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ダブリン・ピアース駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ダブリン・ピアース駅
駅正門口(2011年5月)
Stáisiún na bPiarsach
Pearse Station
(ピアース駅)
地図
所在地 ダブリン2区ウェストランド・ロウ
北緯53度20分35.88秒 西経6度14分53.88秒 / 北緯53.3433000度 西経6.2483000度 / 53.3433000; -6.2483000 (ダブリン・ピアース駅)
所属事業者 アイルランド国鉄
電報略号 PERSE
駅構造 高架駅
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度-
16,074人/日(降車客含まず)
-2018年-
乗降人員
-統計年度-
16,525人/日
-2018年-
開業年月日 1834年12月17日
乗入路線 6 路線
所属路線 インターシティ ロスレア線
タラ・ストリート
ダン・レアリー・マリン
所属路線 コミューター 南東部線
タラ・ストリート
ダン・レアリー・マリン
所属路線 コミューター 北部線
タラ・ストリート
所属路線 コミューター 西部線 市内支線
タラ・ストリート
所属路線 コミューター 南西部線
タラ・ストリート
グランド・カナル・ドック
所属路線 ダブリン高速輸送(DART)
タラ・ストリート
グランド・カナル・ドック
備考 1966年 ウェストランド・ロウ駅から本駅名に改称
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ダブリン・ピアース駅(ダブリン・ピアースえき、: Baile Átha Cliath Stáisiún na bPiarsach: Dublin Pearse Station)は、アイルランドの首都ダブリン2区ウェストランド・ロウにある、アイルランド国鉄の駅である。通称ピアース駅: Stáisiún na bPiarsach: Dublin Pearse)であり、単に「ピアース」と呼ばれる場合もある。

概要

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2016年には900万人の乗客が利用した、ダブリンの主要のひとつである。かつては南方へ向かう列車のターミナル駅だったが、現在ではその役割を2つ北のコノリー駅に譲っている。もっとも当駅を経由する列車は全列車が停車するため、現在でもこの駅からウェックスフォードロスレア英語版へ向かう長距離列車のインターシティや、ダブリン通勤列車(コミューター)、ダブリン高速輸送(DART)などの近郊列車が運行されている。

歴史

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ピアース駅を発車する気動車1834年 カンバーランド通り)

駅舎はチャールズ・ブラッカー・ヴィニョールの設計によるものである。南側からの線路が通りの上に高架化されたため、線路はビルの2階に敷かれた。カンバーランド通りまでのホームを覆う2スパン構造だった[1]

ピアース駅は1834年12月17日、ダブリン&キングスタウン鉄道(D&KR)の終着駅であるウェストランド・ロウ駅として開業した[2]

1857年軌道はアイルランドの標準に合わせて1,435mmから1,600mmに変更された[3]

屋根の交換を含む1880年代に様々な変更を確保し、その後、4つのプラットホームに増設され、さらに5つのプラットホームになった[1]

1891年には、終着駅から通過駅と改修工事がなされた[4][5]

1966年にイースター蜂起50周年を記念して「ウェストランド・ロウ駅」からパトリック・ピアースにちなんで「ダブリン・ピアース駅」に改称された[6][注釈 1]

1993年の3・4番線(現1・2番線)

この時点で、駅には5つのプラットホームがあった[5]。通常利用されていたのは、通過式ホームの3・4番線のみであり、頭端式ホームの1・2・5番線は、『マイケル・コリンズ』や『アンジェラの灰』、『ノラ』、『名犬ラッシー』などの映画撮影に利用されたり、2番線は臨時列車に利用されたりしていた。1番線は近代列車では利用できず、駐車場に改修された。2008年までには、すべての頭端式ホームが撤去、または埋められ、3・4番線が1・2番線と振り替えられた。

2007年に大規模な改修工事が開始された。第1段階として、1・2番線に自動券売機が設置され、駅の正面口が変更された。コンビニエンスストアスパーは駅から完全に取り外され、ターンスタイルが取り除かれた。上述したように3・4・5番ホームが撤去され、看板と監視カメラが両ホームに追加され、2番線では、より広い待合室が追加された。南口(ピアース通り・トリニティ生物科学方面)が2013年4月9日に開業した[7]

「アイルランド国鉄市内再信号化計画」が完了したことにより、ダブリン通勤列車北部線(ドロヘダ方面)と西部線(メイヌース方面)の停車数が増加した[8]。南西部線(ニューブリッジ方面)からの列車は、ピアース駅にも乗り入れている。ダブリン市内の鉄道信号を改善し、1時間に8本から20本の列車を両方面に運行することが可能となった。2015年3月に着工され、2016年7月17日に試運転が行われた[9]

築130年の屋根の老朽化により、1,000万ユーロの屋根葺き替え計画が2018年8月に開始され、2020年6月に完了した[10]

駅構造

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プラットホーム(2007年

すべてのプラットホームは屋内にあり、単式ホームを2つ向かい合わせた相対式ホーム2面2線を持つ高架駅である。

すべての営業列車が停車するアイルランド国鉄の主要駅であり、一部の列車にとっては終端駅でもある。

駅から南方面には車両基地であるダブリン・ピアース検車区があり、当駅を発着する列車が多く設定されている。

改札口は2階にあり、地上との間にはエスカレーターエレベーターが設置されている。出入り口は計2つのうち、1つはウェストランド・ロウ、1つはダブリン大学トリニティ・カレッジの生物医学研究所前となる。トイレ車椅子対応)はコンコースにあり、無料のWi-Fiスポットも利用できる。発車標はメインコンコースに設置されているほか、各プラットホームにも設置されている[11]

駅構内にはカフェが2店設置されている。また、2番線にはピアノも設置されており、NHK BS1の「駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノ」にて放送されているダブリン・コノリー駅のピアノと同じである[12][13]

のりば

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以上のように、屋内、屋外の全ホームを合わせて4面7線のホームがあり、アイルランド国鉄の駅では2番目に多いホーム数である。

番線 路線 方向 行先 備考
1 インターシティ 北行 ダブリン・コノリー方面
コミューター北部線 ドロヘダ方面
コミューター南西部線 ヘーゼルハッチ方面
コミューター西部線 メイヌース方面
DART ホウス、マラハイド方面 一部当駅を終点とする
2 インターシティ 南行 グランド・カナル・ドック、ロスレア・ユーロ港方面
コミューター北部線 - -
コミューター西部線 市内支線
ダブリン通勤列車

(南東部線・南西部線)

南行 グランド・カナル・ドック、グレイストーンズ方面
ダブリン高速輸送(DART) ダン・レアリーブレイ、グレイストーンズ方面 一部当駅を終点とする

利用状況

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早朝は、ダブリン近郊からの通勤・通学客の利用が多い。夕方になると、ダブリン近郊への通勤・通学客の利用が多くなる。当駅はダブリン大学トリニティ・カレッジ、アイルランド王立音楽院の最寄駅であり、また当駅発車のバスでアート&デザイン国立大学、シティ・カレッジなどへの通学生がいる。

  • アイルランド国鉄 - 2018年度の1日平均乗降人員32,599人である。これは、アイルランド国鉄の駅ではコノリー駅に相次いで2番目に多い[14]

年度別1日平均乗降人員

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各年度の1日平均乗降人員は下表の通りである。

年度 1日平均

乗者人員

1日平均

降車人員

1日平均

乗降人員

増加率 出典
2012 11,312 11,271 22,583 - [15]
2013 12,168 11,238 23,406 3.5% [16]
2014 13,560 12,021 24,960 6.2% [17]
2015 13,439 13,766 27,205 8.2% [18]
2016 14,827 14,221 29,048 6.3% [19]
2017 15,465 15,636 31,101 6.6% [20]
2018 16,074 16,525 32,599 4.6% [14]

駅周辺

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駅の周辺にはバスの停留場があり、市内の西側方面などが発着する。

駅の所在地がのダブリン市の中心部にあるため、政府庁舎などの行政機関があり、ダブリン大学トリニティ・カレッジ旧図書館ケルズの書博物館)、アイルランド国立美術館、アイルランド国立博物館、ショッピングセンターなどの施設もある。

今後の計画

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運輸局(National Transport Authority)は、スペンサー・ドックにある新しいドックランズ駅を経由し、ダブリン・ヒューストン駅を北部のダブリン高速輸送(DART)路線に接続するDART地下トンネルDART Underground)を計画した。この計画の一環として、現在のピアース駅の地下に2つのプラットホームを追加した地下駅がDART地下鉄路線の停車駅として進めていた。これにより、ピアース駅は地下のDART線と地上のDART線の間の重要な交換地点となる予定だった。2015年9月にDART地下トンネルの計画は、無期限に保留された[21]

隣の駅

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アイルランド国鉄

インターシティ
ロスレア線
タラ・ストリート駅 - ダブリン・ピアース駅 - グランド・カナル・ドック駅
ダブリン通勤列車
南東部線
タラ・ストリート駅 - ダブリン・ピアース駅 - ダン・レアリー・マリン駅
北部線
タラ・ストリート駅 - ダブリン・ピアース駅
西部線(市内支線)
タラ・ストリート駅 - ダブリン・ピアース駅
南西部線
タラ・ストリート駅 - ダブリン・ピアース駅 - グランド・カナル・ドック駅
ダブリン高速輸送(DART)
DART
タラ・ストリート駅 - ダブリン・ピアース駅 - グランド・カナル・ドック駅

脚注

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注釈

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  1. ^ 同時に、他の主要駅もイースター蜂起の主要人物にちなんで改称された。詳細は、アイルランド国鉄を参照。

出典

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  1. ^ a b Kullmann, Kurt,. The first Irish railway : westland row to Kingstown. Dublin, Ireland. ISBN 978-0-7509-8856-8. OCLC 1037272614. https://www.worldcat.org/oclc/1037272614 
  2. ^ Dublin Westland Row station” (PDF). Railscot - Irish Railways. 2007年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ31 August 2007閲覧。
  3. ^ Steaming into the Future”. www.askaboutireland.ie. 2020年7月3日閲覧。
  4. ^ Transactions of the Institution of Civil Engineers of Ireland, vol. 18”. web.archive.org. 2019年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月3日閲覧。
  5. ^ a b Shepherd, W. Ernest. ([1974]). The Dublin & South Eastern railway,. Newton Abbot [England]: David & Charles. ISBN 0-7153-6361-1. OCLC 1086146. https://www.worldcat.org/oclc/1086146 
  6. ^ 1916 Centenary Programme - Portraits and Lives of Rising leaders”. web.archive.org (2016年3月28日). 2020年7月3日閲覧。
  7. ^ Pearse Station's great new look” (英語). herald. 2020年7月3日閲覧。
  8. ^ City Centre Resignalling Project”. 17 December 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月3日閲覧。
  9. ^ Linking Heuston with city centre 'a priority'” (英語). independent. 2020年7月3日閲覧。
  10. ^ One of the country's busiest train stations to shut for 13 weekends 'for new roof'” (英語). independent. 2020年7月2日閲覧。
  11. ^ Rail, Irish. “Dublin Pearse” (英語). Irish Rail. 2020年7月3日閲覧。
  12. ^ 日本放送協会『「アイルランド・ダブリン」 - 駅ピアノ - NHKhttps://www.nhk.jp/p/ts/9981L8QX2N/episode/te/3696KVQP9R/2020年5月19日閲覧 
  13. ^ 日本放送協会『「アイルランド・ダブリン vol.2」 - 駅ピアノ - NHKhttps://www.nhk.jp/p/ts/9981L8QX2N/episode/te/GQ7RZY5YRP/2020年5月18日閲覧 
  14. ^ a b National Heavy Rail Census Report 2018”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  15. ^ National Heavy Rail Census 2012”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  16. ^ National Heavy Rail Census 2013”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  17. ^ National Heavy Rail Census 2014”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  18. ^ National Heavy Rail Census 2015”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  19. ^ National Heavy Rail Census Report 2016”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  20. ^ National Heavy Rail Census Report 2017”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  21. ^ Bardon, Sarah. “Government abandons Dart Underground project” (英語). The Irish Times. 2020年7月2日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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