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セント・マーティン教会 (ブル・リング)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
セント・マーティン教会
St Martin's Church
バーミンガム教区教会
ブル・リングのセント・マーティン
Birmingham Parish Church
St Martin-in-the-Bull Ring
尖塔 建築物詳細
地図
高さ記録
バーミンガムで一番高い建築物 (1855年から1908年まで)[I]
先代 聖ペテロ聖パウロ教会 (アストン)英語版
次代 ジョゼフ・チェンバレン記念時計塔英語版
概要
改築 1853-1855年
設計・建設
建築家 P・C・ハードウィック英語版
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セント・マーティン教会 St Martin's Churchの位置(ウェスト・ミッドランズ内)
セント・マーティン教会 St Martin's Church
セント・マーティン教会
St Martin's Church
ウェスト・ミッドランズ内の位置
地図
北緯52度28分37秒 西経1度53分36秒 / 北緯52.47694度 西経1.89333度 / 52.47694; -1.89333座標: 北緯52度28分37秒 西経1度53分36秒 / 北緯52.47694度 西経1.89333度 / 52.47694; -1.89333
英式座標 grid reference SP 07352 86566[1]
所在地 バーミンガム
ブル・リング B5[1]
エジバストン・ストリート (Edgbaston Street)
イングランドの旗 イングランド
教派 イングランド国教会
教会精神 低教会派英語版
ウェブサイト St Martin in the Bull Ring, bullring.org, http://www.bullring.org 
歴史
守護聖人 聖マルティヌス
(セント・マーティン)
建築物
文化財指定 指定建築物2*級 (Grade II*)
文化財指定日 1952年4月25日[1]
設計者 J・A・チャトウィン英語版
建築様式 ネオ・ゴシック建築
着工 1873年
完成 1875年
建築物概要
全長 155フィート (47 m)
全幅 104フィート (32 m)
身廊全幅 25フィート (7.6 m)
最頂部 60フィート (18 m)
教会堂
尖塔の高さ 200フィート (61 m)
16口
テナーベル重量 39 long cwt 1 qr 19 lb
(4,415ポンド (2,003 kg))
管轄
教区 セント・マーティン (St. Martin-in-the-Bull-Ring, Birmingham[2])
大司祭区 セントラル・バーミンガム
大執事区 バーミンガム
主教区 バーミンガム主教区英語版
教会管区 カンタベリー管区
聖職者
教区牧師 Jeremy Allcock
副司祭 Elsie Blair-Chappell
補佐人 Abba Tiruneh
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セント・マーティン教会(セント・マーティンきょうかい、: St Martin's Church、St Martin in the Bull Ringブル・リングのセント・マーティン〉)は、イングランドバーミンガムにあるイングランド国教会教区教会 (parish church) である。もともとバーミンガムの教区教会であり、ブル・リングのショッピングセンターとマーケット(市場)の間に位置する。セント・マーティン教区教会 (Parish Church of St Martin) の登録名でイギリス指定建造物2*級 (Grade II*) に指定されている[1]

歴史

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1166年、ピーター・ド・バーミンガム (Peter de Bermingham) により、ブル・リングに初めて市場が開かれた[3]。今日のヴィクトリア朝の教会は、1263年の記録がある13世紀より前[4]、12世紀の教会の痕跡が認められた場所に建てられたものである[5]

1795年頃のセント・マーティン教会(ウィリアム・ハットン英語版著〈1809年〉挿絵[6]

中世英語版の教会は増築されて、中世後期の建物は、身廊内陣、南・北の通路、それに北西の尖塔によって構成されていた[4]

バーミンガムの最初の時計についての記録はないが、1547年に King's Commissioners(国王委員会)は、セント・マーティン教会においてホーリークロス・ギルド英語版 (Guild of the Holy Cross) は年間費用4シリング4ペンスで「時計 (Clocke) とチャイム (Chyme) を維持する」責任があると伝えている。次に時計についての記録は1613年にある。町に知られる最初の時計職人は1667年にロンドンから着いている。

中世のうちに改築された教会は、1690年に大改装が施され[3]教区委員英語版により[7]、外壁と塔が煉瓦で覆われた[4]。18世紀には高窓聖具室 (vestry) が追加された[4][8]

1853年、P・C・ハードウィック英語版によって修復・再建が開始されると[4]、塔を覆った煉瓦が取り除かれて石材に置換された後、1855年11月22日に尖塔の再構築が完了した[9]。1858年には時計とチャイムが更新され、文字盤は直径 9.5フィート (2.9 m) となった[9]

煉瓦で覆われた解体直前の教会(アレン・エドワード・エヴェリット英語版画、1875年)

1872年10月27日の旧教会における最後の説教の後[10]、1873年より教会堂は解体されて、建築家アルフレッド・チャトウィン英語版によって[3]ゴシック(ネオ・ゴシック)建築として再建されるとともに[10][11]、それまでの尖頂を持つ塔は保存された。解体中に、中世の壁画と装飾が発見されている[12]

現教会

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身廊(東方向)

教会堂の大きさは、内陣を含め東西 155フィート (47 m) 余り、教会堂のアーチの高さ 60フィート (18 m) 、身廊の幅 25フィート (7.6 m) 、南・北の通路のある幅 67フィート (20 m) で、袖廊の幅は 104フィート (32 m) となる[10]

教会の外部は硬いグリンズヒル英語版砂岩で構築されている。教会はブル・リングの2003年の再開発にかけて修繕され、これら石造りの長年の汚れが取り除かれた[12][13]。内部には広い木造の天井アーチがある[4]。屋根は重さ 93ロングトン (94.5 t) で、長さ 100フィート (30.5 m) の身廊上のアーチ支間は 22フィート (6.7 m) である[14]。聖歌隊席の天井は、中世の教会の天井に使われていた木材を再利用して構築されている[3][13]。ヴィクトリア朝の床のタイルミントンによるもので、その一画にド・バーミンガム家英語版の紋章(クォーター・アーム、quartered arms)が描かれる[14][15]

ステンドグラス

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現在の東窓は、第二次世界大戦の被爆後に設置されたものである[3][11]。南袖廊には1875年にウィリアム・モリスにより製作されたバーン=ジョーンズの窓がある[3]。この窓は、1941年4月10日に第二次世界大戦の爆弾が教会の西の脇に落ち、残りのすべての窓を破壊する前に[13]、安全に保管するために取り外されていた[14]。西窓は、大空襲(バーミンガム・ブリッツ英語版)で破壊された1875年のヘンリー・ハードマンの窓を模写したものである[3][16]。南通路の西端には、ローレンス・リー英語版によって1889年生まれの聖歌隊員トーマス・バグス (Thomas Baggs) を描いた窓がある[3][17]

オルガン

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北袖廊のオルガン障壁

セント・マーティン教会のホーリークロス・ギルドは、宗教改革より前にオルガニストを置いた[11]。教会にはおそらくイングランド内戦からオルガンがなく、教区委員の会計書によれば、バーミンガム、セント・マーティン教区のこの教区教会にオルガンを設置することが広く望まれたことで、1725年[18]、オルガンが正式に構築された。ケースはトーマス・スウォーブリック英語版によるものであったが、このオルガンは1822年に撤去もしくは置換された。その後、一式はセント・マーティンとソリフルのセント・アルフェージの教区牧師であったチャールズ・カーティス牧師 (Rev Charles Curtis) によってソリハルのセント・アルフェージ教会英語版に移譲された。

1822年に新しいオルガンがトーマス・エリオット英語版により設置された[19]。ケースは1855年にウィリアム・ヒル (William Hill & Sons) によって拡張された[20]。このオルガンは1875年にジョン・バンフィールド (John Banfield & Son) によって作り直され[21]、1883年にバンフィールドにより修繕および拡張された[22]。1906年にこのオルガンはデリテンド英語版セント・ジョン教会英語版に売却された。

現在のパイプオルガンはハリソン・アンド・ハリソン英語版によるもので、1906年にさかのぼる[23]。もとは内陣の北側に3段の手鍵盤があったが、1955年にジョン・コンプトン英語版 (John Compton Organ Company) によって4段の手鍵盤として再構築されるに伴い北袖廊に移された[14][24]。オープニング・リサイタルは、ジョージ・ソールベン=ボール英語版によって1955年3月30日に行われた。

教会鐘

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外部講壇

教会の鐘楼となる尖塔の高さは 200フィート (61 m) である[25][26]。基部に外部講壇が備えられており、塔の西に鳴鐘者 (ringers) の入口がある[27]

今日の教会の鐘英語版は、1989-1991年の新たな16口の鐘からなり、吊るされた一環の鐘 (ring of bells) の重量は 39 long cwt 1 qr 19 lb (4,415ポンド (2,003 kg)) となる[28]

セント・マーティン教会は、鳴鐘のためのチェンジ・リンギング英語版楽器として、鐘が12口より多く設置された最初の教会である[14][29]。16口は異例な数であり、5口、6口、8口、10口ないし多くても12口が一般的である。16口以上の鐘は世界でも3か所にしかなく、後の2つはアイルランドダブリンクライストチャーチ大聖堂)とオーストラリアパーススワン・ベル英語版)にある[29]

歴史は古く、1552年には4口の鐘が時計とチャイムとともにあった。1682年には6口の鐘が設置された[9]。1758年7月には8口であった鐘がホワイトチャペル・ベル・ファウンドリー英語版により鋳造された新たな10口の鐘(重量 3 long cwt〈1,778kg〉)に置き換えられた。これらはその後1772年に12口に増やされた[9]

教会の鐘のチェンジ・リンギングの最初の放送はセント・マーティンからであった[30][31]。これは1924年5月の日曜日の夕方の礼拝前に放送された[14]。鐘は1928年に作り直され、1953年に半音の鐘が追加された。再び鐘が吊るされたフレームは1869年からのもので、トラブルにより1991年に全面改修の取り組みがなされた。

小教区

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セント・マーティン教区は広域におよび、現代のバーミンガムの大部分を包括していた。新たな教会が建てられるにつれて、教区の一部が以下のように割譲されていった[32]

脚注

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  1. ^ a b c d Historic England. "Parish Church of St Martin (Grade II*) (1075690)". National Heritage List for England (英語). 2021年10月23日閲覧
  2. ^ Archbishops' Council. “Church Heritage Record 602006”. Church of England. 2021年10月23日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h Birmingham parish church: information leaflet, Birmingham Parish Church, (2010) 
  4. ^ a b c d e f St Martin in the Bull Ring”. Looking at Buildings (2009年1月26日). 2021年10月23日閲覧。
  5. ^ W B Stephens: “Religious History: Churches built before 1800”. British History Online. A History of the County of Warwick: Volume 7, the City of Birmingham. pp. 361-379 (1964年). 2021年10月23日閲覧。
  6. ^ British Library: British Library digitised image from page 495 of "An history of Birmingham ... With a new introduction by Christopher R. Erington"”. flickr. 2021年10月23日閲覧。
  7. ^ Harmen (1885), p. 233
  8. ^ Harmen (1885), pp. 233-234
  9. ^ a b c d Harmen (1885), p. 234
  10. ^ a b c Harmen (1885), p. 235
  11. ^ a b c Heritage”. St Martin in the Bull Ring. bullring.org. 2021年10月23日閲覧。
  12. ^ a b Darque, William. “Ancient Parish of BIRMINGHAM: St Martin-in-the-Bull Ring”. 2021年10月23日閲覧。
  13. ^ a b c Wright, Michelle. “Discovering St Martins In the Bullring”. Culture24. 2021年10月23日閲覧。
  14. ^ a b c d e f Innes-Smith, Robort (1991). St. Martin's in the Bull Ring. English Life Publications. ISBN 0-85101-282-5 
  15. ^ St. Martin's Church, Birmingham”. GPSmyCity. 2021年10月23日閲覧。
  16. ^ Features: St Martin's Church, the Bullring”. Birmingham. BBC. 2021年10月23日閲覧。
  17. ^ Birmingham - St Martin in the Bull Ring - Stained Glass Windows”. flickr. 2021年10月23日閲覧。
  18. ^ St. Martin's Churchwardens Accounts. Transcribed in the Town Book held at Birmingham Central Library
  19. ^ Boeringer, James (1983), Organa Britannica Vol 3., Associated University Presses, p. 178, ISBN 0-8387-1894-9 
  20. ^ “The organ at St Martin's Church”. Aris's Birmingham Gazette (British Newspaper Archive). (16 April 1855). http://www.britishnewspaperarchive.co.uk/viewer/bl/0000196/18550416/013/0003 17 September 2016閲覧。 
  21. ^ John Banfield - A forgotten craftsman & his links with Sutton Coldfield”. Royal Sutton Coldfield Town Council. 2021年10月23日閲覧。
  22. ^ Musical Standard. 29 September 1883. p94
  23. ^ Warwickshire Birmingham, St. Martin, Edgbaston Street (Bull Ring)〈N07289〉”. The National Pipe Organ Register (NPOR). 2021年10月23日閲覧。
  24. ^ Birmingham: St Martin in the Bull Ring (Birmingham Parish Church)”. Nicholson & Co.. 2021年10月23日閲覧。
  25. ^ St. Martin's-in-the-Bull Ring”. Emporis. 2021年10月23日閲覧。
  26. ^ Young, Graham (2015年11月13日). “Scariest job in Britain? Daredevil cleaners balance precariously as they wash store's 15,000 metal discs”. Mirror. https://www.mirror.co.uk/news/uk-news/scariest-job-britain-daredevil-cleaners-6823623 2021年10月23日閲覧。 
  27. ^ Birmingham, St Martin”. Church Bells of Warwickshire. 2021年10月23日閲覧。
  28. ^ Birmingham, West Midlands, S Martin”. Dove's Guide. Central Council of Church Bell Ringers. 2021年10月23日閲覧。
  29. ^ a b Features: St Martin's Church, the Bullring”. Birmingham. BBC. 2021年10月23日閲覧。
  30. ^ Crowe, Philip (1975). St. Martin's in the Bull Ring: a story of seven centuries 
  31. ^ Bells and Bellringing at St Martin's in the Bull Ring, Birmingham”. 5040.co.uk. 2021年10月23日閲覧。
  32. ^ History and general directory of the borough of Birmingham. Francis White and Co. J. Blurton. 1849
  33. ^ Edward William Cox, ed (1871). Reports of All the Cases Decided by All the Superior Courts Relating to Magistrates, Municipal and Parochial Law.. VI. London. p. 633. https://books.google.it.ao/books?id=C1Q0AAAAIAAJ&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false 2021年10月23日閲覧。 

参考文献

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外部リンク

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