セント・ジャイルズ=ウィズアウト=クリップルゲート
St Giles-without-Cripplegate | |
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現在の写真 (2009年撮影) | |
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北緯51度31分7.38秒 西経0度5分38.55秒 / 北緯51.5187167度 西経0.0940417度座標: 北緯51度31分7.38秒 西経0度5分38.55秒 / 北緯51.5187167度 西経0.0940417度 | |
国 | イギリス |
教派 | イングランド国教会 |
建築物 | |
文化財指定 | Grade I イギリス指定建造物 |
様式 | ゴシック建築 (垂直式) |
管轄 | |
主教区 | ロンドン主教区(英語版) |
セント・ジャイルズ=ウィズアウト=クリップルゲート (英: St Giles-without-Cripplegate) は、シティ・オブ・ロンドンにあるイギリス国教会の教会である。現在バービカン・エステート [注 1] (英語版) と言われる地域にあるフォア・ストリート (英語版) に位置しており[1]、セント・ジャイルズ・チャーチ (St Giles' Church) 、またはセント・ジャイルズ・クリップルゲート (St Giles' Cripplegate) とも呼ばれる[2]。
この教会は建てられたとき、クリップルゲート [注 2] (英語版) 近くに、ロンドン・ウォールなしの状態で、(つまり壁の外側に)立っていた。この教会は、乞食と障がい者の守護聖人、セント・ジャイルズに捧げられている。1666年のロンドン大火で焼失しなかった、シティ・オブ・ロンドンに残された数少ない中世の教会の一つである [3] 。
歴史
[編集]現在この教会がある場所には11世紀までサクソン人の教会が立っていたが、1090年頃ノルマン人により建て替えられた。1394年にはゴシック建築により再建され [4] 、石塔は1682年に建てられた。
この教会は3回にわたって大火により大きなダメージを受けている。1545年と1897年 [5] 、それと1940年8月24日夜、第二次世界大戦のロンドン大空襲である。ドイツ軍の爆弾は教会を完全に破壊したが、1545年の再建の際の平面図を使って1966年に修復された [2] 。
12個の鐘からなる新しい「ベルのリング」(Ring of bells) [注 3] (英語版) はミアーズ・アンド・ステインバンク社により1954年に鋳造され、2006年ホワイトチャペル・ベル・ファウンドリー社 (Whitechapel Bell Foundry) [注 4] (英語版) により補強された。
この教会は1950年1月4日に、指定建造物 1級 (Grade I) に指定された[6]。
教会に関連した著名な人たち
[編集]- ジョン・フィールド (英語版) - 1570年頃の副牧師 (curate) 。
- ジョン・フォクシー (英語版) - "Book of Martyrs" (英語版) で有名な作家。1587年に埋葬された。
- ロバート・クロウリー (英語版) - プロテスタントの教区牧師 (rector) 。1588年に埋葬された。
- トーマス・デロニー (英語版) - イギリスの作家。1586年に息子が洗礼を受けた。
- ロジャー・タウンゼント (英語版) - 1590年に埋葬された。
- ランセロット・アンドリュース (英語版) - ロバート・クロウリーの後の教区牧師。
- マーティン・フロビッシャー - アルマダの海戦でスペイン艦隊を撃退した私掠船船長。1594年に埋葬された。
- ナザニエル・イートン (英語版) - ハーバード大学初代校長。1610年に洗礼を受けた。
- オリバー・クロムウェル - イングランド共和国時代の軍人・護国卿。1620年に結婚式を挙げた。
- ニコラス・トーレイ (英語版) - イギリス・ルネサンス演劇の俳優。1623年6月23日に埋葬された。
- ジョン・スピード (英語版) - "Theatre of the Empire of Great Britain" の作者。1629年に埋葬された。
- ジョン・ミルトン - 「失楽園」の作者、1674年に埋葬された。
- ジョン・バニヤン - 「天路歴程」の作者。
- ダニエル・デフォー - 「ロビンソン・クルーソー」の作者。1731年に教区内で亡くなった。
- リック・ウェイクマン - キーボード奏者。この教会でレコーディングを行った[7]。(アルバム「ヘンリー八世の六人の妻」収録「ジェーン・シームーア」 ・アルバム「危機」収録「危機」)
- ジャック・ニッチェ - アメリカの作曲家。1972年にロンドン交響楽団とアルバム「セント・ジャイルズ・クリップルゲート」(Reprise Records) を制作した。
レイアウト
[編集]- ジョン・ミルトンがここに1674年に埋葬された。
- セント・ルーク教会 (St Luke's) (英語版) の1960年代の地盤沈下により移設されてきた祭壇。
- ニコルソン・スタジオ (Nicholson Studios) の設計により、中世の原型に基づいて設計された東の窓。
- 中世教会建築様式によるセディリア (Sedilia) [注 5] (英語版) と、ピシーナ (Piscina) [注 6] (英語版)。
- クリップルゲートの歴史的秘蔵品を収容した展示棚。
- ジョン・フォクシーがここに埋葬されている。
- マーティン・フロビッシャーを記念した銘板。
- ジョン・スピードの胸像。
- ジョン・ミルトンの像[8] 。
- セント・ルーク教会から移設されたオルガン [9] 。
- ダニエル・デフォーの胸像。
- オリバー・クロムウェルとジョン・バニヤンの胸像。
- セント・ルーク教会の最初の教区牧師 (rector) で、この教会の代理牧師 (vicar) だったウィリアム・ニコルス博士 (Dr. William Nicholls) (英語版) の肖像画。
- カンタベリー大主教、ロンドン主教 (英語版) 、ジョン・ミルトン、オリバー・クロムウェル、マーティン・フロビッシャーの紋章が展示された西側窓。
- セント・ルーク教会から移設された洗礼盤 (font) [注 7] 。
- クリップルゲート財団 (The Cripplegate Foundation) 創設100周年を記念するクリップルゲート・ウィンドウ (The Cripplegate Window) 。
- ロンドン市長ウィリアム・ステインズ (William Staines) (英語版) の胸像。
注釈
[編集]- ^ バービカン・エステートは第二次世界大戦のロンドン大空襲により荒廃した跡地が、1960年代から70年代にかけて居住用として開発された地域で、現在は金融機関が密集している。
- ^ クリップルゲートとはロンドン・ウォールの門の一つで、その周辺の地域名となっている。
- ^ 「ベルのリング」とは、完全な円状に鐘を配置したイギリス方式による装置で、それぞれの鐘を打つスピードを制御するために17世紀に考案された。
- ^ ホワイトチャペル・ベル・ファウンドリーは、ロンドンにあるイギリスで最も古い製造会社。創業は1570年で、アメリカの自由の鐘やイギリスのビッグ・ベンを作ったことで有名である。
- ^ セディリアとは、教会で使われる司祭が座るための、通常は石製の椅子。
- ^ ピシーナとは、教会の祭儀で用いた水を流すための聖水盤。
- ^ 洗礼盤とは、11世紀頃より用いられるようになった、石・大理石・金属 (ブロンズ・真鍮・鉛)・木等で作られた洗礼用聖水の容器[10] 。
脚注
[編集]- ^ Betjeman,J (英語版) (1967) "The City of London Churches" ISBN 0-85372-112-2
- ^ a b St Giles' Church公式ウェブサイト History 2017年2月16日閲覧
- ^ Hibbert,C;Weinreb,D;Keay,J , 1983 (rev 1993,2008) "The London Encyclopaedia": London, Pan Macmillan ISBN 978-1-4050-4924-5
- ^ Batsford (1942) "The Old Churches of London" Cobb,G: London
- ^ Tucker,T (2006) "The Visitors Guide to the City of London Churches" London, Friends of the City Churches ISBN 0-9553945-0-3
- ^ ヒストリック・イングランド "Images of England" (database No.199476) 2017年2月16日閲覧
- ^ Mettler, Mike. “Total 5.1 Mass Retain: Steven Wilson on Mixing Yes’ Close to the Edge in Surround Sound”. The Sound Board. 16 February 2017閲覧。
- ^ Pevsner,N/Bradley,S New Haven (1998 ) "London:the City Churches” Yale . ISBN 0-300-09655-0
- ^ Pearce,C.W.(1909) "Notes on Old City Churches: their organs, organists and musical associations" London, Winthrop Rogers Ltd
- ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
外部リンク
[編集]- St Giles's Church 公式ウェブサイト 2017年2月16日閲覧
- Church Bells of the City of London 2017年2月16日閲覧