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タリアータ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

タリアータタリアッタ[1][2][3]イタリア語: tagliata)は、イタリアトスカーナ地方の名物料理[4][5]牛肉のタリアータイタリア語: tagliata di manzo)を指すことが多い。セコンド・ピアットに分類される料理である[6]

概要

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「タリアータ」は「切った」、「薄く切った」という意味であり、焼いた牛肉を切って提供される料理である[5][7]バルサミコ酢のソースや削ったパルミジャーノ・レッジャーノをかけ、野菜類と共に食べる[5][7]

タリアータ・コン・ルッコラ[6]
ルッコラを乗せたもの。
タリアータ・コン・フンギ・ポルチーニ[6]
ポルチーニ茸を乗せたもの。

歴史

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1973年トスカーナ州ピサのシェフであるセルジオ・ロレンツィ (Sergio Lorenzi) が、古くから存在する牛肉料理ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナを再解釈して考案した[8]

ロレンツィはミラノのレストランで修業した後、ピサのトスカーナ料理専門のレストランで料理長として働き、1970年に独立してレストラン「セルジオ」 (Sergio) を開業すると、1973年に「牛肉のタリアータ」 (tagliata di manzo) と名付けた料理を初めて提供する[8]。1978年にセルジオはミシュランの星を獲得したうえ、1980年代初頭には牛肉のタリアータのレシピは広まっており、この地域のほぼすべてのレストランが提供するようになっていた。やがて、牛肉のタリアータは世界で最も有名なトスカーナ料理の1つとなった[8]

以上のような経緯があるが、もっと古い時代にタリアータの起源を求める説がある(ただし、これらについては公式な文書は確認されていない)[9]

類似する料理

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ローストビーフとの違い
タリアータは表面を焼いて肉の塊の中心までは火を通さないが、ローストビーフは中心まで火を通す[7]
ビステッカとの違い
ビステッカは肉を切らずに提供されるが、タリアータは肉を切って提供される。

出典

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  1. ^ コンセプト・写真”. 銀座イタリアン ファビズ. 2023年4月20日閲覧。
  2. ^ Valentineディナー&特典付きスペシャルPLAN”. CHILLNN. 2023年4月20日閲覧。
  3. ^ 【オデカフェのバレンタインスペシャルディナー】”. いきいき唐津. 2023年4月20日閲覧。
  4. ^ 『Richesse』 No.19(【日文版】)、ハースト婦人画報社、2017年、94頁。 
  5. ^ a b c 大島節子「タリアータ ローストビーフ風」『一生ものイタリアン: 22年続くイタリア料理教室の絶賛レシピ』主婦と生活社、2022年、68頁。ISBN 978-4-39-115862-5 
  6. ^ a b c 三浦陽一「25 おなかと相談しつつ、失敗しないセコンド選びを」『ガイドブックには載らないイタリアまる秘旅行術: 知っていると10倍楽しめる達人の知恵60』(改訂版)メイツ出版、2019年、62頁。ISBN 978-4-78-041476-9 
  7. ^ a b c leiamama (2022年11月30日). “タリアータって何?おつまみに食べたいタリアータの作り方”. macaro-ni. トラストリッジ. 2023年4月20日閲覧。
  8. ^ a b c Marco Barabotti (2015年6月10日). “Lorenzi, il cuoco pisano primo ambasciatore della cucina italiana” (イタリア語). Gruppo SAE. 2023年5月16日閲覧。
  9. ^ Leggende metropolitane: la vera tagliata italiana” (イタリア語). I LOVE ITALIAN FOOD (2016年3月6日). 2023年5月16日閲覧。

関連項目

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