迷子紐
迷子紐(まいごひも、ベビーハーネス、チャイルドハーネス)とは、幼い子どもと連れ立って外出するときに、子どもが急に路上に飛び出して事故に遭遇したり、迷子になったりしてしまうことを防ぐために用いられる。多くの場合は親が紐の片端を常に手にして、先端側は子どもの体や衣服、あるいは子供が背負っているリュックなどに結びつけて使用する。ハーネス[要曖昧さ回避]のようになっているものもある。迷子ひも、あるいは迷子ヒモと表記されたり、「子供用リード[要曖昧さ回避]」や「幼児用リード」と呼称されることもある[1]。2015年の時点では、紐がなくて警告音で知らせてくれる「デジタルまいごひも」[2]のようなものも発売されている。原型は中世ヨーロッパまで遡るものの、現代日本への定着・普及はまだ途上であり、その使用に関しては賛否両論がある[3]。
歴史
[編集]中世ヨーロッパにおける手引き紐は同じ目的の育児用品であり、貴族の親子を描いた肖像画にも登場している[4]。一方で、現代日本では犬の散歩のようだ[4]と言われたり奴隷制度を思い出した[5]といった意見も聞かれる。
1900年以前
[編集]20世紀以前のチャイルドハーネスに関する資料はほとんどないが、17~18世紀に使われていた手引き紐から生まれたと考えられている。19世紀後半には、主に歩けるようになった幼児が着用する衣料品として考えられていたことがうかがえる。1874年にニュージャージー州で特許を取得した 「Baby-Exercising Corset 」は、「このコルセットを使用しない場合よりもずっと早く、ずっと容易に歩けるようにする」ことを目的としていた[6]。
20世紀初頭
[編集]1900年以降、衣服の一種のようなデザインから、現在で最も一般的な腰ベルト、腰ベルトをつなぐ肩ストラップ、そして保護者など大人用の持ち手のついたストラップの形[7]をした安全ハーネス(安全帯)へと発展した。子供用ハーネスの初期の特許出願では、潜在的な危険からの保護という大きな括りについて言及され、出願されていたが[6]、20世紀ごろから始まったチャイルドハーネス設計の目的は、怪我の防止にフォーカスされていた[8][9][10][11][12][13]。安全性が最優先されるようになったことで、椅子やゴーカートなどで子供を立たせた状態で、子供が転倒する危険を回避するために、使えるようなハーネスも考えられた[14]。この頃のハーネスは通常革製で[10]、小さな鈴が取り付けられたデザインのハーネスもあった[15][16][17]。
脚注
[編集]- ^ おたくま経済新聞
- ^ 週刊アスキー
- ^ 幼児用リード、私は思う朝日新聞
- ^ a b 産経WEST
- ^ 小倉アナ「奴隷制度」発言で波紋
- ^ a b US 149692, Tardy, Catherine, "Baby Exercising Corsets", issued 1874/04/14
- ^ US 1193374, Gilliam, Viola B., "Baby Walker", issued 1916/08/01
- ^ US 758123, Weis, August, "Safety-Harness for Children", issued 1904/04/026
- ^ GB 191504192, Mitchell, Thomas, "Safety Harness for Children's Wear", issued 1915/11/04
- ^ a b US 1228170, Pick, Louis M., "Safety-Harness for Children", issued 1918/12/17
- ^ US 1310958, O'Connor, Rosalie C., "Safety Harness for Children", issued 1919/07/22
- ^ GB 197408, Wilson, Maude, "An improved safety device for limiting the movements of children", issued 1923/05/14
- ^ US 1711864, Whidden, Samuel S., "Harness for Children", issued 1929/05/07
- ^ US 1369456, Meredith, Earnest L., "Child's Safety-Harness", issued 1921/02/22
- ^ “Bouncing Baby”. The Dundee Evening Telegraph: p. 6. (25 May 1949)
- ^ Coles, F.P., quoted in “Facts About Church Bells”. Taunton Courier and Western Advertiser: p. 2. (22 July 1944)
- ^ Stray Thoughts, quoted in “Stray Thoughts”. Torquay Times and South Devon Advertiser: p. 8. (19 December 1902)
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- “幼児用リード、じわり浸透 安心?それとも違和感?”. 朝日新聞デジタル (2015年6月4日). 2015年6月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月18日閲覧。
- 意識調査 YahooJAPANニュース