ソーマ・プラバー
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ソーマ・プラバー(Somaprabha)は、インド神話におけるアスラ族の娘。
父はアスラ族の偉大な建築家マヤースラ[1]、長女はスヴァヤム・プラバーでマヤースラの次女になる。長女スヴァヤム・プラバーは処女で未婚のまま父のもとにおり、ソーマ・プラバー自身は夜叉族の王クベーラの子ナラクーバラに嫁いだ[1]。
人間の王女カリンガゼーナと親友である。カリンガゼーナは魔法で動く人形に感動して一日中何も食べないほどであった。カリンガゼーナは両親にソーマ・プラバーを見せた。ソーマ・プラバーあまりにの美しさに両親は「好きなように楽しんできなさい」と言ったという[2]。その後ヴィンディア山中にある父マヤースラの宮殿に到着し不死になれる実をカリンガゼーナに与えた[3]。その後カリンガゼーナの王宮に戻った。2人はその後しばらく過ごしたがソーマ・プラバーはカリンガゼーナに「あなたが結婚したら友達の夫は決して見てはならない」と言う[4]。
アスラの都城
[編集]岩本裕は、アスラの都城の遊園の様子を
其処には、黄金の蓮華の咲きそろった池があり、甘露のように甘い果実のなった樹木があり、黄金色や種々の色の翅の鳥が飛びかっていました。また、美しい宝玉の柱が立ちならんで、壁のないところでは壁の感じを与え、壁のあるところでは壁のない感じがしました。また、水のあるところは乾いた土地のような感じがし、乾いた土地では水の感じがしました。アスラのマヤが造営しましたこの遊園は、別世界のように思われました。嘗てシーター姫を探しに猿群がこの遊園に這入りこみ、スヴァヤム・プラバーの恩寵によって、長い年月滞在した後にここから出てゆくことを許されました — 岩本裕訳、 「カター・サリット・サーガラ -インド古典説話集 第3」岩波書店(岩波文庫)、1958年、pp109-110
と訳している。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 岩本裕訳『カター・サリット・サーガラ -インド古典説話集 第3』岩波書店(岩波文庫)、1958年。