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セレナイト (鉱物)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
セレナイト
分類 硫酸塩鉱物
化学式 CaSO4·2H2O
結晶系 単斜晶系 (2/m) 空間群: A2/a
モル質量 172.17
へき開 [010] 完全, [100] 明瞭, [011] 明瞭
モース硬度 2
光沢 真珠光沢
条痕
比重 2.9
光学性 Biaxial (-) 2V=58
屈折率 nα=1.519-1.521, nβ=1.522-1.523, nγ=1.529-1.53
複屈折 δ =0.0090-0.0100
その他の特性 放射能や磁性はなし、蛍光
文献 [1]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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セレナイト(英語:selenite、透明石膏)は、石膏の一種で、硫酸カルシウム(CaSO4)を主成分とする2水和物(CaSO4・2H2O)である。晶癖によって、繊維状のサテン・スパー(英語:satin spar、繻子石膏)、デザートローズ(砂漠のバラ)などのバリエーションが生まれる。ローマ時代には、ラピス・スペキュラリスラテン語:Lapis specularis、窓の石)と呼ばれ、窓ガラスとして利用された[2]

名前

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ギリシア神話の月の女神であるセレーネーに由来する。15世紀からは透明な石膏をまとめてセレナイトと呼ぶようになった[3]

ドイツ語では 聖母マリア絵画や像の保護ガラスとして使われてきたことから、Marienglas や Frauenglas 等 と呼ばれる。

透明石膏には、元素のセレンは含まれていないが、亜セレン酸ナトリウム(英語:sodium selenite)のように、亜セレン酸に selenite の語が使用されるため混同しないとように注意が必要である。

特徴

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モース硬度が2しかないので爪で削れる。そのため、などの工具で簡単に加工できる。曲げることもできるが、それほど曲がらず、過度に曲げようとすると割れる。

色は基本透明だが、不純物によって着色される。

現代の断熱材には劣るが、ガラスより断熱性が高い。

水によって容易にくっつく、熱希塩酸に溶解する[4]

用途

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  • ガラスの代わり。古代からガラスは知られていたが、製造や加工が難しく透明度も低かったことから、ガラスは窓ガラスのようには使われなかった。
  • 像や絵画の保護パッケージ

ギャラリー

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出典

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  1. ^ Gypsum Mineral Data”. Weinrich Minerals, Inc.. 20 October 2013閲覧。
  2. ^ Bernardez Gomez M.J. , Guisado di Monti J.C. La ingenieria minera romana del lapis specularis en Hispania, Quinto Congreso de las obras publicas Romanas – Cordoba 2010
  3. ^ Etymology of selenite from the New Collegiate Dictionary.
  4. ^ Sinkankas, John (1964). Mineralogy for amateurs.. Princeton, N.J.: Van Nostrand. p. 398. ISBN 0442276249 

関連項目

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  • クリスタルの洞窟 - セレナイトの結晶が洞窟に大量にあったことから、Cueva de los Cristales と呼ばれることとなった。
著名産地

外部リンク

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