ズバ蛮
『ズバ蛮』(ズバばん)は永井豪の漫画作品、及び同作の主人公の名前。1971年、「週刊少年サンデー」(小学館)に連載され、翌1972年、朝日ソノラマのサン・コミックスで単行本化。以降も2度復刊した(後述)。
あらすじ
[編集]日本の戦国時代に突如として出現した、桁外れの怪力と運動能力を持つ少年ズバ蛮。彼はアフリカ人のゴロンゴとライオンのシンゴや明人の関張飛、インド人のヒモジーなど、様々な理由で日本に渡来してきた者達と次々に出会う。さらにはフランスで処刑された後、なぜか日本で転生したジャンヌ・ダルクが仲間に加わり、日本を支配・統一する事を決意する。
そして百鬼一族や、その頭目である織田信長など、数々の敵と戦ってこれを討ち、遂には信長に代わって桶狭間の戦いに向かった。だが、その行く手には、意外な真相が待っていた。
ジャンヌの正体は未来世界のアトス星の巨人族ミレアであり、仲間と「歴史改変は可能か?」という賭けを行っていたのだ。先にフランスへ時間旅行した際、ミレアは、中世人である本物のジャンヌ・ダルクを事故死させてしまいジャンヌ・ダルクに成りすまし、歴史書の通りに行動する。そして、身代わりのロボットが火あぶりになったのを見届けた後、未来に帰還したのだった。
この体験談を元の時代で語ったジャンヌは、仲間のレオンから一つの疑問を突きつけられる。それは、「未来人ジャンヌがジャンヌ・ダルクとして行動する事が、本来の歴史だったのではないか?」と。
このことで論争となり、ミレアは「歴史改変は可能」と断言、仲間と賭けをする。それが、戦国時代での実験だった。
彼女は重力の強いユリウス星で後にズバ蛮と呼ばれる赤ん坊をさらい、戦国時代に置き去りにしたのである。ゴロンゴと関張飛は、そのボディガードとして用意されたロボットだった。タイムパトロールのヒモジーは、ジャンヌを逮捕しようと内偵しており、ついに逮捕に踏み切ったのだった。だが、ズバ蛮は自らの意思でタイムパトロールを排除、歴史を自分たちで切り開こうとする。
そして、20世紀。学校の授業では、「ズバ蛮が戦国時代に終止符を打ち、太平の世を築いた」と教えていた。
単行本
[編集]- 初期単行本
- 1972年、朝日ソノラマサン・コミックス全3巻。
- 復刊
- 1985年、朝日ソノラマサンワイドコミックス全2巻。
- 1999年、メディアファクトリー「永井豪華版セレクション」全2巻。
『バイオレンスジャック』での扱い
[編集]『バイオレンスジャック』は、永井豪の漫画作品。「少年マガジン」(講談社)で連載開始、以後、掲載誌の変更と中断を繰り返し、完結した。途中から永井作品及びキャラクターが数多く登場していくのが特徴のひとつとなっている。
ズバ蛮は主人公のライバルで最強の敵スラムキングの息子として登場、親の寝首をかくことを画策するなど重要な役割を担っていた。ジャンヌはスラムキングの娘として登場、関張飛などはズバ蛮配下の「九龍隊」のメンバーとして登場した者もおり、一部名前や設定が変わっている者もいる。