ティボール・シトフスキー
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経済学者 | |
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Tibor Scitovsky, 1978 | |
生誕 |
1910年11月3日 ハンガリーブダペスト |
死没 |
カリフォルニア州スタンフォード |
国籍 |
ハンガリー アメリカ合衆国 |
研究機関 |
スタンフォード大学 OECD イェール大学 LSE |
研究分野 |
新厚生経済学 資本理論、不完全競争理論 国際金融論など |
母校 |
ブダペスト大学 ケンブリッジ大学 LSE |
ティボール・シトフスキー(Tibor Scitovsky、Tibor de Scitovsky、1910年11月3日-2002年6月1日)は、ハンガリーのブダペストで生まれた、アメリカの経済学者である。
戦後、スタンフォード大学で教授となった後、OECD開発センター(パリ、10年間)、イェール大学(2年間)、スタンフォード大学(6年間)、LSE(2年間)で勤務した。専攻として有名なものは新厚生経済学であるが、その他に資本理論、不完全競争理論、文化経済学、関税論、国際金融論、マクロ経済政策などがある。
略歴
[編集]- 1910年 ハンガリーのブダペストで生まれる(父親のTibor Scitovszkyは外務大臣になったことがある)。
- 1932年 ブダペスト大学(Pazmany Peter University)で法学の学位を得て卒業する。
- ケンブリッジ大学に通う。
- 1938年 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で修士号を取る。
- 同校で数年間教鞭をとる。
- トラベリング・フェローシップでアメリカに行く。
- 第二次世界大戦中はアメリカ陸軍に勤務する(イギリス陸軍と書いてある資料もある)。
- 1946年~1958年 スタンフォード大学経済学部の准教授、のち教授となる。
- 1958年~1968年 パリにあるOECD開発センターに勤務する。
- 1968年~1970年 帰米して、イェール大学教授となる。
- 1970年~1976年 スタンフォード大学教授(Eberle Professor of Economics)となる。
- 1976年~1978年 LSE教授となる。
- カリフォルニア大学サンタクルーズ校の名誉教授となる。
- この間、アメリカ経済学会の優秀フェロー、王立経済学会フェロー、アメリカ芸術科学アカデミーメンバー、ブリティッシュ・アカデミー客員フェローなどを務めた。
- 2002年 91歳で死去。
業績
[編集]- 『厚生と競争』(1951年)は彼の名声を最初に確立した書物である。競争の効率性と独占の非効率性についての標準的な議論が、新厚生経済学のトゥールを用いて再検討されている。
- 『経済理論と西欧経済統合』(1958年)は、関税同盟の理論の応用研究を行ったものである。
- 『厚生と成長』(1964年)には、数年間の代表的な論文の数々がひとまとめにされている。
- 『貨幣と国際収支の理論』(1969年)は、国際金融と国際収支均衡の諸問題を提起したものである。
- 『喜びのない経済』(1976年)では、長い間彼を悩ませてきた消費者主権の原理に戻っている。
主要著作
[編集]日本語訳
[編集]- 中島正信 訳『経済理論と西欧経済統合』ダイヤモンド社、1961年8月。
- 山本繁綽・片山貞雄 訳『貨幣と国際収支の理論』トッパン〈経済学入門シリーズ 5〉、1972年3月。
- 斎藤精一郎 訳『人間の喜びと経済的価値 経済学と心理学の接点を求めて』日本経済新聞社、1979年1月。
原書
[編集]- "A Study of Interest and Capital", 1940, Economica.
- "A Note on Welfare Propositions in Economics", 1941, RES.
- "Capital Accumulation, Employment and Price Rigidity", 1941, RES.
- "A Reconsideration of the Theory of Tariffs", 1942, RES.
- "A Note on Profit Maximization and its Implications", 1943, RES.
- Welfare and Competition: the economics of a fully employed economy, 1951.
- Mobilizing Resources for War: The economic alternatives, with E.S. Shaw and L. Tarshis, 1951.
- "Two Concepts of External Economies", 1954, JPE.
- Economic Theory and Western European Integration, 1958.
- "Standards for the Performance of Our Economic System", 1960, AER.
- "On the Principle of Consumer's Sovereignty", 1962, AER
- Papers on Welfare and Growth, 1964.
- Money and the Balance of Payments, 1969.
- Industry and Trade in Some Developing Countries, with I.M.D. Little and M.F.G. Scott, 1970.
- "What's Wrong with the Arts is What's Wrong with Society", 1972, AER.
- "The Producer Society", 1972, De Economist.
- "The Place of Economic Welfare in Human Welfare", 1973, QJE.
- "Inequalities: Open and hidden, measured and immeasurable", 1974, Annals of AAPSS.
- "Are Men Rational or Economists Wrong?", 1974, in Nations and Households in Economic Growth.
- The Joyless Economy: An inquiry into human satisfaction and consumer dissatisfaction, 1976.
- "Market Power and Inflation", 1978, Economica.
- "Asymmetries in Economics", 1978, Scottish Journal of PE.
- "Can Changing Consumer Tastes Save Resources?", 1979, in Economic Growth and Resources.
- "Can Capitalism Survive? An old question in a new setting", 1980, AER.
- "Excess Demand for Job Importance and its Implications", 1981, in Wert und Praeferenzprobleme in den Sozialwissenschaften.
- "The Desire for Excitement in Modern Society", 1981, Kyklos.
- "Subsidies for the Arts: The economic argument", 1983, in Economic Support for the Arts.
- "Human Desire and Economic Satisfaction", 1985, Kyklos.
- "Psychologizing by Economists", 1986, in MacFadyen, editors, Psychology.
- Human Desire and Economic Satisfaction: Essays on the frontiers of economics, 1986.
- "Growth in the Affluent Society", 1987, Lloyds BR.