テツボラ属
テツボラ属 | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
|
テツボラ属(鉄法螺属、テツボラぞく、Purpura)は、アッキガイ科 Muricidaeに属する巻貝の分類群で、約5cm程度の黒っぽい縞模様の貝殻をもち、温暖な海の磯に生息する。
外観
[編集]殻高 5cm 程度の丸みを帯びた紡錘形で、殻口が広く、螺塔は高くない。螺層に黒っぽい細い縞模様が描かれ、螺肋上にごく弱い突起が並ぶ。
生態
[編集]潮間帯の岩礁に棲み、ほかの貝を捕食して生きる[2]。
種類
[編集]本属はチリメンボラ亜科Rapaninae に分類される[1]。本属と近縁のチリメンボラ亜科の分岐図を下に略記した[3]。
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Claremontら(2013)によるチリメンボラ亜科の分岐図のうち、テツボラ属近縁の要約[3] |
テツボラ属(Purpura Bruguière, 1789)に属する貝として以下の3種が知られている。
Purpura bufo Lamarck, 1822 タイワンレイシ(奄美諸島~インド-西太平洋)[4][5]
Purpura panama (Röding, 1798)
テツボラ(伊豆諸島~インド-西太平洋)[6]
Purpura persica (Linnaeus, 1758) ホソスジテツボラ(伊豆諸島~インド-西太平洋)[2]
人との関係
[編集]アッキガイ科Muricidaeの貝の特徴として、この属の貝も粘液が光に晒されると紫色になることからPurpuraの名を持つ。地中海沿岸では紀元前からこれらの貝をあつめて紫色の染料をとった[6]。日本では江戸時代から『鉄法螺』は知られ、武蔵石壽の目八譜で紹介されている[7]。
脚注
[編集]- ^ a b “"Purpura" Bruguière, 1789”. WoRMS. 2022年2月11日閲覧。
- ^ a b 奥谷喬司編『改訂新版 世界文化生物大図鑑 貝類』藤岡義三 世界文化社 2004年 ISBN 9784418049042
- ^ a b M. Claremont, G. Vermeij, S. Williams and D. Reid (2013). “Global phylogeny and new classification of the Rapaninae (Gastropoda: Muricidae), dominant molluscan predators on tropical rocky seashores.”. Molecular phylogenetics and evolution (National Library of Medicine) 66 (1): 91-102. doi:10.1016/j.ympev.2012.09.014 .
- ^ 『中国北部湾潮間帯現生貝類図鑑』133 蟾蜍荔枝螺,王海艳,张涛,马培振,蔡蕾,张振,科学出版社 2016年 ISBN 9787030485571
- ^ “タイワンレイシ”. 微小貝データベース. 2020年5月25日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b 波部忠重・小菅貞男 (1967/8/10). 標準原色図鑑全集 3 貝P28. 保育社
- ^ 武蔵石壽 (1843). “(五十四)鉄法螺”. 『目八譜』 (第六巻) .
テツボラ属の外部識別子 | |
---|---|
WoRMS | 204939 |