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チエノチオフェン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

チエノチオフェン: Thienothiophene)とは分子式C6H4S2有機硫黄化合物であり、通常は3つのチオフェン誘導体、重要な順にチエノ[3,2-b]チオフェン、チエノ[2,3-b]チオフェン、チエノ[3,4-b]チオフェンを指す。もうひとつの異性体はS(IV)原子を持ち、安定性が低い[1]。これら異性体のなかで最初に単離されたのはチエノ[2,3-b]チオフェンであり、6炭素直鎖の供給源であるクエン酸P4S10とともに加熱することにより、非常に低い収率で得られる[2]。安定な3つのチエノチオフェンは、置換チオフェンの環化反応により効率的に合成することもできる[3]

これら3つのチエノチオフェンは、芳香族でありかつ二環式化合物であることから、しばしばナフタレンと比較される。学術研究の対象となることはあるが、商業的用途は特になく、誘導体を含めて天然にみつかったこともない。

出典

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  1. ^ Cava, Michael P.; Lakshmikantham, M. V. (1975). “Nonclassical Condensed Thiophenes”. Accounts of Chemical Research 8 (4): 139–44. doi:10.1021/ar50088a005. 
  2. ^ "The Chemistry of Thienothiophenes and Related Systems". Advances in Heterocyclic Chemistry.
  3. ^ Cinar, M. E.; Ozturk, T. (2015). “Thienothiophenes, Dithienothiophenes, and Thienoacenes: Syntheses, Oligomers, Polymers, and Properties”. Chemical Reviews 115 (9): 3036–3140. doi:10.1021/cr500271a. PMID 25831021. 
  4. ^ Nakayama, Juzo; Ishii, Akihiko; Kobayashi, Yasunobu; Hoshino, Masamatsu (1988). “Generation and Characterization of the Parent 2λ4δ2-Thieno[3,4-c]thiophene”. Journal of the Chemical Society, Chemical Communications 14 (14): 959–60. doi:10.1039/C39880000959. 

関連項目

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