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タマキガイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タマキガイ
生息年代: 白亜紀現世
[1]
青森市合浦公園 あおもりくまさん
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 二枚貝綱 Bivalvia
亜綱 : 原鰓亜綱 Autobranchia
下綱 : 翼形類 Pteriomorphia
: フネガイ目 Arcoida
: タマキガイ科 Glycymerididae
: タマキガイ属 Glycymeris
: タマキガイ G. aspersa[2]
学名
Glycymeris aspersa (Adams & Reeve, 1850)[2]
シノニム

Glycymeris vestita (Dunker, 1877)

和名
タマキガイ(環貝)
英名
dog cockle, bittersweet
中名 衣蚶蜊 (yī hān lí) 

タマキガイ環貝, 玉置貝[3] Glycymeris aspersa)は、 タマキガイ科(Glycymerididae)に分類される二枚貝で、南北海道より南の外洋に面した砂浜で普通に見られる種である。

外観

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殻は円形で厚く、殻表は平滑。生貝はビロード状の殻皮をかぶる。殻長さは約7cm以下。殻表の模様は変異が多く、淡い栗色からほとんど白色のものまである。内面は白色[4][5]。貝殻は前後で対称的で、套線は不明瞭、水管をもたない。この属の貝は本種に似ていて見分けが難しい。ベンケイガイ Glycymeris albolineata は本種よりもやや大型で四角みがある。ミタマキガイ Glycymeris imperialis は本種よりも小型で本種よりもさらに円形に近い。北海道や朝鮮半島北東岸ではエゾタマキガイ Glycymeris yessoensis が見られる[5]。貝殻の内面を観察し、前後の閉殻筋痕の内側から貝殻腹縁へ放射線を引き、その間の刻みの数を数えることが種の判別に役立つ[6]

分布

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北海道南部から九州、朝鮮半島で、水深の浅い砂底に生息する。西日本の太平洋側から台湾にかけて見られる、白地に褐色のイナヅマ模様の貝はトドロキガイ Glycymeris fulgurata と呼ばれる[5][7]。化石の調査結果より、タマキガイはトドロキガイから派生した新しい種と考えられる[8]

人との関係

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硬くてうま味が少なく後味がくどいため、ほとんど食用とされない[9]縄文時代初期に貝輪の材料とされた[10]。『環(たまき)』には輪形の装身具の意味がある[11]

出典

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  1. ^ Glycymeris”. mindat. 2021年6月27日閲覧。
  2. ^ a b Marshall, Bruce (2021年). “Glycymeris aspersa”. WoRMS. 2022年8月12日閲覧。
  3. ^ 武蔵石壽服部雪斎 (1843). “(五十四)玉置”. 『目八譜』 (第三巻). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1287298/39. 
  4. ^ 波部忠重; 小菅貞男 (1967/8/10). 標準原色図鑑全集3『貝』. 保育社 
  5. ^ a b c 世界文化生物大図鑑『貝類』 松隈明彦ら p.282. 世界文化社. (2004) 
  6. ^ タマキガイ”. kudamaki2019. 2022年8月12日閲覧。
  7. ^ Yuta Yamaoka, Yasuo Kondo and Hisae Ito (2016). “Rate and Pattern of Shell Growth of Glycymeris fulgurata and Glycymeris vestita (Bivalvia: Glycymeridiidae) in Tosa Bay as Inferred from Oxygen Isotope Analysis”. VENUS 74: 61-69. 
  8. ^ 近藤康生. “化石から探る現生種貝類の起源”. 2019年2月23日閲覧。
  9. ^ 市場魚介類図鑑 タマキガイ”. 藤原昌髙. 2019年2月22日閲覧。
  10. ^ 新町 正. “市来貝塚”. 市来町教育委員会. 2020年4月11日閲覧。
  11. ^ 阿部吉雄 (1964/3/15). 漢和辞典. 旺文社. p. 674 

外部リンク

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