メンダコ
メンダコ | ||||||||||||||||||||||||
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メンダコ Opisthoteuthis depressa
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保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||
DATA DEFICIENT (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Opisthoteuthis depressa Ijima & Ikeda, 1895[1] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
メンダコ |
メンダコ(面蛸、面鮹、学名:Opisthoteuthis depressa)はメンダコ科に属するタコの一種である[2]。
記載
[編集]メンダコの記載は、理科大学動物学教室(現東京大学理学部)の飯島魁と池田作次郎によって行われた。記載論文は、1895年7月に発表された『奇形ノ章魚 (Opisthoteuthis depressa n. sp) ニ就テ』[3]である。同年12月、同著者らによって出版された記載論文の英語版『Description of Opisthoteuthis depressa, n. sp』[4]が誤引用されることが多い[5]。
特徴
[編集]普通に見られるタコの仲間とはかなり異なった外観をしており、放射状に脚が拡がっている。その脚の半分以上は大きな膜に覆われ、普通のタコと違いあまり脚の自由は利かない。普通のタコでは二列となっている吸盤も、メンダコは一列しかない。その周りに長い感覚毛が多く生えており、これは本種の他にも深海を住処にしているタコ類の特徴である。
非常に扁平で押しつぶしたような姿をしている。暗い深海で生息しているために墨袋は無くなり、普通のタコが持っているような墨を吐く事はできない。体長は20センチほどで比較的小形。
そのパラシュートのような姿とユーモラスな外観から、UFOを思い浮かべる人もいる。水から上げると柔らかい体を支えきれず、スライム状にのびてしまう。
生態
[編集]深海性のタコであるため、詳しい生態は不明である。
水深200 mから1000 m付近の海底近くに住む。普通のタコと比べその体型ゆえに水を取り込む隙間が狭いので、水を取り込んで漏斗から噴射して素早く動く事はできないが、餌の少ない深海で生きるために、体力消耗を抑えるようにゆっくりした動きになったと言われる。
他の深海性の多くのタコ類に見られる胴体から伸びた鰭状部分が発達しているが、それらのタコ類に比べれば本種のは小さいので遊泳に用いることはなく、鰭をスタビライザーのようにして、海中で方向転換や姿勢制御などに使うとされる。
餌は主に底性生物(ベントス)のヨコエビ類などといった、小型甲殻類などである。国内の一部水族館では産卵に成功し、葛西臨海水族園や沼津港深海水族館では孵化にも成功した[6]。
飼育
[編集]飼育が非常に難しいため、長期で飼育・展示をする水族館は貴重である。日本ではかつてアクアワールド茨城県大洗水族館[7][8]、葛西臨海水族園[9]、鳥羽水族館[10][11]、新江ノ島水族館[12][13][14][15]、名古屋港水族館[16]、沼津港深海水族館[17][18]、サンシャイン水族館[19][20][21]が飼育・展示していた。2022年3月現在、国内最長飼育・展示記録はサンシャイン水族館が保持している(展示77日、飼育78日[21])。近縁種であるオオメンダコについてはアクアマリンふくしまが155日間の飼育に成功している[22]。
食用
[編集]食べられなくはないものの、味は海水のようで非常に不味いという。また、匂いがシンナー系薬品のような異臭を放つので、底引き網などにかかると他の魚に匂いがつかないように漁師達にはすぐに捨てられている。
近縁種
[編集]日本近海にはメンダコの他、センベイダコ(Opisthoteuthis japonica)、オオメンダコ(Opisthoteuthis californiana、英: Flapjack octopus)の3種が生息している。
また、メンダコ科のタコは傘のような見た目から英語でUmbrella octopusと呼ばれる。
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オオメンダコ Opisthoteuthis californiana
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メンダコの一種 Opisthoteuthis extensa
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Opisthoteuthis extensaの裏
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メンダコの一種 Opisthoteuthis medusoides
脚注
[編集]- ^ "Opisthoteuthis depressa Ijima & Ikeda, 1895". World Register of Marine Species. 2023年4月24日閲覧。
- ^ 「メンダコ」『日本大百科全書』 。コトバンクより2022年6月26日閲覧。
- ^ 飯島魁, 池田作次郎「帝國大學紀要理科第八册第二號 : 奇形ノ章魚ニ就キテ : Description of Opisthoteuthis depressa n. sp」『動物学雑誌』第8巻第95号、東京動物學會、1896年9月、346-347頁、CRID 1544231895065336448、NDLJP:10825312。「国立国会図書館デジタルコレクション」
- ^ Ijima, Isao; Ikeda, Sakujiro (1895). “Description of Opisthoteuthis depressa n. sp” (英語). The journal of the College of Science, Imperial University, Japan= 帝國大學紀要. 理科 (College of Science, Imperial University) 8: 323-337. CRID 1390853649533322496. doi:10.15083/00037547. hdl:2261/28961 .
- ^ GLEADALL, IAN G. (2003-11). “A NOTE ON THE CEPHALOPODA TYPE SPECIMENS IN THE ZOOLOGY DEPARTMENT OF TOKYO UNIVERSITY MUSEUM” (英語). Journal of Molluscan Studies 69 (4): 375–380. doi:10.1093/mollus/69.4.375. ISSN 1464-3766 .
- ^ “メンダコの卵が孵化しました!”. 東京ズーネット TOKYO ZOO NET. 2021年2月17日閲覧。
- ^ “アクアワールド茨城県大洗水族館 Twitter(2018-2-5)”. アクアワールド茨城県大洗水族館. 2021年2月18日閲覧。
- ^ “アクアワールド茨城県大洗水族館 Facebook(2019-1-31)”. アクアワールド茨城県大洗水族館. 2021年2月18日閲覧。
- ^ “葛西臨海水族園 Twitter(2020-7-31)”. 葛西臨海水族園. 2021年2月18日閲覧。
- ^ “メンダコを展示してみました | 鳥羽水族館 飼育日記” (2013年2月4日). 2021年2月18日閲覧。
- ^ “メンダコを展示しました | 鳥羽水族館 飼育日記” (2018年4月12日). 2021年2月18日閲覧。
- ^ “2013/03/07 メンダコ近況 | 新江ノ島水族館”. www.enosui.com. 2021年2月18日閲覧。
- ^ “2019/01/27 メンダコ チャレンジ2019 その1 | 新江ノ島水族館”. www.enosui.com. 2021年2月18日閲覧。
- ^ “2019/02/23 メンダコ チャレンジ2019 その2 & 深海生物トピックス | 新江ノ島水族館”. www.enosui.com. 2021年2月18日閲覧。
- ^ “2017/04/24 メンダコ チャレンジ2017 その3 終章 | 新江ノ島水族館”. www.enosui.com. 2021年2月18日閲覧。
- ^ “メンダコ登場!|名古屋港水族館ホームページ”. nagoyaaqua.jp. 2021年2月18日閲覧。
- ^ “沼津港深海水族館が”メンダコ”展示の世界記録更新中 カメラを向け続けると死ぬくらい繊細、記録更新の秘訣は?”. ねとらぼ. 2021年2月18日閲覧。
- ^ “メンダコ展示開始致しました。”. 沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム公式ブログ. 2021年2月18日閲覧。
- ^ “サンシャイン水族館 Twitter(2020-12-23)”. サンシャイン水族館. 2021年2月18日閲覧。
- ^ “サンシャイン水族館 Twitter(2021-12-26)”. Twitter. 2021年12月30日閲覧。
- ^ a b “https://twitter.com/sunshine_aqua/status/1502916489279864835”. Twitter. 2022年3月17日閲覧。
- ^ https://web.archive.org/web/20240106051519/https://nordot.app/1113289709770424628?c=405943748183835745