Temu
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URL |
www |
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タイプ | 電子商取引 |
設立 | 2022年7月 |
運営者 | PDDホールディングス |
Temu(テム[1][2])は、中華人民共和国のPDDホールディングス(拼多多/ピンドゥオドゥオ)が中国国外向けに運営するオンラインマーケットプレイス[3]で、アパレル、化粧品、家電、家具、雑貨などを廉価販売する[3]。アフィリエイト、ソーシャルメディアを通じて宣伝を行っており、新規ユーザーの勧誘に成功した一部のユーザーに無料で商品を提供している[4]。
Temuはアプリのマルウェア感染[5]、個人情報保護[6]、製品の安全性[7]、新疆ウイグル自治区の人権に関わる問題が指摘されており[8]、アメリカモンタナ州グレッグ・ジャンフォルテ知事(共和党)は、TikTok、テレグラム、WeChat、Temuを州内で禁止する法案を2023年5月に署名した[9]。
「Temu」の発音や表記については「ティームー」など、若干の揺れがある[10][11][12]。
事業地域
[編集]2022年9月1日にアメリカで事業を開始[13]し、2023年2月14日のスーパーボウルで多量に広告して23日までにスマートフォンアプリが4000万回ダウンロード[13]される。
2023年2月にカナダ[14]、3月にオーストラリアとニュージーランド[15]、4月21日にイギリス、23日にドイツ、オランダ、イタリア、フランス、スペイン[16]、7月11日に日本[17]、それぞれでサービスを開始する。
諸問題
[編集]苦情
[編集]イギリスのタイム誌の記者によると、Temuは荷物の未配達やカスタマーサービスで悪評を立て始めている[4]。注文の不着や商品の間違いに加えて、身に覚えのない請求が届くことがあるとされる[4]。
TechCrunchの記者はTemuの広告キャンペーンに関して「これらの広告はTemuのインストール数を増やす効果があるようだ。しかし、アプリのレビューを調べてみると、Wishのような詐欺的な商品リスト、破損・遅延配送、誤注文、カスタマーサービスの欠如など、似たような苦情が見つかる」と論じている[18]。
Temuは製品の品質の低さを指摘されており、これはセラーが期限切れまたは古くなった商品を配送していることに起因する[19]。ほかにも虚偽の製品広告が指摘されている[4]。
2024年3月、ベビーセンターはTemuのレビューを行い、リコール対象となった製品、偽造品の疑いが強い製品、米国の安全基準を満たしていなかったり、窒息などの事故のおそれがある製品が見つかったと発表した[7]。
2024年5月、消費者団体の欧州消費者機構は、トレーサビリティ要件、アルゴリズムの透明性と説明責任に関するEU DSA法違反を主張して、欧州委員会に対してTemuを告訴した[6]。
知的財産権
[編集]Temuでは知的財産権を侵害した製品がたびたび販売されているとされる[20]。デザイン盗用の事例も報告されている[21]。
個人情報保護
[編集]ポリティコは「Appleは、Temuが同社のプライバシー規則要件に違反し、ユーザーのデータ利用についてミスリードを行ったと述べた」と報道した[22]。
2023年にイリノイ州とニューヨーク州でTemuに対して集団訴訟が起こされた。これはTemuの利用者アカウントから収集された個人データの取り扱いに関するものである[23]。
2024年2月、韓国の個人情報保護委員会は、Temuや他のECプラットフォームに対するユーザーデータの取り扱いに関する調査を開始した[24]。
労働問題
[編集]Temuは過酷な労働文化や、996工作制を推進しているとして批判を受けている[25]。従業員の死亡事件も発生しており、同社の労働文化との関係が指摘されている[25]。
2024年、フィナンシャル・タイムズとウォール・ストリート・ジャーナルは、Temuの親会社であるPDDホールディングスが、同業他社に転職した元従業員に対して監視や訴訟を行っていると報じた[26][27]。
マルウェア汚染
[編集]2023年5月、Temuの中国国内版である拼多多がGoogle Playから一時停止されたことを受け、アメリカ中経済安全保障調査委員会はTemuでの個人データの安全リスクについて懸念を表明した。これはGoogle Play Store以外のバージョンにマルウェアが含まれていたことが判明したためである[28][29][30]。拼多多はマルウェア削除のためのアップデートをリリースして2日後に、マルウェア開発に携わったエンジニアとプロダクトマネージャーのチームを解散した。CNNの情報筋によると、チームの大部分はTemuに異動し、各部門で働いているが、一部のエンジニアは拼多多に残留しているとされる[31]。
2023年5月17日、モンタナ州知事グレッグ・ジャンフォルテは、TikTok、WeChat、Telegramを含むByteDance関連アプリとともに、州政府機関内でのTemuの使用を禁止した[32][33]。
新疆ウイグル自治区の人権問題
[編集]2023年6月、連邦議会の「米国と中国共産党との間の戦略的競争特別委員会」は、Temuがウイグル強制労働防止法を遵守するための「有意義なコンプライアンスプログラムの建前すら」維持していないとの声明を発表した。同法は、強制労働で作られた商品をプラットフォームから排除することを目的としている[34][35][36][37]。 委員会の報告書はTemuへの厳しい評価を下し、Temuのサプライチェーン内には「強制労働による汚染のリスクが非常に高い」としている[37]。
不適切な広告
[編集]2023年、英国の広告基準局(ASA)はTemuの広告の一部を禁止した。これにはビキニを着た少女が「かなり大人」なポーズをしたり、「股間の輪郭」を強調したジョックストラップ、裾が切り取られた「下着のように見える」サイクリングシャツや、モデルの顔が省略されたドレスの写真などを含む。Temuは、少女の写真は同社の方針に違反しており、今後は掲載しないと公表したが、モデルの顔を公開しないのは女性を性的対象化する意図はなく、他の小売業者も同様の写真を掲載していると述べ、ASAの調査結果に一部異議を訴えた[38]。
公式サイトと偽るサイトの存在
[編集]2024年、Temuの公式サイトと偽るサイトが確認されている。いわゆる偽サイトというものだが、悪意のある第三者からのSNSを通じたDMを経由して偽サイトに飛ばされるケースが考えられる。現状公式サイトの確認方法として最も有効だと考えられるのがURLの確認である。クレジットカードなどの情報を盗まれる可能性がある[39]。
Sheinとの訴訟
[編集]2022年12月、Temuは自社商品の宣伝のためにインフルエンサーに競合企業のSheinについての「虚偽で欺瞞的な発言をさせる」ように促したとして、Sheinから訴訟を起こされた。その後、Temuは2023年7月にSheinを告訴し、Temuと協力していると思われる衣料品メーカーに対し、Sheinが「脅迫、侵害に関する虚偽の主張、根拠のない懲罰的罰金を科す試み」を行ったと主張した[40]。
脚注
[編集]- ^ “EU、中国発「SHEIN」「Temu」に情報要求 違法商品対策で”. 朝日新聞 2024年7月30日閲覧。
- ^ “Temu(テム)はなぜ安い”. Rocket Boys. 2024年7月30日閲覧。
- ^ a b RxR Innovation Initiative. “「億万長者のように買い物をしよう」 急成長EC「Temu」の大胆なマーケ戦略”. Forbes JAPAN. 2023年6月17日閲覧。
- ^ a b c d Chow, Andrew R. (29 December 2022). “The Truth About Temu, the Most Downloaded New App in America” (英語). Time. オリジナルのMarch 9, 2023時点におけるアーカイブ。 8 March 2023閲覧。.
- ^ “米グーグル、中国ネット通販アプリを停止 セキュリティー懸念で”. ロイター. (2023年3月22日) 2023年6月17日閲覧。
- ^ a b Qu, Tracy; Qin, Sherry (May 16, 2024). “Chinese Retailer Temu Under Fire From European Consumer Groups” (英語). The Wall Street Journal 2024年5月17日閲覧。
- ^ a b “Lawsuits claim app for online retailer Temu gains access to 'literally everything' on your phone” (英語). 6abc Philadelphia (2024年3月12日). 2024年3月19日閲覧。
- ^ Prasso, Sheridan (June 13, 2023). “Temu Sells Products in US Linked to Forced Labor in China's Uyghur Region, Analysis Shows”. Bloomberg News June 13, 2023閲覧。
- ^ Jones, Jada (2023年5月19日). “Montana's governor is going after Temu, WeChat, and Telegram, too”. ZDNet 2023年6月17日閲覧。
- ^ “中国の激安通販Temu、米市場の定期利用者数でイーベイ上回る-調査”. Bloomberg.com (2024年6月11日). 2024年6月16日閲覧。
- ^ 「中国系ECのTemu、欧州消費者機構が苦情 デジタル法違反も」『Reuters』2024年5月17日。2024年6月16日閲覧。
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- ^ “快進撃!中国発ショッピングアプリ「Temu」、米国続いて欧州6カ国でもサービス開始”. 36Kr Japan. (2023年5月23日) 2024年1月3日閲覧。
- ^ “中国発の低価格EC「Temu」、日本で事業開始”. 日本経済新聞 (株式会社日本経済新聞社). (2023年7月11日) 2023年7月23日閲覧。
- ^ Perez, Sarah (January 28, 2023). “This Week in Apps: Temu's hot streak, Walmart's m-commerce & an Apple XR App Store”. オリジナルのFebruary 11, 2023時点におけるアーカイブ。 February 11, 2023閲覧。
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- ^ “Temu: Risk popular website sells forced labour goods” (英語). BBC News. (2023年6月22日). オリジナルのJune 25, 2023時点におけるアーカイブ。 2023年6月25日閲覧。
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- ^ Rahman-Jones, Imran (1 November 2023). “Temu adverts banned for sexualising a child and objectifying women”. BBC
- ^ author (2024年7月10日). “Temuの公式サイトはどこ?【注意】偽サイトに騙されないで”. IKINARI・ノマド. 2024年7月29日閲覧。
- ^ Toh, Michelle (July 19, 2023). “Shein and Temu's battle for US bargain shoppers is getting nasty”. CNN. September 19, 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。September 10, 2023閲覧。