コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

セスナ サイテーション I

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

サイテーション I / I/SP

セスナ 500 サイテーション I は、カンザス州ウィチタセスナ・エアクラフト・カンパニーが生産する小型のビジネスジェットであり、ターボファンを動力とする最初のモデルである。サイテーション I は、セスナ サイテーションシリーズの基盤となった。サイテーション I/SPは、パイロットを一人にした派生機である。

設計と開発

[編集]

ファンジェット 500

[編集]

1968年10月、セスナは、ライバルとは異なり、既存のビジネスジェット市場ではなく、より小規模な飛行場での運用に向く、小型から中型の双発ターボプロップ機市場で競争することを目的に、8座席のビジネスジェットを生産する計画を発表した。プロトタイプ機の初飛行は1年も経たない1969年9月15日に行われ、その後ファンジェット 500と名付けられた。[2]

500 サイテーション

[編集]
セスナ 500 サイテーション
オランダ外務大臣が搭乗 (1975年)
エプロンでの姿

予定よりも長くかかった飛行試験計画の最中、サイテーション 500という名前が試行的に付けられ、いくつかの設計変更が行われた。その後、完成した航空機はサイテーション (モデル 500) という名前でお披露目され、1971年9月にFAA (連邦航空局) の型式証明を受けた。この機は、T-37 ツイートという双発のジェット練習機での経験を踏まえて、2基のプラット・アンド・ホイットニーJT15D-1ターボファンエンジンを動力にしている[3]

ターボジェットの代わりにターボファンを、後退翼の代わりに直線翼を用いたことで、他のビジネスジェットに比べてスピードは遅くなった。そのため、リアジェットの営業マンは、後方からのバードストライクに弱い「Nearjet」と馬鹿にした。セスナはサラブレッドにちなんでサイテーションと改名したが、「Slowtation」とのあだ名が付けられた[3]

500 サイテーション I

[編集]

1976年、市場の圧力を受けて複数の改良が加えられた。その改良には、翼を13.4mから14.4mへ伸ばしたこと[4]や、最大総重量の増加、より短い滑走路に降りられる逆推力装置などがある。これらの改良と共に、サイテーション I という名前が付けられた[2]。モデル 500の生産が1985年に終了するまでに、377機が生産された[5]

501 サイテーション I/SP

[編集]

サイテーション I は、リアジェットと同様に2人の乗員を必要としていた。しかしサイテーションは、パイロット1人で飛行できる双発ターボプロップ機と市場で競合するため、パイロットが2人必要という規制に市場拡大を邪魔されていた。

セスナの解決策は、モデル 501 サイテーション I/SPであった。この機はパイロット1人で操縦できる認証を受けており、SPはSingle-Pilotの頭文字である。最初の機体は1977年前半に引き渡され、1985年に生産が終了するまでに312機が生産された[2][6]

運用者

[編集]

民間運用者

[編集]
 ノルウェー
  • フライダイレクト (FlyDirect)

[編集]
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
中華人民共和国の旗 中華人民共和国
エクアドルの旗 エクアドル
メキシコの旗 メキシコ
ベネズエラの旗 ベネズエラ

事故

[編集]

スペック (サイテーション I)

[編集]

出典: Jane's Civil and Military Aircraft Upgrades 1994-95 [9]

諸元

性能

  • 最大速度: マッハ 0.705 (高度 8,530 m 以上で)
  • 巡航速度: 662 km/h (357 ノット) (高度 10,670 m で)
  • 失速速度: 152 km/h (82 ノット)
  • 航続距離: 2,459 km (1,328 海里) (残燃料45分、最大燃料搭載、 積載 709 kg)
  • 実用上昇限度: 12,495 m (41,000 ft)
  • 上昇率: 13.8 m/s (2,719 ft/min)


お知らせ。 使用されている単位の解説はウィキプロジェクト 航空/物理単位をご覧ください。

関連項目

[編集]

関連する開発

出典

[編集]
  1. ^ 500-Series Technical Review”. Textron Aviation (April 28, 2015). March 4, 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月27日閲覧。
  2. ^ a b c Cessna 500 & 501 Citation, Citation I & Citation I/SP”. Airliners.net. 2017年8月27日閲覧。
  3. ^ a b William Garvey (Feb 10, 2017). “Can A Cessna Succeed The G450?”. Aviation Week & Space Technology. http://aviationweek.com/business-aviation/can-cessna-succeed-g450 
  4. ^ Taylor, J.W.R. (editor) Jane's All the World's Aircraft 1976-77. London: Macdonald and Jane's, 1976. ISBN 0-354-00538-3, p.275.
  5. ^ Citation I info from Aviation Safety Network
  6. ^ Citation I/SP info from Aviation Safety Network
  7. ^ Flores, Santiago A. "From Cavalry to Close Air Support". Air International. May 2001, Vol. 60, No. 5, ISSN 0306-5634, p. 301.
  8. ^ NTSB Thurman Munson accident brief
  9. ^ Michell, Simon. Jane's Civil and Military Upgrades 1994-95. Coulsdon, Surrey UK:Jane's Information Group, 1994. ISBN 0-7106-1208-7. p.300-301.
  10. ^ "Cessna Citation I Cabin", JetAdvisors. (2017年8月27日閲覧).