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チャンチキトルネエド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チャンチキトルネエド
出身地 東京都
ジャンル チンドン屋風の音楽をベースに世界各国の様々な音楽を組み合わせた多国籍音楽
活動期間 1999年 - 2013年
公式サイト CHANCHIKITORNADE - ウェイバックマシン(2013年5月26日アーカイブ分)
メンバー 本田祐也、鈴木広志、大口俊輔、相川瞳、上原なな江、小林武文、江川良子、東涼太、井上梨江、今込治、木村仁哉、齋藤寛、佐藤秀徳
旧メンバー 渡邊理恵[1]

チャンチキトルネエド英語: CHANCHIKITORNADE)は、日本のパフォーマンス集団、バンドグループ

チャンチキの名のとおり、チンドン屋風の音楽をベースにしながらも、クレズマーをはじめ世界各国の様々な音楽を組み合わせた、独特の曲調で注目された[2][3]。主要メンバーの夭折後も活動を続け、NHK連続テレビ小説あまちゃん』では特徴的なオープニングテーマ曲の演奏に参加するなど、同作の魅力を高める一助となった[2][4]

概要

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1999年東京芸術大学に在籍していた本田祐也が中心となり結成[5]。メンバーは大学の管楽器や打楽器科卒業者で、最大15名が在籍していた[5][6]シアタープロダクツに勤務する金森香の力添えもあり[2][7][注 1]、活動の場を増やしたが、2004年に本田が夭折[9]

その後、鈴木広志・大口俊輔が中心となり、12人で演奏活動を続け[2]、2007年には海外公演[10]、結成10年目の2009年に初のアルバムを発売し、全国ツアーを決行するなど音楽会を開催していたが[3][11]、2011年に行ったイベントで大友良英と知り合ったことが縁で、2013年上半期のNHK連続テレビ小説あまちゃん』の音楽制作に関わる[2]。チャンチキトルネエドのメンバーは、大友が自分たちに声をかけた理由として、「アンサンブルができる気心の知れた人が必要だったかもしれない」と振り返るとともに、「アドリブジャズの経験者がやると音楽もジャズっぽくなってしまうが、君たちは『へっぽこなアドリブ』なので新鮮だ」と言われたという[12]

2013年6月16日に「チャンチキトルネエド」としての無期限活動休止が正式に発表された[13]のちも、メンバーは引き続き『あまちゃん』劇中曲を演奏する為に結成された「あまちゃんスペシャルビッグバンド」に参加、ライブを行い[14]、同年末には第64回NHK紅白歌合戦に出場した[4]

略歴

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メンバー

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※公式ホームページのメンバーリストを参考[6]

本田祐也[15]
作曲担当。チンドン屋契約社員を経て「チャンチキトルネエド」を結成。清水宏監督のサイレント映画『港の日本娘』やシアタープロダクツへ楽曲を提供するなど、ジャンルに囚われることなく幅広い方面で活動した。また、現代音楽分野でも活躍が認められ、日本現代音楽協会より現音作曲新人賞、サントリー芸術財団より佐治敬三賞を受賞するなど将来を嘱望されたが[5]、2004年6月20日に26歳で自死[9]。死に際して、残されていた公演を開催するよう求める遺書を遺していた[16]。残されたメンバーがその死を受け入れるまでには長い時間を要し、2009年のアルバム発売でようやく一区切りがついたという[17]
自らの曲を「人を元気にする曲」と紹介していた。また、演奏者の指導は非常に厳しかったが、女性に対しては優しかったという[1]
鈴木広志[18]
サックス(ソプラノ・アルト・テナー)担当。本田亡き後、グループの主導的役割を果たす[2][10]
大口俊輔[19]
ピアノアコーディオン担当。鈴木と共にグループを先導し[2]、演出を取り仕切り、編曲も担当[10]
相川瞳[20]
東京芸術大学音楽学部器楽科卒(打楽器専攻)。パーカッション担当
上原なな江[21]
東京芸術大学音楽学部器楽科卒(打楽器専攻)。パーカッション担当
小林武文[22]
パーカッション担当
江川良子[23]
東京芸術大学卒、同大学院修了。 サックス(ソプラノ・アルト)担当
東涼太[24]
東京芸術大学音楽学部器楽学科を首席で卒業後、同大学院修士課程修了。サックス(ソプラノ・テナー)担当
井上梨江[25]
東京芸術大学音楽学部器楽学科卒。クラリネット担当
今込治[26]
東京都出身。東京芸術大学卒。トロンボーン担当
木村仁哉[27]
2004年東京芸術大学卒。チューバ担当
齋藤寛[28]
宮城県仙台市出身。東京芸術大学音楽学部器楽科フルート専攻。ピッコロフルート担当
佐藤秀徳[29]
福島県郡山市出身。トランペットフリューゲルホルン担当

ディスコグラフィ

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  • ニシヘヒガシヘ〜チャンチキトルネエドの活動と、本田祐也が生きた、ある劇場的時間の録音記録〜[5]
2005年9月7日発売 レーベル:リトルモア・レコーズ 型番:TLCA-1018 77分
  • 1st tornade for flying around the world-[3]
Blu-spec CD 2009年10月7日発売 レーベル:SPACE SHOWER MUSIC 型番:DDCC-2001 68分

脚注

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注釈

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  1. ^ 金森もチンドン屋の経験がある[8]

出典

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  1. ^ a b 「あまちゃん」テーマ曲誕生秘話(2-2) 気心知れた仲間コラージュで作曲 (4/4ページ)”. 2016年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 「あまちゃん」テーマ曲誕生秘話(2-1) 休止バンド チャンチキトルネエドが触発 (3/5ページ)”. 2016年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月9日閲覧。
  3. ^ a b c チャンチキトルネエドが1stアルバム発表! 全国ツアー開催!”. 2015年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月9日閲覧。
  4. ^ a b 「あまちゃん」テーマ曲誕生秘話(2-1) 休止バンド チャンチキトルネエドが触発 (2/5ページ)”. 2016年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月9日閲覧。
  5. ^ a b c d ニシヘヒガシヘ 本田祐也”. 2014年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月9日閲覧。
  6. ^ a b About チャンチキトルネエド”. 2016年4月10日閲覧。
  7. ^ サイレントフィルム『港の日本娘』上映× チャンチキトルネエド生演奏”. 2016年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月9日閲覧。
  8. ^ 著者情報 金森香(かなもり・かお)”. 2016年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月9日閲覧。
  9. ^ a b 朝日新聞2013年7月2日文化面「甲乙閑話『あまちゃん』彩るチンドン」より
  10. ^ a b c 大口俊輔 プロフィール”. 2016年4月10日閲覧。
  11. ^ 2010-10-24 (日) チャンチキトルネエド コンサート”. 2016年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月9日閲覧。
  12. ^ 「あまちゃん」テーマ曲誕生秘話(2-2) 気心知れた仲間コラージュで作曲 (2/4ページ)”. 2016年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月9日閲覧。
  13. ^ suzuki-hiroshi.com_blog: チャンチキトルネエド”. suzuki-hiroshi.com. 2020年3月11日閲覧。
  14. ^ “潮騒のメモリー”披露! 大友良英&ビッグバンドの「あまちゃん」サントラ・レコ発ライヴをレポ”. 2016年4月10日閲覧。
  15. ^ 本田祐也 honda yuya(compose)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。
  16. ^ 「あまちゃん」テーマ曲誕生秘話(2-2) 気心知れた仲間コラージュで作曲 (1/4ページ)”. 2015年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月9日閲覧。
  17. ^ 「あまちゃん」テーマ曲誕生秘話(2-2) 気心知れた仲間コラージュで作曲 (3/4ページ)”. 2016年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月9日閲覧。
  18. ^ 鈴木広志 suzuki hiroshi(Sop,Alto,Ten, Saxophone)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。
  19. ^ 大口俊輔 okuchi shunsuke (piano,accordion)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。
  20. ^ 相川瞳 aikawa hitomi (percussion)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。
  21. ^ 上原なな江 uehara nanae (percussion)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。
  22. ^ 小林武文 kobayashi takefumi (percussion)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。
  23. ^ 江川良子 egawa ryoko (sop,alto,saxophone)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。
  24. ^ 東 涼太 higashi ryouta(Sop,Ten, Saxophone)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。
  25. ^ 井上梨江 inoue nashie(Clarinet)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。
  26. ^ 今込治 imagome osamu(Trombone)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。
  27. ^ 木村 仁哉 kimura jinya (Tuba)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。
  28. ^ 齋藤 寛 saito kan (piccolo,flute)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。
  29. ^ 佐藤秀徳 sato shutoku(Trumpet,Flugelhorn)”. 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月10日閲覧。

参考文献

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関連事項

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外部リンク

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