コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ダグラス・グラハム (第5代モントローズ公爵)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第5代モントローズ公爵

第5代モントローズ公爵ダグラス・ベレスフォード・マリス・ロナルド・グラハムDouglas Beresford Malise Ronald Graham, 5th Duke of Montrose KT1852年11月7日1925年12月10日)は、イギリス陸軍の軍人、スコットランド貴族。同時代のスコットランド有数の地主(1883年時点で103,447エーカーを所有)であり、スターリングシャー統監選挙名簿管理長官英語版スコットランド教会総会への勅使英語版シッスル騎士団長英語版を歴任した[1]

1872年から1874年までブキャナン侯爵儀礼称号を使用した[1]

生涯

[編集]
バニティ・フェア』1882年3月18日号におけるカリカチュアレスリー・ウォード画。

第4代モントローズ公爵ジェームズ・グラハム英語版と妻キャロライン・アグネス英語版(1818年 – 1894年11月16日、第2代デシーズ男爵ジョン・ホースリー=ベレスフォード英語版の娘)の三男として、1852年11月7日にロンドンで生まれた[1][2]。長兄ジェームズ・ジョンは1846年1月に生後11か月で夭折し、次兄ジェームズも1872年に満24歳で早世した[1]。1865年から1869年までイートン・カレッジで教育を受けた後、1874年12月30日に父が死去すると、モントローズ公爵位を継承した[1]

1870年10月22日に中尉としてハイランド・ボーダラーズ軽歩兵民兵連隊(Highland Borderer's Light Infantry Regiment of Militia)に入隊[3]、1876年6月14日に名誉隊長に任命された[4]。連隊が1881年のチルダース改革英語版ルイーズ王女のサザーランド・アンド・アーガイル・ハイランダーズ連隊英語版第3大隊に再編されると、1881年10月22日に名誉隊長を辞任して副隊長(中佐)に就任[5]、1897年6月に大隊の指揮官に任命された[6]。1883年1月10日にラナークシャー・ヨーマンリー連隊英語版の大尉から少佐に昇進した[7]

正規軍では1872年8月14日に少尉としてコールドストリームガーズに入隊[8]、1875年2月27日に第5ロイヤル・アイリッシュ・ランサーズ連隊英語版に転じ[9]、同年8月に1874年8月14日付で中尉に昇進したことが発表された[10]。1877年9月5日に正規軍から引退した[11]。ただし、第二次ボーア戦争には1902年に参戦して、飾版つき記章英語版medal, 2 clasps)を授与された[1]。1914年に第一次世界大戦が勃発すると、同年9月27日にルイーズ王女のサザーランド・アンド・アーガイル・ハイランダーズ連隊第7大隊の臨時副隊長に任命された[12]。また1897年6月にヴィクトリア女王の定員外エー=ド=カン英語版(副官)に任命されており[6]エドワード7世ジョージ5世の治世でも続投したが[1]、1915年11月20日に王室家政の規模削減により辞任した[13]。1917年8月8日、准将を名誉階級として与えられた[14]

1879年11月29日にシッスル勲章を授与され[1]、1917年4月7日にシッスル騎士団長英語版に任命された[15]。1890年5月3日に選挙名簿管理長官英語版に任命された[16]。1907年に大日本帝国より旭日章を授与された[1]。1916年5月8日にスコットランド教会総会への勅使英語版に任命され[17]、1917年5月7日にも同様の任命がなされた[18]

1883年時点でスターリングシャー英語版に68,565エーカーパースシャー英語版に32,294エーカー、ダンバートンシャー英語版に2,588エーカー、合計で103,447エーカー(年収24,872ポンド相当)を所有する大地主である[1]。1885年7月23日にスターリングシャー統監に任命され[19]、1925年に死去するまで務めた[20]

1925年12月10日にグラスゴーで死去、14日にスターリングシャーブキャナン英語版で埋葬された[1]。長男ジェームズ英語版が爵位を継承した[1]

家族

[編集]
モントローズ公爵夫人ヴァイオレットの肖像画。フィリップ・ド・ラースロー画、1912年3月。

1876年7月24日、ヴァイオレット・ハーマイオニー・グラハム英語版(1854年9月10日 – 1940年11月21日[21]第3代準男爵サー・フレデリック・グラハム英語版の娘)と結婚[1]、3男2女をもうけた[22]

  • ジェームズ英語版(1878年5月1日 – 1954年1月20日) - 第6代モントローズ公爵[1][21]
  • ヘレン・ヴァイオレット(1879年7月1日 – 1945年8月27日) - 生涯未婚[23]
  • ハーマイオニー・エミリー(Hermione Emily、1882年2月22日[22] – 1978年3月3日) - 1906年3月29日、第25代キャメロン氏族長ドナルド・ウォルター・キャメロン英語版と結婚、子供あり[24]
  • ダグラス・マリス(1883年10月14日 – 1974年11月20日) - 陸軍軍人、第一次世界大戦に参戦。1919年7月29日、レイチェル・メアリー・ホランド(Rachel Mary Holland、1891年3月1日 – 1977年6月6日[25]第2代ナッツフォード子爵シドニー・ホランド英語版の娘)と結婚、子供あり[23]
  • アラステア・マンゴ(Alastair Mungo、1886年5月12日 – 1976年) - 海軍軍人、第一次世界大戦に参戦。1916年5月4日、メリエル・オリヴィア・バサースト(Meriel Olivia Bathurst、1894年9月3日 – 1936年1月18日[26]第7代バサースト伯爵シーモア・バサースト英語版の娘)と結婚、子供あり。1944年10月24日、シーラ・ヴァイオレット・エッジワース・リード(Sheelah Violet Edgeworth Reade、エセックス・エッジワース・ウィリアム・ダグラス・リードの娘)と再婚、子供なし[23]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n Cokayne, George Edward; Doubleday, Herbert Arthur; Howard de Walden, Thomas, eds. (1936). The Complete Peerage, or a history of the House of Lords and all its members from the earliest times (Moels to Nuneham) (英語). Vol. 9 (2nd ed.). London: The St. Catherine Press. pp. 159–160.
  2. ^ Paul, James Balfour, Sir, ed. (1909). The Scots Peerage (英語). Vol. VI. Edinburgh: David Douglas. pp. 273–274.
  3. ^ "No. 23672". The London Gazette (英語). 28 October 1870. p. 4648.
  4. ^ "No. 24336". The London Gazette (英語). 13 June 1876. p. 3457.
  5. ^ "No. 25029". The London Gazette (英語). 21 October 1881. p. 5197.
  6. ^ a b "No. 26867". The London Gazette (Supplement) (英語). 25 June 1897. p. 3570.
  7. ^ "No. 25186". The London Gazette (英語). 9 January 1883. p. 154.
  8. ^ "No. 23886". The London Gazette (英語). 13 August 1872. p. 3645.
  9. ^ "No. 24184". The London Gazette (英語). 26 February 1875. p. 810.
  10. ^ "No. 24236". The London Gazette (英語). 13 August 1875. p. 4072.
  11. ^ "No. 24500". The London Gazette (英語). 4 September 1877. p. 5097.
  12. ^ "No. 28922". The London Gazette (英語). 2 October 1914. p. 7825.
  13. ^ "No. 29427". The London Gazette (英語). 4 January 1916. p. 183.
  14. ^ "No. 30225". The London Gazette (Supplement) (英語). 10 August 1917. p. 8173.
  15. ^ "No. 30012". The London Gazette (英語). 10 April 1917. p. 3403.
  16. ^ "No. 26058". The London Gazette (英語). 3 June 1890. p. 3134.
  17. ^ "No. 29573". The London Gazette (英語). 9 May 1916. p. 4550.
  18. ^ "No. 30055". The London Gazette (英語). 8 May 1917. p. 4356.
  19. ^ "No. 25493". The London Gazette (英語). 24 July 1885. p. 3426.
  20. ^ Sainty, John Christopher (September 2005). "Lieutenants and Lord-Lieutenants of Counties (Scotland) 1794-". Institute of Historical Research (英語). 2019年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月19日閲覧
  21. ^ a b Cokayne, George Edward; Hammond, Peter W., eds. (1998). The Complete Peerage, or a history of the House of Lords and all its members from the earliest times (Addenda & Corrigenda) (英語). Vol. 14 (2nd ed.). Stroud: Sutton Publishing. p. 485. ISBN 978-0-7509-0154-3
  22. ^ a b Burke, Sir Bernard; Burke, Ashworth Peter, eds. (1934). A Genealogical and Heraldic History of the Peerage and Baronetage, The Privy Council, and Knightage (英語). Vol. 2 (92nd ed.). London: Burke's Peerage, Ltd. p. 1709.
  23. ^ a b c Mosley, Charles, ed. (2003). Burke’s Peerage, Baronetage & Knightage Clan Chiefs Scottish Feudal Barons (英語). Vol. 2 (107th ed.). London: Burke's Peerage Limited. pp. 2753–2754. ISBN 978-0-97119662-9
  24. ^ Mosley, Charles, ed. (2003). Burke’s Peerage, Baronetage & Knightage Clan Chiefs Scottish Feudal Barons (英語). Vol. 1 (107th ed.). London: Burke's Peerage Limited. p. 656. ISBN 978-0-97119662-9
  25. ^ Mosley, Charles, ed. (2003). Burke’s Peerage, Baronetage & Knightage Clan Chiefs Scottish Feudal Barons (英語). Vol. 2 (107th ed.). London: Burke's Peerage Limited. p. 2216. ISBN 978-0-97119662-9
  26. ^ Mosley, Charles, ed. (2003). Burke’s Peerage, Baronetage & Knightage Clan Chiefs Scottish Feudal Barons (英語). Vol. 1 (107th ed.). London: Burke's Peerage Limited. p. 216. ISBN 978-0-97119662-9

外部リンク

[編集]
公職
先代
第6代グラスゴー伯爵
選挙名簿管理長官英語版
1890年 – 1925年
次代
第7代バクルー公爵
先代
第7代アバディーン伯爵
スコットランド教会総会への勅使英語版
1916年 – 1917年
次代
第8代アソル公爵
名誉職
先代
第7代ダンモア伯爵英語版
スターリングシャー統監
1885年 – 1925年
次代
初代レッキーのヤンガー子爵英語版
先代
第7代アソル公爵英語版
シッスル騎士団長英語版
1917年 – 1925年
次代
第8代ロクスバラ公爵
スコットランドの爵位
先代
ジェームズ・グラハム英語版
モントローズ公爵
1874年 – 1925年
次代
ジェームズ・グラハム英語版