardina Carolina)は、ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州テュービンゲンにある総合大学である。1477年に創立され、ドイツで最も古い大学の一つに数えられる。エクセレンス・イニシアティブ指定校[4]。通称はテュービンゲン大学。
概要
[編集]1477年にヴュルテンベルク=ウラッハ伯エーバーハルト5世によって創設された500年以上の歴史を持つテュービンゲン大学は、ドイツ最古の大学のひとつである。街の至る所に大学施設がおかれているが、中心となる施設はかつて城のあった高台にある。
ドイツで優良な大学であることを示す「Universities of Excellency」に選ばれた11校のうちの一つである。Times Higher Educationの大学ランキングにおいて世界トップ100にランクインしている (日本からは東京大学と京都大学のみ)。また、ヨーロッパの大学として唯一、日本にサテライトキャンパスを持っている。テュービンゲンはヨーロッパのヒューマニズムとドイツ観念論の発祥の地として歴史的に知られており、その人文科学及び社会科学においては伝統的に強さを誇る。現在までに11人のノーベル賞受賞者を輩出している。
学部
[編集]学部・学科
[編集]1477年の大学設立当初は、法学部、医学部、哲学部、神学部が設置された。2010年10月における学部再編以来[5]、テュービンゲン大学は7つの学部で構成されている。
- 福音主義神学部 (学部 1)
- 旧約聖書学
- 新約聖書学
- 教会史学
- 組織神学
- 実践神学
- 宗教学
- カトリック神学部 (学部 2)
- 法学部 (学部 3)
- 法学
- 国家試験課程
- 学士副専攻 (Nebenfach)
- 研究課程 (LL. M. )
- 法 - 倫理 - 経済 (Zertifikatsstudium)
- 法学
法学部は1477年創立当初の学部の1つである。 大学の本館であるニューオーラ(Neue Aula)に集中している。300人以上の外国人学生と21人の教授を含む2,700人以上の学生が法学部在籍している。 法学部は大学に授与された「エクセレンス大学」の一部である[6]。
- 文学部 (学部 5)
- 古典学・ 芸術学科
- アジア・東洋学科 (アジア地域文化研究所: AOI, Institute of Asian and Oriental Studies)
- 史学科
- 現代語学科
- 哲学科
テュービンゲン大学は、1863年にドイツで初めて独立した理学部を設立した。
定員
[編集]入学許可は大きく制限されており、1年における主な入学定員は次の通りである。
〈国家試験過程〉
法学 399人, 医学 327人, 薬学 140人, 歯学 61人
〈学士課程〉
ドイツ語 250人, 英語 178人, 生物学 165人, 経済・経営 100人
施設
[編集]- 大学図書館
- 大学博物館(MUT)
大学都市
[編集]テュービンゲンは、南西ドイツ、バーデン・ヴュルテンベルク州の中央に位置する。中世の面影を残す旧市街、特徴のあるマルクト広場が特徴的で、中心部にはネッカー川が流れている。人口は約8万9千人で、そのうち2万8千人以上の学生が学んでいるため、ドイツ屈指の大学都市となっている。このため、街の公用表記はUnivetsitätsstadt Tübingen(大学都市テュービンゲン)とされ、街と大学の一体となって共生しているのが分かる。そして旧市街は、ドイツでは珍しく第二次世界大戦で破壊されなかったため、 美しい歴史的建築がそのまま保存されており、ドイツの街としてはかなり貴重である。
テュービンゲン大学の前身テュービンゲン神学校は、17世紀から19世紀を通じてルター派正統神学の拠点であった。近郊にベーベンハウゼン修道院をもつ。テュービンゲンで最も歴史のあるギムナジウムはヨハネス・ケプラーを記念して、ヨハネス・ケプラー・ギムナジウムと名づけられている。教会広場に面したヘッケンハウアー書店は、かつて無名時代のヘルマン・ヘッセが店員をしていたことで知られる。
また、ヘッヒンゲンの南の山に第一次世界大戦までのドイツ帝国皇帝ホーエンツォレルン家のホーエンツォレルン城がある。
アクセス
シュトゥットガルト中央駅からドイツ鉄道で約1時間。シュトゥットガルト空港からバスで約40分。[7]
代表的人物
[編集]卒業生には、ドイツ連邦大統領、欧州委員、大臣、憲法裁判所裁判官がいる。また、これまで11人が物理学、化学、生理学・医学の分野においてノーベル賞を受賞している。歴史的な有名人物として、以下の人物が挙げられる。
- アロイス・アルツハイマー
- 精神科医の彼は、大学時代にテュービンゲン大学で医学を学んでいる。現在アルツハイマー病、アルツハイマー型認知症として知られる疾患概念を確立した。
- ヨハネス・ケプラー
- 16世紀後半から17世紀前半にかけての天文学者。当大学で数学を学んだ。天体運行に関する「ケプラーの法則」で知られる。
- フリードリヒ・シェリング
- 18世紀後半から19世紀前半にかけての哲学者。ドイツ観念論の代表的な哲学者で、「人間的自由の本質」などで知られる。
- ゲオルク・ヘーゲル
- 18世紀後半から19世紀前半にかけての哲学者。シェリングと同時期に活躍した哲学者で、ドイツ観念論の大成者とされることが多い。『精神現象学』などの作品で知られる。
- フリードリヒ・ヘルダーリン
- シェリング、ヘーゲルと同時期にテュービンゲン大学で学んだ詩人。
- ルートヴィヒ・ウーラント
- テュービンゲンで生まれ、テュービンゲン大学で学び教え、テュービンゲンで死んだ詩人。
- カール・バルト
- 20世紀最大の神学者の一人で、テュービンゲン大学で学んでいる。「ローマ書」「教会教義学」などで知られる。
- フリードリッヒ・ミーシェル
- 遺伝子の正体である核酸を発見人物である。テュービンゲン大学でフェリクス・ホッペ=ザイラーの指導のもと白血球を研究した。1869年に白血球細胞の核から、様々なリン酸塩からなるな化学物質を単離し、これをヌクレイン(核酸)と名づけた。
- グドルン・エンスリン
- フェルディナント・フォン・ツェッペリン
- 硬式飛行船を実用化した人物であり、「ツェッペリン」は幾つもの言語において「硬式飛行船」を意味する普通名詞となっている。
協定校
[編集]戦略的パートナー大学[8]
- 北京大学 (中華人民共和国)
- 復旦大学 (中華人民共和国)
- 高麗大学校 (大韓民国)
- 国立台湾大学 (台湾)
- 東京大学 (日本)
- 理化学研究所, RIKEN (日本)
- 同志社大学 (日本)
- ダラム大学 (イギリス)
- クイーンズ大学 (カナダ)
- ダートマス大学 (アメリカ合衆国)
- メリーランド大学カレッジパーク校 (アメリカ合衆国)
- ノースカロライナ大学チャペルヒル校 (アメリカ合衆国)
- コロジュヴァール大学 (ルーマニア)
- エトヴェシュ・ロラーンド大学 (ブダペスト大学) (ハンガリー)
- エクス=マルセイユ大学 (フランス)
- オタゴ大学 (ニュージーランド)
- ウプサラ大学 (スウェーデン)
- 西オーストラリア大学 (オーストラリア)
- サンパウロ大学 (ブラジル)
協定校
学生は協定校へ追加の学費無しで留学することができる。海外協定校は61カ国、500校を超え、毎年1000人を超える学生が留学をしている。
- カリフォルニア大学バークレー校
- イェール大学
- プリンストン大学
- ジョージタウン大学
- ミシガン大学
- ケンブリッジ大学
- プラハ大学
- ワルシャワ大学
- シンガポール国立大学
- モスクワ国立大学
- 香港大学
- 北京大学
日本の例
その他
[編集]子ども大学
2002年チュービンゲン大学で、地元紙Tuebinger Blattの協力を得て世界初の子ども大学が開設された。大学教授とジャーナリストが共同して、7~12歳の子どものため無料で授業を行った。1回目の授業に400人の子どもが参加し、2回目の授業では900人の子どもが参加した。その後ドイツをはじめ、ヨーロッパ各地に広まった。2005年チュービンゲン子ども大学は、その実績を評価されてEUからデカルト賞を受賞した。
引用
「ドイツ哲学が根本において何であるかを捉えるためには、テュービンゲン大学神学寮という語を発しさえすればよい。」(『アンチクリスト』― ニーチェ)
脚注
[編集]- ^ “Zahlen und Fakten zur Universität Tübingen” (ドイツ語). University of Tübingen. 2017年6月21日閲覧。
- ^ a b “Jahresbericht 2016” (ドイツ語). University of Tübingen. p. 58. 2017年6月21日閲覧。
- ^ a b c d [1]
- ^ ドイツの大学システムの概要 ドイツ学術交流会
- ^ Pressemeldung der Universität Tübingen zur Neugliederung der Fakultäten
- ^ “Verzeichnis der Studiengänge” (ドイツ語). uni-tuebingen.de. 2018年11月27日閲覧。
- ^ “テュービンゲン大学 サマーコース - ネッカー河畔の綺麗な大学街 | Pfadfinder24” (英語). ドイツ留学専門店 PFADFINDER24. 2019年5月13日閲覧。
- ^ “Internationale Partnerschaften”. uni-tuebingen.de. 2019年5月13日閲覧。