コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ダランベールの式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ダランベールの式(ダランベールのしき、: d´Alembert's formula)とは、数学の特に偏微分方程式の分野における次の形の一次元波動方程式の一般解を与える式である。

ここで xR, t > 0 である。名称は数学者ジャン・ル・ロン・ダランベールの名にちなむ[1]

解説

[編集]

この偏微分方程式の特性曲線x ± ct = (定数) である。したがって、変数変換 μ := x + ct, η := xct によりこの偏微分方程式を書き換えると、uμη = 0 となる。この一般解は と表せる。ここで FGC1 級関数である。x, t 座標に戻すと次のようになる。

(関数 FGC2 級なら、uC2 級となる。)

この解 u は、一定速度 c によって x 軸に沿って反対方向に進む二つの波と解釈できる。

今、コーシーデータ に対する解を考える。 より、 が得られる。 より、 が得られる。この二つ目の式を積分すると、次が得られる。

この系を解くことで、次が得られる。

ここで上述の式 (∗) より、次のダランベールの式が得られる:

関連項目

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ D'Alembert (1747) "Recherches sur la courbe que forme une corde tenduë mise en vibration" (Researches on the curve that a tense cord forms [when] set into vibration), Histoire de l'académie royale des sciences et belles lettres de Berlin, vol. 3, pages 214-219. See also: D'Alembert (1747) "Suite des recherches sur la courbe que forme une corde tenduë mise en vibration" (Further researches on the curve that a tense cord forms [when] set into vibration), Histoire de l'académie royale des sciences et belles lettres de Berlin, vol. 3, pages 220-249. See also: D'Alembert (1750) "Addition au mémoire sur la courbe que forme une corde tenduë mise en vibration," Histoire de l'académie royale des sciences et belles lettres de Berlin, vol. 6, pages 355-360.

外部リンク

[編集]