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海泡石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
セピオライトから転送)
海泡石
メシャムパイプ

海泡石(かいほうせき、セピオライト (Sepiolite)、ミーアシャム 又は メシャム、meerschaum)はモース硬度2–2.5、マグネシウムを含む 含水ケイ酸鉱物。 おもに、たばこを吸うためのパイプの素材として利用されている。

概要

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海泡石はトルコ産のセピオライトである[1][2]多孔質で軽いので喫煙具などに使用される。軟らかくて軽く、白色から灰色の不透明な塊で産出される。ミーアシャムの名称はドイツ語の「」に由来する。アフリカ大陸アメリカ大陸でも産出するが、トルコエスキシェヒル地方から良質の海泡石が採掘される[3]

メシャムパイプは、艶出しも兼ねた保護用として、コルクで火口とステムをふさいで、蜜蝋ミツバチの蝋)が溶けた鍋の中に放り込んで煮ることにより、蜜蝋が外側だけに塗られているので、海泡石の微細な多孔が蜜蝋で塞がれ、メシャムパイプの手で直接触れる部分は吸着性能が落とされている[4]

海泡石は吸着性に優れ、比表面積が200–300 m2/gほどではあるものの、アンモニア臭などは、1000 m2/g を越える活性炭よりも良く吸着し、またアルデヒド基をもつホルムアルデヒドのような化学物質の吸着も良好で、油性と水性の液体をどちらも吸収できる[5]

なお、国立極地研究所の船木実によれば、セピオライトはマウンテンレザー、マウンテンコルク、マウンテンペーパーとも呼ばれるという[6]

脚注

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  1. ^ 大塚良平, 下田 右, ほか 1992, p. 155.
  2. ^ 河田清雄 1975, p. 30.
  3. ^ 河田清雄 1975, pp. 30–32.
  4. ^ パイプの部屋(その3) : メシャムパイプの取り扱い|株式会社セピオジャパン, http://www.sepiojapan.com:80/paipunoheya03.html 
  5. ^ パイプの部屋(その2) : イスラムの水パイプと海泡石のパイプは、同じ味?|株式会社セピオジャパン, http://www.sepiojapan.com:80/paipunoheya02.html 
  6. ^ 船木実(国立極地研究所)「滝観洞」『JAPAN CAVING 岩手県住田町洞穴特集号 : 第22回日本ケイビング大会』、日本ケイビング協会、1981年8月、40-41頁。「マウンテンレザーとは,字義のように山に産する皮のような物質の総称である。時には皮よりもコルクや紙に似ているものがあるのでマウンテンコルクとかマウンテンペーパーと呼ばれることもある。学名はセピオライトと呼ばれる。」 

参考文献

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  • 大塚良平「セピオライトの最近の諸問題」『粘土科学』第24巻第4号、日本粘土学会、1984年、137-145頁、doi:10.11362/jcssjnendokagaku1961.24.137ISSN 2186-3563 
  • 大塚良平、下田 右、下坂康哉、et al.「セピオライトの産状と鉱物学的性質」『粘土科学』第32巻第3号、日本粘土学会、1992年、154-172頁、doi:10.11362/jcssjnendokagaku1961.32.154ISSN 2186-3563 
  • 門坂忠雄、達家清明「(資料) 海泡石とその他のセピオライト系鉱物の鑑別」(pdf)『関税中央分析所報』第23巻、関税中央分析所、1983年1月、109-114頁、ISSN 0286-1933  ※pdf配布元は関税中央分析所「関税中央分析所報情報:無機」ページ。
  • 下坂康哉、和田猛郎「新素材セピオライト : 近くて遠い粘土」『地質ニュース』第385巻(1986年9月号)、地質調査所 (発行 実業広報社)、1986年9月、109-114頁。 
  • 河田清雄「海泡石の産地エスキシエヒールを訪ねて : アナトリアの旅 その1」『地質ニュース』第252巻(1975年8月号)、地質調査所 (発行 実業広報社)、1975年8月、30-35頁。 

関連項目

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外部リンク

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