ダブリン王国
ダブリン王国 | |||||
Dyflin / Duibhlinn | |||||
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ダブリン王国の最大版図(ピンク)とノース人の定着地域(緑)
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首都 | ダブリン | ||||
言語 | 古ノルド語, 古・中期アイルランド語 | ||||
宗教 | ノース・ペイガニズム ケルト系キリスト教 カトリック教会 | ||||
政府 | 王国 | ||||
王 | |||||
• | 853年ごろ–871年ごろ (初代) | アムレイブ・コナング | |||
• | -1171年 (末代) | ハスクルフ・マクトケイル | |||
歴史 | |||||
• | 創立 | 853年 | |||
• | 解体 | 1170年 | |||
通貨 | ペニー |
ダブリン王国(英語: Kingdom of Dublin ウェールズ語: Teyrnas Dulyn)は、9世紀にダブリンを征服したノース人ヴァイキングが建設した王国。その領域は現在のダブリン県とほぼ一致し、アイルランド島のノース人王国としてはもっとも早い時期に成立し、また最も長く存続した。もともとケルト人が建設していた町ブラー・クリーを征服、破壊したノース人は、ゲール語の「黒い水たまり」(言語は アイルランド語 Dubh Linnで意味は'black pool')からこの地をドゥフリン(Dyflin)と名付けた。ノース人到来についての最初の記録はウルスター年代記の841年の項で、「異教徒は未だにネイ湖にいる」との記述がみられる。歴史家たちは、この時期の前後にノース人が水塞やロングフォートをアイルランドに建設していたと考えている。ヴァイキングが初めてアイルランドで冬を越したのが840年の暮れであったことは間違いない。ダブリンのロングフォートの所在については、今でも論争が続いている。ダブリン王は複数人が共治したり、時にはブリテン島のヨルヴィークの王を兼ねたこともあった。この時代、ダブリンは西ヨーロッパ最大の奴隷港となった[1][2]。
ダブリンに定着したノース人は、次第にゲール人と同化していった。彼らはノース文化とゲール文化を習合し、ノース・ゲール人となった。
ダブリン王国の領域は、南はウィックロー、西はブレッシントンやリークスリップ近くのグレン・ディン、北はスケリーズにまで至った。現在のダブリン県北部に当たるフィンガルは、ここに居住していたノース人の名からつけられた地名である。
988年、モール・セックネール・マウドムナル率いるゲール人がダブリンを占領した。一般にこの年がダブリン市の創設年とされているが、実際にはこの地域には1000年近く前のローマ帝国ブリタンニア属州時代から村落が存在していた。10世紀末から12世紀まで、ノース・ゲール人と先住のゲール人はダブリンを奪い合い続けた。
11世紀半ば、レンスター王国が強大化してダブリンを圧迫した。1171年にイングランド王国がアイルランドに侵攻し、最後のダブリン王ハスクルフ・マクトケイルが敗れ処刑されたことで王国は滅亡した。ただ、ノース人の血を引く人々の独自性は数世代の間保たれた。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- Downham, Clare, Viking Kings of Britain and Ireland: The Dynasty of Ívarr to A.D. 1014. Edinburgh. 2007.
- Forte, Angelo, Oram, Richard, & Pedersen, Frederik, Viking Empires. Cambridge University Press. 2005 ISBN 0-521-82992-50-521-82992-5.
- Hudson, Benjamin T., Viking Pirates and Christian Princes: Dynasty, Religion, and Empire in the North Atlantic. Oxford. 2005 ISBN 0-19-516237-40-19-516237-4.
- Larsen, Anne-Christine (ed.), The Vikings in Ireland. Roskilde: The Viking Ship Museum. 2001.
- Todd, James Henthorn (ed. and tr.), Cogadh Gaedhel re Gallaibh: The War of the Gaedhil with the Gaill. Longmans. 1867.
- Woolf, Alex, "Age of Sea-Kings: 900–1300", in Donald Omand (ed.), The Argyll Book. Edinburgh. 2004. pp. 94–109.