テトリスフラッシュ
ジャンル | アクションパズル |
---|---|
対応機種 | ファミリーコンピュータ (FC) |
開発元 |
任天堂開発第一部 トーセ |
発売元 | 任天堂 |
プロデューサー | 横井軍平 |
ディレクター |
山本雅央 山上仁志 |
音楽 |
高野充彦 上村みゆき |
シリーズ | テトリスシリーズ |
人数 | 1 - 2人(対戦プレイ) |
メディア | 2メガビットロムカセット |
発売日 |
1993年9月21日 1993年10月 1993年 |
売上本数 | 124万本[1] |
その他 |
型式: HVC-TR NES-TS-USA NES-TS-UKV |
『テトリスフラッシュ』 (Tetris Flash) は、1993年9月21日に日本の任天堂から発売されたアクションパズル。
『テトリス』(1984年)を元に改変を加えた作品であり、落ち物パズルの一種。ブロックピースの形状や操作方法、ゲームフィールドの概念とゲームオーバーの条件は『テトリス』を継承しているが、ブロックの消去方法を中心にルールは大きく異なる。
開発は任天堂開発第一部およびトーセが行い、プロデューサーはゲームボーイ用ソフト『ドクターマリオ』(1990年)や『ヨッシーのクッキー』(1992年)を手掛けた横井軍平、ディレクターは『ヨッシーのクッキー』を手掛けた山本雅央および山上仁志、音楽はスーパーファミコン用ソフト『スーパーテトリス2+ボンブリス』(1992年)を手掛けた高野充彦およびスーパーファミコン用ソフト『ヨッシーのロードハンティング』(1993年)を手掛けた上村みゆきが担当している。
日本では1993年9月21日に任天堂よりファミリーコンピュータ版が発売された。さらに翌年の1994年6月14日には任天堂よりゲームボーイ版が、同年7月8日にはBPS (Bullet Proof Software) よりスーパーファミコン版がそれぞれ発売されている。欧米では、いずれの機種とも本作が『TETRIS 2』のタイトルで任天堂より発売された。なお、日本国内で発売された『(スーパー)テトリス2+ボンブリス』とは全くの別内容であり、タイトルは類似しているが関係はない。
ゲーム内容
[編集]オリジナルとなるファミリーコンピュータ版では、ゲーム中のグラフィックは動物の姿を刻んだ石版、幾何学模様や記号の描かれた壁、仮面、ナスカの地上絵など古代文明をモチーフとしている。ゲームモードは1人用との対戦の2つ。1人用ゲームでは10ステージごとに不思議な玉と人間の掛け合いを描いたデモシーンを観賞できる。
システム
[編集]基本的なゲームシステムは『テトリス』を継承しているが、以下の点が変更されている。
- 最小単位となるブロックには赤・青・黄(ゲームボーイ版では白・黒・灰色)の3色が存在する。
- フィールドにはスタート時から複数の「固定ブロック」が設置されている。さらに赤・青・黄(白・黒・灰色)の光る「フラッシュブロック」が1つずつ、合計3つ設置されている。
- プレイヤーは画面上部から1つずつ落下してくるブロックピース「移動ブロック」を回転、移動させ、フィールド内に設置することができる。移動ブロックは他のブロックやフィールドの床に乗るとフィールド内に固定される。
- 移動ブロックは3色あるブロックのいずれか4つで構成される。形状はテトリスと同様だが、縦横とも2ブロックで構成された正方形のピースは登場しない。この他2,3個の小さなブロックが角で接し、斜めに繋がっている形状のピースも登場する。(下図の下段3種) これらはブロックピースの一部が接地すると同時に、残りは分離し落下し続ける。分離したブロックは新たに接地するまで引き続き操作出来る。
- ブロックはその種類を問わず、同じ色を縦か横に3個以上並べると消える。テトリスのように横の行を隙間無くブロックで埋めただけでは消えない。
- フラッシュブロックを消すと、フィールド内に存在するそれと同じ色の固定ブロックはすべて消える。ただし移動ブロックは消えない。全てのフラッシュブロックを消すとステージクリア。
- 同じ色のブロックを6個以上並べて消した場合には、フィールド内に存在するそれと同じ色の移動ブロックはすべて消える。フラッシュブロックと固定ブロックは消えない。
- ブロックが消えた際、その上に乗っていた移動ブロックが落下し、再度同じ色のブロックが3個以上並んで消えると連鎖となる。
対戦モード
[編集]対戦では相手より先にすべての固定ブロックとフラッシュブロックを消すか、相手がゲームオーバーになれば勝利となる。相手への攻撃方法はフラッシュブロックを消す、連鎖消しの2つ。
- フラッシュブロックを消すと相手のフィールド上部にあるシャッターを下ろし、フィールド内を狭くすることができる。また自分のフィールドのシャッターを上げることができる。1人用とは異なり同色の固定ブロックは消えず、固定ブロックのいずれか1つがフラッシュブロックに変化する。
- 連鎖を起こすと相手の移動ブロックを高速落下させることができる。
移植版
[編集]No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
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1 | Tetris 2 テトリスフラッシュ Tetris 2 |
1993年12月 1994年6月14日 1994年10月27日 |
ゲームボーイ | 任天堂開発第一部 トーセ |
任天堂 | 1メガビットロムカセット | DMG-EH-USA DMG-EHJ-JPN DMG-EH-UKV |
スーパーゲームボーイ対応 |
2 | テトリスフラッシュ Tetris 2 Tetris 2 |
1994年7月8日 1994年8月 1995年 |
スーパーファミコン | 任天堂開発第一部 トーセ |
ビーピーエス 任天堂 任天堂 |
8メガビットロムカセット[2] | SHVC-27 SNS-27-USA SNSP-27-EUR |
- ゲームボーイ版
- 当初はファミリーコンピュータ版と同時期に発売される予定だったが、スーパーゲームボーイ対応ソフトとして再開発されたため、大幅に遅れて発売された。スーパーゲームボーイを使用するとカラー画面でゲームを楽しむことができる。グラフィックはファミコン版を継承しており、BGMはステレオ化された。
- ゲームモードには指定のブロックピースでフィールド内に存在するすべてのブロックを消すパズルモードが追加された。ただし1人用ゲームのデモシーンは削除されている。
- スーパーファミコン版
- パズルモードではパスワードが表示されるようになり、電源切断後も続きから遊ぶ事ができるようになった。ビールジョッキや鏡台をゲームフィールドに見立てるなど、グラフィックは現代的に変更され、BGMも一新された。デモ画面には大きく丸い鼻というアメリカ漫画のようなデザインのキャラクター達が登場する。1人用ゲームでは5ステージごとにこのキャラクターによるコントを鑑賞できる。
- 架空の次世代機版
- 1994年に発売された『ファミコン通信』には“1年後のファミコン通信”という趣旨の特集記事を掲載し、次世代機の普及やゲーム業界の未来予測を行った号が存在する。特集の最終ページにはプロジェクトリアリティーというゲーム機に対応したテトリスフラッシュの広告が掲載された。プロジェクトリアリティーとは後に発売されたNINTENDO64の開発コードネームである。これは任天堂の許諾の元、ゲームボーイ版の広告を改変し作成された架空の広告であり、ゲーム画面は編集部で独自に製作した3DCGに置き換わっている。
スタッフ
[編集]- スーパーファミコン版
- プロデューサー:横井軍平
- ディレクター:山本雅央、山上仁志
- オリジナル・テトリス・コンセプト、デザイン、プログラミング:アレクセイ・パジトノフ
- 音楽:高野充彦、上村みゆき
- エグゼクティブ・プロデューサー:山内溥
評価
[編集]評価 | ||||||||||||||||||||||
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- ファミリーコンピュータ版
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、6・5・6・4の合計21点(満40点)[6]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り、18.9点(満30点)となっている[12]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 2.7 | 3.0 | 3.3 | 3.3 | 3.4 | 3.2 | 18.9 |
- ゲームボーイ版
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、5・6・6・6の合計23点(満40点)[7]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り、21.0点(満30点)となっている[13]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.3 | 3.3 | 3.7 | 3.7 | 3.6 | 3.4 | 21.0 |
- スーパーファミコン版
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、6・6・6・5の合計23点(満40点)[8]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り、19.2点(満30点)となっている[14]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.1 | 3.1 | 3.0 | 3.5 | 3.4 | 3.1 | 19.2 |
脚注
[編集]- ^ 2021CESAゲーム白書 (2021 CESA Games White Papers). コンピュータエンターテインメント協会. (2021). ISBN 978-4-902346-43-5
- ^ 前田尋之「Chapter 2 スーパーファミコンソフトオールカタログ 1994年」『G-MOOK176 スーパーファミコンパーフェクトカタログ』ジーウォーク、2019年9月28日、108 - 154頁。ISBN 9784862979131。
- ^ “Tetris 2 for NES (1993)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2020年7月4日閲覧。
- ^ Electronic Gaming Monthly. December 1993.
- ^ “Review Crew: Tetris 2”. Electronic Gaming Monthly (Ziff Davis) (63): 34. (October 1994).
- ^ a b “テトリスフラッシュ まとめ [ファミコン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2020年7月4日閲覧。
- ^ a b “テトリスフラッシュ まとめ [ゲームボーイ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2020年7月4日閲覧。
- ^ a b “テトリスフラッシュ まとめ [スーパーファミコン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2020年7月4日閲覧。
- ^ GamePro. November 1, 1994.
- ^ Nintendo Power. January 1, 1994.
- ^ Nintendo Power. July 1, 1994.
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、86頁、ASIN B00J16900U。
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、500頁、ASIN B00J16900U。
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、328頁、ASIN B00J16900U。
- ^ Game Players. February 1994.
- ^ a b “Tetris 2 for Game Boy (1993)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2020年7月4日閲覧。