タイロン・パワー
タイロン・パワー Tyrone Power | |
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1940年代宣材写真 | |
本名 | Tyrone Edmund Power.Jr |
生年月日 | 1914年5月5日 |
没年月日 | 1958年11月15日(44歳没) |
出生地 | オハイオ州シンシナティ |
ジャンル | 俳優(映画・舞台) |
活動期間 | 1932年 - 1958年 |
活動内容 |
1932年:デビュー 1958年:死去 |
配偶者 |
アナベラ(1939-1948) Linda Christian(1949-1956) Debbie Ann Minardos(1958) |
主な作品 | |
『怪傑ゾロ』 『血と砂』 『剃刀の刃』 『長い灰色の線』 『愛情物語』 『情婦』 | |
備考 | |
グローマンズ・チャイニーズ・シアター ハリウッド名声の歩道 |
タイロン・パワー(Tyrone Power, 1914年5月5日 - 1958年11月15日)は、アメリカ合衆国オハイオ州シンシナティ出身の俳優。
経歴
[編集]イギリス生まれの俳優で同名のタイロン・パワー(タイロン・パワー二世)を父に持つ(曽祖父も同名で、アイルランド生まれの俳優・コメディアンのタイロン・パワー)。病弱だった彼の健康のため家族でカリフォルニアに移るも、父親は主にニューヨークを基盤に活動しており不在が多く、結局1920年に両親は離婚。子役として母親と共に舞台に立つようになる。数年後にシンシナティに戻り、その地で高校を卒業。
1931年、映画界入りする父に同行しハリウッドに向かう。間もなく父は急死するが、彼はしばらくハリウッドに留まり、数本の映画に脇役として出演する。その後ブロードウェイの舞台に出演していた時に20世紀フォックスにスカウトされ、『勝鬨』への出演で若手スターとして売り出した。
『スエズ』や『世紀の楽団』などのヒットによりマネー・メイキング・スターのトップ10に名を連ね、1939年には映画雑誌の人気投票で“ハリウッド・キング”に選ばれるなど、フォックスの看板スターの地位を確立した。しかし本人はステレオタイプ的な二枚目役を嫌っており、新境地を開くために舞台に戻ろうとした事もあったという。また、『スエズ』で共演したフランスの人気女優アナベラと結婚するが、後に離婚している。
戦時中はアメリカ軍に志願した。戦後、進駐軍の兵士として訪日し、銀座の交差点で交通整理をしたという報道[1]があったが、大森洋平は『考証要集』(文春文庫、2013)で史実をあげて「これは事実ではなかろう」と断定している。1950年代に入ると、二枚目スターの地位はグレゴリー・ペックなどに取って代わられたが、『長い灰色の線』『陽はまた昇る』で中年の渋みも加わった一面を見せ、『愛情物語』では実在のピアニストのエディ・デューチンを演じた。
ビリー・ワイルダー監督の『情婦』で演技派としても再評価された矢先、『ソロモンとシバの女王』のマドリードロケ中に心臓麻痺を起こし、44歳で急死した。彼の役はユル・ブリンナーに交代し撮り直された。
主な出演作品
[編集]公開年 | 邦題 原題 |
役名 | 備考 |
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1932 | 鉄血士官校 Tom Brown of Culver |
ジョン | |
1934 | お姫様大行進 Flirtation Walk |
カデット | クレジットなし |
1936 | 四つの恋愛 Ladies in Love |
カール | |
勝鬨 Lloyd's of London |
ジョナサン・ブレイク | ||
1937 | シカゴ In Old Chicago |
ディオン | |
狙われたお嬢さん[2] Love Is News |
スティーヴ・レイトン | ||
氷上乱舞 Thin Ice |
ルドルフ王子 | ||
1938 | 世紀の楽団 Alexander's Ragtime Band |
ロジャー・グラント(アレキサンダー) | |
マリー・アントアネットの生涯 Marie Antoinette |
ハンス・アクセル・フォン・フェルセン | ||
スエズ Suez |
フェルディナン・ド・レセップス | ||
1939 | 地獄への道 Jesse James |
ジェシー・ジェームズ | |
ワシントン広場の薔薇 Rose of Washington Square |
バート・クリントン | ||
雨ぞ降る The Rains Come |
ラマ・サフティ | ||
1940 | 快傑ゾロ The Mark of Zorro |
ドン・ディエゴ・ヴェガ/ゾロ | |
1941 | 血と砂 Blood and Sand |
フアン | |
英空軍のアメリカ人 A Yank in The R.A.F. |
ティム・ベイカー | ||
1942 | 激闘/ベンジャミンの復讐 Son of Fury: The Story of Benjamin Blake |
ベンジャミン・ブレイク | |
純愛の誓い This Above All |
クライヴ・ブリッグス | ||
海の征服者 Black Swan |
ジェイミー・ワーリング | ||
1943 | 潜航決戦隊 Crash Dive |
ウォード・スチュワート | |
1946 | 剃刀の刃 Razor's Edge |
ラリー・ダレル | |
1947 | 悪魔の往く町 Nightmare Alley |
スタン | |
征服への道 Captain from Castle |
ペドロ・デ・ヴァルガス | ||
1948 | 幸福の森/アイルランドの妖精 The Luck of the Irish |
スティーブン・フィッツジェラルド | |
1949 | 狐の王子 Prince of Foxes |
アンドレア | |
1950 | 黒ばら The Black Rose |
ウォルター | |
アメリカン・ゲリラ・イン・フィリピン American Guerrilla in the Philippines |
Ensign Chuck Palmer | ||
1951 | 狙われた駅馬車 Rawhide |
トム・オーウェンズ | |
1952 | 国務省の密使 Dipromatic Courier |
マイク・ケルズ | |
荒野の襲撃 Pony Soldier |
ダンカン・マクドナルド | ||
1953 | ミシシッピーの賭博師 The Mississippi Gambler |
マーク・ファロン | |
壮烈カイバー銃隊 King of The Khyber Rifles |
アラン・キング | ||
1955 | 長い灰色の線 The Long Gray Line |
マーティ | |
野性の女 Untamed |
ポール | ||
1956 | 愛情物語 The Eddy Duchin Story |
エディ・デューチン | |
1957 | 二十七人の漂流者 Seven Waves Away |
アレック・ホームズ | |
陽はまた昇る The Sun Also Rises |
ジェイク・バーンズ | ||
月の出の脱出 The Rising of the Moon |
- | ナレーター | |
情婦 Witness for the Prosecution |
レオナルド |
注
[編集]- ^ 日本ニュース 第258号 1945年10月7日公開。
- ^ 初公開時の邦題。戦後の再上映による現邦題は『恋は特ダネ』