ダブリン・ピアース駅
ダブリン・ピアース駅 | |
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駅正門口(2011年5月) | |
Stáisiún na bPiarsach Pearse Station (ピアース駅) | |
所在地 | ダブリン2区ウェストランド・ロウ |
所属事業者 | アイルランド国鉄 |
電報略号 | PERSE |
駅構造 | 高架駅 |
ホーム | 2面2線 |
乗車人員 -統計年度- |
16,074人/日(降車客含まず) -2018年- |
乗降人員 -統計年度- |
16,525人/日 -2018年- |
開業年月日 | 1834年12月17日 |
乗入路線 6 路線 | |
所属路線 | ■インターシティ ロスレア線 |
◄タラ・ストリート ダン・レアリー・マリン► | |
所属路線 | ■コミューター 南東部線 |
◄タラ・ストリート ダン・レアリー・マリン► | |
所属路線 | ■コミューター 北部線 |
◄タラ・ストリート | |
所属路線 | ■コミューター 西部線 市内支線 |
◄タラ・ストリート | |
所属路線 | ■コミューター 南西部線 |
◄タラ・ストリート グランド・カナル・ドック► | |
所属路線 | ■ダブリン高速輸送(DART) |
◄タラ・ストリート グランド・カナル・ドック► | |
備考 | 1966年 ウェストランド・ロウ駅から本駅名に改称 |
ダブリン・ピアース駅(ダブリン・ピアースえき、愛: Baile Átha Cliath Stáisiún na bPiarsach、英: Dublin Pearse Station)は、アイルランドの首都ダブリン2区ウェストランド・ロウにある、アイルランド国鉄の駅である。通称はピアース駅(愛: Stáisiún na bPiarsach、英: Dublin Pearse)であり、単に「ピアース」と呼ばれる場合もある。
概要
[編集]2016年には900万人の乗客が利用した、ダブリンの主要駅のひとつである。かつては南方へ向かう列車のターミナル駅だったが、現在ではその役割を2つ北のコノリー駅に譲っている。もっとも当駅を経由する列車は全列車が停車するため、現在でもこの駅からウェックスフォード、ロスレアへ向かう長距離列車のインターシティや、ダブリン通勤列車(コミューター)、ダブリン高速輸送(DART)などの近郊列車が運行されている。
歴史
[編集]駅舎はチャールズ・ブラッカー・ヴィニョールの設計によるものである。南側からの線路が通りの上に高架化されたため、線路はビルの2階に敷かれた。カンバーランド通りまでのホームを覆う2スパン構造だった[1]。
ピアース駅は1834年12月17日、ダブリン&キングスタウン鉄道(D&KR)の終着駅であるウェストランド・ロウ駅として開業した[2]。
1857年、軌道はアイルランドの標準に合わせて1,435mmから1,600mmに変更された[3]。
屋根の交換を含む1880年代に様々な変更を確保し、その後、4つのプラットホームに増設され、さらに5つのプラットホームになった[1]。
1891年には、終着駅から通過駅と改修工事がなされた[4][5]。
1966年にイースター蜂起50周年を記念して「ウェストランド・ロウ駅」からパトリック・ピアースにちなんで「ダブリン・ピアース駅」に改称された[6][注釈 1]。
この時点で、駅には5つのプラットホームがあった[5]。通常利用されていたのは、通過式ホームの3・4番線のみであり、頭端式ホームの1・2・5番線は、『マイケル・コリンズ』や『アンジェラの灰』、『ノラ』、『名犬ラッシー』などの映画撮影に利用されたり、2番線は臨時列車に利用されたりしていた。1番線は近代列車では利用できず、駐車場に改修された。2008年までには、すべての頭端式ホームが撤去、または埋められ、3・4番線が1・2番線と振り替えられた。
2007年に大規模な改修工事が開始された。第1段階として、1・2番線に自動券売機が設置され、駅の正面口が変更された。コンビニエンスストアのスパーは駅から完全に取り外され、ターンスタイルが取り除かれた。上述したように3・4・5番ホームが撤去され、看板と監視カメラが両ホームに追加され、2番線では、より広い待合室が追加された。南口(ピアース通り・トリニティ生物科学方面)が2013年4月9日に開業した[7]。
「アイルランド国鉄市内再信号化計画」が完了したことにより、ダブリン通勤列車北部線(ドロヘダ方面)と西部線(メイヌース方面)の停車数が増加した[8]。南西部線(ニューブリッジ方面)からの列車は、ピアース駅にも乗り入れている。ダブリン市内の鉄道信号を改善し、1時間に8本から20本の列車を両方面に運行することが可能となった。2015年3月に着工され、2016年7月17日に試運転が行われた[9]。
築130年の屋根の老朽化により、1,000万ユーロの屋根葺き替え計画が2018年8月に開始され、2020年6月に完了した[10]。
駅構造
[編集]すべてのプラットホームは屋内にあり、単式ホームを2つ向かい合わせた相対式ホーム2面2線を持つ高架駅である。
すべての営業列車が停車するアイルランド国鉄の主要駅であり、一部の列車にとっては終端駅でもある。
駅から南方面には車両基地であるダブリン・ピアース検車区があり、当駅を発着する列車が多く設定されている。
改札口は2階にあり、地上との間にはエスカレーターとエレベーターが設置されている。出入り口は計2つのうち、1つはウェストランド・ロウ、1つはダブリン大学トリニティ・カレッジの生物医学研究所前となる。トイレ(車椅子対応)はコンコースにあり、無料のWi-Fiスポットも利用できる。発車標はメインコンコースに設置されているほか、各プラットホームにも設置されている[11]。
駅構内にはカフェが2店設置されている。また、2番線にはピアノも設置されており、NHK BS1の「駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノ」にて放送されているダブリン・コノリー駅のピアノと同じである[12][13]。
のりば
[編集]以上のように、屋内、屋外の全ホームを合わせて4面7線のホームがあり、アイルランド国鉄の駅では2番目に多いホーム数である。
番線 | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | ■ インターシティ | 北行 | ダブリン・コノリー方面 | |
■ コミューター北部線 | ドロヘダ方面 | |||
■ コミューター南西部線 | ヘーゼルハッチ方面 | |||
■ コミューター西部線 | メイヌース方面 | |||
■ DART | ホウス、マラハイド方面 | 一部当駅を終点とする | ||
2 | ■ インターシティ | 南行 | グランド・カナル・ドック、ロスレア・ユーロ港方面 | |
■ コミューター北部線 | - | - | ||
■ コミューター西部線 市内支線 | ||||
■■ ダブリン通勤列車
(南東部線・南西部線) |
南行 | グランド・カナル・ドック、グレイストーンズ方面 | ||
■ ダブリン高速輸送(DART) | ダン・レアリー、ブレイ、グレイストーンズ方面 | 一部当駅を終点とする |
利用状況
[編集]早朝は、ダブリン近郊からの通勤・通学客の利用が多い。夕方になると、ダブリン近郊への通勤・通学客の利用が多くなる。当駅はダブリン大学トリニティ・カレッジ、アイルランド王立音楽院の最寄駅であり、また当駅発車のバスでアート&デザイン国立大学、シティ・カレッジなどへの通学生がいる。
年度別1日平均乗降人員
[編集]各年度の1日平均乗降人員は下表の通りである。
年度 | 1日平均
乗者人員 |
1日平均
降車人員 |
1日平均
乗降人員 |
増加率 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
2012 | 11,312 | 11,271 | 22,583 | - | [15] |
2013 | 12,168 | 11,238 | 23,406 | 3.5% | [16] |
2014 | 13,560 | 12,021 | 24,960 | 6.2% | [17] |
2015 | 13,439 | 13,766 | 27,205 | 8.2% | [18] |
2016 | 14,827 | 14,221 | 29,048 | 6.3% | [19] |
2017 | 15,465 | 15,636 | 31,101 | 6.6% | [20] |
2018 | 16,074 | 16,525 | 32,599 | 4.6% | [14] |
駅周辺
[編集]駅の周辺にはバスの停留場があり、市内の西側方面などが発着する。
駅の所在地がのダブリン市の中心部にあるため、政府庁舎などの行政機関があり、ダブリン大学トリニティ・カレッジの旧図書館(ケルズの書博物館)、アイルランド国立美術館、アイルランド国立博物館、ショッピングセンターなどの施設もある。
今後の計画
[編集]運輸局(National Transport Authority)は、スペンサー・ドックにある新しいドックランズ駅を経由し、ダブリン・ヒューストン駅を北部のダブリン高速輸送(DART)路線に接続するDART地下トンネル(DART Underground)を計画した。この計画の一環として、現在のピアース駅の地下に2つのプラットホームを追加した地下駅がDART地下鉄路線の停車駅として進めていた。これにより、ピアース駅は地下のDART線と地上のDART線の間の重要な交換地点となる予定だった。2015年9月にDART地下トンネルの計画は、無期限に保留された[21]。
隣の駅
[編集]アイルランド国鉄
- インターシティ
- ■ ロスレア線
- タラ・ストリート駅 - ダブリン・ピアース駅 - グランド・カナル・ドック駅
- ■ ロスレア線
- ダブリン通勤列車
- ■ 南東部線
- タラ・ストリート駅 - ダブリン・ピアース駅 - ダン・レアリー・マリン駅
- ■ 北部線
- タラ・ストリート駅 - ダブリン・ピアース駅
- ■ 西部線(市内支線)
- タラ・ストリート駅 - ダブリン・ピアース駅
- ■ 南西部線
- タラ・ストリート駅 - ダブリン・ピアース駅 - グランド・カナル・ドック駅
- ■ 南東部線
- ダブリン高速輸送(DART)
- ■ DART
- タラ・ストリート駅 - ダブリン・ピアース駅 - グランド・カナル・ドック駅
- ■ DART
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b Kullmann, Kurt,. The first Irish railway : westland row to Kingstown. Dublin, Ireland. ISBN 978-0-7509-8856-8. OCLC 1037272614
- ^ “Dublin Westland Row station” (PDF). Railscot - Irish Railways. 2007年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。31 August 2007閲覧。
- ^ “Steaming into the Future”. www.askaboutireland.ie. 2020年7月3日閲覧。
- ^ “Transactions of the Institution of Civil Engineers of Ireland, vol. 18”. web.archive.org. 2019年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月3日閲覧。
- ^ a b Shepherd, W. Ernest. ([1974]). The Dublin & South Eastern railway,. Newton Abbot [England]: David & Charles. ISBN 0-7153-6361-1. OCLC 1086146
- ^ “1916 Centenary Programme - Portraits and Lives of Rising leaders”. web.archive.org (2016年3月28日). 2020年7月3日閲覧。
- ^ “Pearse Station's great new look” (英語). herald. 2020年7月3日閲覧。
- ^ “City Centre Resignalling Project”. 17 December 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月3日閲覧。
- ^ “Linking Heuston with city centre 'a priority'” (英語). independent. 2020年7月3日閲覧。
- ^ “One of the country's busiest train stations to shut for 13 weekends 'for new roof'” (英語). independent. 2020年7月2日閲覧。
- ^ Rail, Irish. “Dublin Pearse” (英語). Irish Rail. 2020年7月3日閲覧。
- ^ 日本放送協会『「アイルランド・ダブリン」 - 駅ピアノ - NHK』 。2020年5月19日閲覧。
- ^ 日本放送協会『「アイルランド・ダブリン vol.2」 - 駅ピアノ - NHK』 。2020年5月18日閲覧。
- ^ a b “National Heavy Rail Census Report 2018”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
- ^ “National Heavy Rail Census 2012”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
- ^ “National Heavy Rail Census 2013”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
- ^ “National Heavy Rail Census 2014”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
- ^ “National Heavy Rail Census 2015”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
- ^ “National Heavy Rail Census Report 2016”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
- ^ “National Heavy Rail Census Report 2017”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
- ^ Bardon, Sarah. “Government abandons Dart Underground project” (英語). The Irish Times. 2020年7月2日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ダブリン・ピアース駅|アイルランド国鉄
- アイルランド国鉄
- アイルランド交通局
- ウィキメディア・コモンズには、ダブリン・ピアース駅に関するカテゴリがあります。