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ヒナウキクサ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チリウキクサから転送)
ヒナウキクサ
ヒナウキクサ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: オモダカ目 Alismatales
: サトイモ科 Araceae
亜科 : ウキクサ亜科 Lemnoideae
: アオウキクサ属 Lemna
: ヒナウキクサ L. minuta
学名
Lemna minuta Kunth1816[1]
シノニム
  • Lemna minima (Hegelm.) Phil. ex Hegelm., 1895[1]
  • Lemna minuscula Herter, 1954[1]
  • Lemna valdiviana var. abbreviata Hegelm., 1878[1]
  • Lemna valdiviana var. minima Hegelm., 1868[1]
英名
minute duckweed[2]

ヒナウキクサ (学名: Lemna minuta) はウキクサ亜科アオウキクサ属に属する水草の1種であり、水面に浮かんで生育する。葉状体は小型で1脈のみをもつ。南北アメリカ原産であるが、ヨーロッパ日本に帰化している。

同様に1脈をもつ近縁種として、チリウキクサ (Lemna valdiviana) が知られる。本種も南北アメリカ原産であり、日本にも帰化している (→ #近縁種)。

特徴

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水面に生育する浮遊植物であり、葉状体 (フロンド[3]; の区別がない) とからなる[4]。葉状体は卵形から長楕円形、大きさは 1–2.5 x 1–1.2 ミリメートル (mm)、1脈があり、脈上に1–3個の目立たない突起がある[1][4][5][6][7][8][9] (下図)。葉状体表面は白緑色であるが、陰地では緑色になる (赤味を帯びることはない)[1][4][7]。葉状体の裏面は淡薄緑色、1本の根が水中へ伸びており (長さ0.2–3 cm)、根鞘基部に翼はなく、根端は細くなるが尖らない[1][4][5][8]。葉状体の基部側面から新たな葉状体を形成して出芽状に増殖する。単独または2–4個の葉状体がつながった群体を形成している[1][8] (下図)。休眠芽 (越冬芽、殖芽) は形成せず、葉状体のままで越冬する[1][4][5][7]

コウキクサ (大きな葉状体) とヒナウキクサ (小さな葉状体)

花期は5–9月であり、花は葉状体基部側面につく[1][8]は2個の雄しべと1個の雌しべからなる[8]。雌しべの子房は1個の胚珠を含む[1]果実は翼を欠く[1]種子は12–15本の肋がある[1]染色体数は 2n = 36, 40, 42[1]

分布

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北米南部から南米に分布する。ヨーロッパや日本 (本州) にも帰化している[1][4][6]

湖沼やため池、水路、ハス田などに生育する[4][5]

近縁種

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ヒナウキクサと同様に1脈をもつ小型の種として、チリウキクサ (Lemna valdiviana) が知られる[5][10]。チリウキクサの葉状体はヒナウキクサにくらべて細長く、大きさは 2–4 x 1–2 mm、ときにやや湾曲する[5]。葉状体表面は白緑色であるが、陰地では緑色が濃くなる[5]。根端は鈍頭[5]。葉状体のままで越冬するが、一部は水中に沈む[5]南北アメリカ原産であり、スペインや日本 (本州) に帰化している[5][10]

アオウキクサ属の小型種として、日本からはチビウキクサ (Lemna perpusilla) も報告されているが、これはヒナウキクサの誤認ともされる[5]

脚注

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出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p Lemna minuta”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2021年6月26日閲覧。
  2. ^ GBIF Secretariat (2021年). “Lemna minuta”. GBIF Backbone Taxonomy. 2021年6月27日閲覧。
  3. ^ Lemnoideae ウキクサ亜科”. 植物発生進化学:読む植物図鑑. 基礎生物学研究所生物進化研究部門 (2015年10月9日). 2021年6月20日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g 角野康郎 (1994). “アオウキクサ属”. 日本水草図鑑. 文一総合出版. pp. 72–73. ISBN 978-4829930342 
  5. ^ a b c d e f g h i j k 角野康郎 (2014). “ヒナウキクサ、チリウキクサ”. 日本の水草. 文一総合出版. pp. 64–65. ISBN 978-4829984017 
  6. ^ a b 邑田仁 (2015). “アオウキクサ属”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. pp. 107–108. ISBN 978-4582535310 
  7. ^ a b c 植村修二, 勝山輝男, 清水矩宏, 水田光雄, 森田弘彦, 廣田伸七, 池原直樹 (2010). “ヒナウキクサ”. 日本帰化植物写真図鑑 第2巻. 全国農村教育協会. p. 357. ISBN 978-4881371558 
  8. ^ a b c d e 長田武正 (1976). “ヒナウキクサ”. 原色日本帰化植物図鑑. 保育社. p. 401. ISBN 978-4586300532 
  9. ^ 松岡成久 (2014年12月18日). “ヒナウキクサ”. 西宮の湿生・水生植物. 2021年6月26日閲覧。
  10. ^ a b Lemna valdiviana”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2021年10月28日閲覧。

外部リンク

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