ダイハツ・ソレックス
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ダイハツ・ソレックス(SOLEX)ダイハツ工業が1974年から1977年頃まで販売したモペッド。
概要
[編集]頑丈なフレームを持つペダル付き自転車の前輪上に49ccの2ストロークエンジンをマウントし、タイヤに圧接したローラーで直接動力を伝達するという独特の駆動方式で、イグニッションキーやバッテリーも持たない原始的な原動機付自転車である。原型はフランスのキャブレターメーカーであるソレックス社が開発したヴェロソレックス 5000。
ダイハツはその傘下にあたブラジルのSINFAC社からキット状態で輸入し、国内で組み立てるいわゆるノックダウン生産を行った[要出典]。
本来は無免許で乗れる日常の足として設計されたため、最大出力は0.4馬力と当時の国産原付の15分の1未満である。前輪上にエンジンがあるためにバランスが取り辛い上、サスペンションを持たないため悪路での乗り心地は悪く、ちょっとした坂道でもペダルを併用しないと登れないという、免許を必要とするオートバイとしては極めて非力で実用性に乏しい乗り物であった。なお、カタログ上の最高速度は18kmであったため、保安基準の特例として速度計や方向指示器、尾灯および制動灯は装備されていない。
ヨーロッパ的でユニークなデザインがごく一部の層からは評価されたものの、自転車店や二輪販売店ではなく自動車ディーラーのみでの販売であったこともあり、ほとんど普及することのないまま販売終了となった。総輸入台数は25000台とされるが、現存車両は非常に少ないと思われる。