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テグルン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

テグルンモンゴル語: Tegülün, 生没年不詳)は、モンゴル帝国第5代皇帝セチェン・カアン(世祖クビライ)の皇后(ハトゥン)。

元史』などの漢文史料では帖古倫(tiègŭlún)大皇后と記されるが、『集史』などのペルシア語史料には登場しない。

概要

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『元史』巻106表1后妃表にはクビライの「大オルド(斡耳朶)」の主であったという。しかし、その事蹟についてはほとんど記録がない。

一方、『集史』「メルキト部族志」には「チンギス・カンの時代にウドイト・メルキトの王であり長であったのはトクタ・ベキであった。彼にはクドゥという名前の兄弟がおり、彼の娘はトルカイチンという名前であった。チンギス・カンは、クビライ・カアンのために、彼が13歳の時に求めた。彼女を全てのカトンより先に娶ったが、子が居なかったので、彼女の地位は他のカトンより低かった。」とあり、この「トルカイチン」とテグルンを同一人物と見る説もある。しかし、宇野伸浩は「地位は他のカトンより低かった」トルカイチンと「大オルド(斡耳朶)」の大皇后テグルンを同一視するのは不自然であると指摘し、上記の説を否定している。いずれにせよ、クビライがテグルンを娶ったのは13歳の時以降のことであると見られる[1]

脚注

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  1. ^ 宇野1993,81-82頁

参考文献

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  • 宇野伸浩「チンギス・カン家の通婚関係の変遷」『東洋史研究』52号、1993年
  • 宇野伸浩「チンギス・カン家の通婚関係に見られる対称的婚姻縁組」『国立民族学博物館研究報告』別冊 20、 1999年