コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

セアト・イビサ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
セアト・イビーザから転送)
セアト・イビサ
概要
製造国 スペインの旗 スペイン
販売期間 1984年-
ボディ
ボディタイプ 3ドアハッチバック
駆動方式 前輪駆動
系譜
先代 セアト・127
テンプレートを表示

イビサ (IBIZA)は、セアトが製造販売している自動車である。

初代 021A型 (1984-1993年)

[編集]
イビサ
021A型
概要
製造国 スペインの旗 スペイン
販売期間 1984-1993年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン ガソリン:0.9/1.2/1.4/1.6L I4
ディーゼル:1.7L I4
車両寸法
ホイールベース 2,445mm
全長 3,685mm
全幅 1,610mm
全高 1,395mm
その他
姉妹車 フィアット・リトモ
テンプレートを表示

フィアット・リトモの姉妹車セアト・ロンダの足周り(サスペンション)およびエンジンブロック等の部品を流用し、1.2リットルおよび1.5リットルのエンジンを搭載、外装デザインはジウジアーロ、パワートレインはポルシェ、車体構造はカルマンがそれぞれ担当し1984年に初代モデルが発表された。ターボ装着も計画されていたが採用されなかった。発売当初の製造品質の評価は高くなく、エンジンやステアリングは鈍重とされ、スイッチ類の使い勝手の悪さも指摘された。大ヒットしたVWゴルフの2代目に非常によく似たデザインが採用され、丸目のゴルフを角目にしたような非常にすっきりとまとまったデザインだった。『Powered by Porsche』と記載された横長ステッカーがリアウィンドウ上部に標準状態で貼られている。この初代は5年後の1989年、さらに2年後の1991年と2度のマイナーチェンジが行われた。

日本への輸入は、1989年以前のモデルでエンジンは1.2と1.5リットル、グレードは1.2ジュニアと1.5GLX、色は赤と黒だった。並行輸入車の業界団体、外国自動車輸入協同組合(Faia)が合計数百台輸入し組合加盟業者により販売された。販売台数は公表されていない。

2代目 6K型 (1993–2002年)

[編集]
イビサ
6K型
概要
製造国 スペインの旗 スペイン
ブラジルの旗 ブラジル
販売期間 1993–2002年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン ガソリン:1.0/1.3/1.4/1.6/1.8/2.0L I4
ディーゼル:1.9L I4
車両寸法
ホイールベース 2,445mm
全長 3,855mm
全幅 1,640mm
全高 1,420mm
その他
姉妹車 フォルクスワーゲン・ポロ
テンプレートを表示

1993年5月のバルセロナ国際自動車ショーで発表された。初代から継承されたのは車名のみで、車両そのものはこの年にセアト資本のほぼ100%を所得したフォルクスワーゲンの技術で開発され、格段のレベルアップを遂げたと評価された。精悍なハイデッキプロポーションの外観は引き続きジウジアーロが担当している。

エンジンはVWの1.05から2リットルが、サスペンションはゴルフから前輪用ストラットと後輪用トーションビームが流用された。ドイツの技術とラテンのセンスを併せ持ったモデルと評され、ヨーロッパ全土で成功を収め、1996年にはTDIディーゼル仕様(110馬力仕様もあった)や2リットルDOHC16バルブ、150馬力エンジン搭載の"CUPRA(クプラ:CUP RAcingから)SPORTS"などのバリエーションも登場した。

1999年夏に大掛かりなマイナーチェンジが実行された。3分割グリルによりさらに精悍さを増したフロント部、全く新しいダッシュボードデザインなどのデザイン変更という見た目の部分の変更の陰で、ボディの安全対策強化と部品リサイクル性の向上なども含め、多岐に亘って改良が施されていた。エンジンでは1.0リットルから1.8リットルDOHC20バルブターボまでが準備されより多彩になった。1.4と1.6リットルには16バルブエンジンが採用されている。

商用およびLAVのバリエーションとしてホイールベースを2,601mmに延長したセアト・インカ英語版が1995年から2003年まで生産された。

インカ

3代目 6L型 (2001-2008年)

[編集]
イビサ
6L型
概要
製造国 スペインの旗 スペイン
スロバキアの旗 スロバキア
販売期間 2001-2008年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン ガソリン:1.2/1.4/1.6/1.8/2.0L I4
ディーゼル:1.4L I3
1.9L I4
車両寸法
ホイールベース 2,460mm
全長 3,955mm
全幅 1,700mm
全高 1,440mm
その他
姉妹車 フォルクスワーゲン・ポロ
テンプレートを表示

2001年末、イビサは先代モデルからの基本構造とエンジンバリエーションを継承したフルモデルチェンジをおこなった。最初に目につくのはスタイリングで、アルファロメオのチーフデザイナーだったワルテル・デ・シルヴァが参加した肉感的なデザインとなった。室内や装備等も安全装備の充実等、時代に合わせて刷新されたものになっている。サスペンションはセアトがASR(Active Steeering Response)と名付けた堅いショックアブソーバーと柔らかいバネを特徴としたコンセプトが採用されている。

2003年、イビサ最強モデルであるクプラが1.8リットルターボ180馬力と1.9リットルTDIディーゼル160馬力仕様としてモデルチェンジされ、外観もより高性能版としてのアピール性を高めている。従来からの1.8リットルターボ(150馬力となった)仕様は、クプラに次ぐ高性能仕様車「FR("Formula Racing"の意)」となった。後にターボディーゼルエンジンTDI車も改良され、1.9リットル130馬力TDIエンジン仕様として「FR」に追加されている。

4代目 6J/6P型 (2008-2017年)

[編集]
イビサ
6J/6P型
概要
製造国 スペインの旗 スペイン
アルジェリアの旗 アルジェリア
販売期間 2008-2017年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
5ドアワゴン
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン ガソリン:1.2/1.4/1.6/1.8/2.0L I4
ディーゼル:1.2/1.4L I3
1.6/1.9/2.0L I4
変速機 5/6MT
7AT
車両寸法
ホイールベース 2,470mm
全長 4,030-4,070mm (3ドアハッチバック)
4,050mm (5ドアハッチバック)
4,225mm (ワゴン)
全幅 1,695mm
全高 1,420mm (3ドアハッチバック)
1,445mm (5ドアハッチバック/ワゴン)
その他
姉妹車 フォルクスワーゲン・ポロ
テンプレートを表示

2008年に登場した4代目モデルはフォルクスワーゲン・ポロシュコダ・ファビアアウディ・A1とプラットフォームを共有する。スタイリングはルク・ドンカーヴォルケによって手がけられた。エンジンは1198ccが70CV、1390ccが85CV、1598ccが85CV、1422ccが90CV、1896ccが105CVとなる。スポーツモデルのクプラは1.4リットルのTSIに7速DSGを組み合わせている。

2010年2月、ワゴンモデルを追加した[1]

2012年にマイナーチェンジを実施し外装やグレード体系を変更、ガソリンエンジンは1197ccのTSI、1198ccの自然吸気仕様、1390ccのTSIとなり、GPL仕様では1598ccとなる。ディーゼルエンジンは1199cc、1598cc、1986cc(いずれもTDI)となった。

5代目 6F/KJ1型 (2017年-)

[編集]
イビサ
6F/KJ1型
概要
製造国 スペインの旗 スペイン
アルジェリアの旗 アルジェリア
販売期間 2017年-
ボディ
乗車定員 5名[2]
ボディタイプ 5ドアハッチバック
エンジン位置 フロント
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン ガソリン:1.0L I3
1.5L I4
ディーゼル:1.6L I4
最高出力 1.0 MPi
55 kW (75 PS) / 6,200 rpm[2]
1.0 TSI
85 kW (116 PS) / 5,000 - 5,500 rpm[2]
最大トルク 1.0 MPi
95 N・m / 3,000 - 4,300 rpm[2]
1.0 TSI
200 N・m / 2,000 - 3,500 rpm[2]
変速機 5/6MT
7AT
車両寸法
ホイールベース 2,565 mm
全長 4,060 mm
全幅 1,780 mm
全高 1,445 mm
車両重量 1,091 - 1,140 kg[2]
その他
姉妹車 フォルクスワーゲン・ポロ
テンプレートを表示

2017年3月にジュネーブモーターショーにて初公開された5代目モデルはフォルクスワーゲン・ポロシュコダ・ファビアアウディ・A1より先にMQB A0プラットフォームを採用した最初の車両となる。スタイリングは姉妹車のレオンと共通で、ガソリンエンジンは999ccの1.0MPI、TSI、 TGI、1498ccの1.5TSI、ディーゼルエンジンは1598ccの1.6TDIとなっており、1.0Lエンジンは全て直列3気筒エンジンとなっている。

ヨーロッパでは、「イビサ・カップ」と呼ばれるワンメイクレースが開催されている。

2021年4月15日にフェイスリフトを実施した。

車名

[編集]

「IBIZA (イビザ)」は、スペイン王国にあるバレアレス諸島の一つである「Ibiza (イビサ島)」に由来する。

脚注

[編集]
  1. ^ “セアト イビーサ にワゴンボディ登場”. レスポンス. (2010年2月4日). https://response.jp/article/2010/02/04/135875.html 
  2. ^ a b c d e f 森本太郎 編『世界の自動車オールアルバム 2020年』三栄書房、8 Aug 2020、175頁。ISBN 978-4-7796-4170-1 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]