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チタン石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チタン石(くさび石) titanite
チタナイト
分類 ケイ酸塩鉱物(ネソケイ酸塩鉱物)
化学式 CaTiSiO5
結晶系 単斜晶系
へき開 二方向に明瞭
モース硬度 5 - 5.5
光沢 ダイヤモンド光沢、樹脂光沢
黄色緑色赤色褐色灰色
条痕 白色
比重 3.52 - 3.54
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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チタン石[1](チタンせき、titanite、チタナイト)またはくさび石[2](くさびいし、sphene、スフェーン)とは、ケイ酸塩鉱物の一種で、組成にチタンを含む(そのことがチタナイトという名前の由来となっている)。「チタナイト」と表記する場合は鉱物として、また「スフェーン」と表記する場合は宝石として扱う場合が多い。

チタン石としては1795年マルティン・ハインリヒ・クラプロートにより記載され、くさび石としては1801年ルネ=ジュスト・アユイにより記載された[3]1982年、先名権から国際鉱物学連合の新鉱物・鉱物名委員会によりチタン石が有効名とされた[4]が、論文においては今もなおくさび石の名が用いられることがある。

成分・種類

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化学組成はCaTiSiO5。他に微量な不純物としてマンガンクロムセリウムイットリウムなどが含まれ、様々な色を発色する。モース硬度は 5 から 5.5 。比重は 3.52 から 3.54 。

チタン石のチタンがスズに置換するとマラヤ石英語版となる。

産出地

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主産地はブラジルマダガスカル。他にオーストリアスイスイタリアロシア連邦パキスタンミャンマー中国カナダアメリカ合衆国など。

性質・特徴

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多色性があり、また透明度の高い石はダイヤモンドよりも輝くといわれる。ただ、モース硬度が 5 から 5.5 と低く、また脆いため、ルースとして扱うには注意を要する。

双晶によりくさび型の結晶となることが多く、「くさび石」の名はこれにちなむ。

トリウムを含むことがあり、放射線によりメタミクト化英語版することも多い。

用途

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宝石としてはクロムの影響により黄色や緑色を発色し、透明度の高いものが使われる。上記にあるように扱いにくいが、ダイヤモンド以上に輝くため人気は高い。また大きな結晶は希少性があり、カットされずそのまま収蔵されることが多い。

工業的には二酸化チタン素材として使われ、塗料顔料となる。また、放射年代測定フィッショントラック法で使われることもある。

脚注

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  1. ^ 文部省編 『学術用語集 採鉱ヤ金学編』 日本鉱業会、1954年、全国書誌番号:54001659
  2. ^ 文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年、ISBN 4-8181-8401-2
  3. ^ Titanite, mindat.org
  4. ^ Hey, M. H. (December 1982). “International Mineralogical Association: Commission on New Minerals and Mineral Names”. Mineralogical Magazine 46 (341): 513–514. Bibcode1982MinM...46..513H. doi:10.1180/minmag.1982.046.341.25. 

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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