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スーン・オーヴァー・ババルーマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『スーン・オーヴァー・ババルーマ』
カンスタジオ・アルバム
リリース
録音 1974年 インナー・スペース・スタジオ
ジャンル クラウトロックサイケデリック・ロックプログレッシブ・ロック実験音楽
時間
レーベル ユナイテッド・アーティスツ・レコード
スプーン・レコード英語版(リイシュー)
プロデュース カン
専門評論家によるレビュー
カン アルバム 年表
フューチャー・デイズ
(1973年)
スーン・オーヴァー・ババルーマ
(1974年)
ランデッド
(1975年)
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スーン・オーヴァー・ババルーマ』(Soon Over Babaluma)は、ドイツロックバンドカン1974年に発表したスタジオ・アルバム。専任ボーカリスト不在の4人編成となってからは、初のアルバムに当たる。

背景

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ダモ鈴木の脱退後、バンドは後任のボーカリストを探すが適切な人材が見つからず[1]、最終的にはミヒャエル・カローリイルミン・シュミットがボーカル・パートを分け合った[2]。本作は、カンがマルチトラック・レコーダーを使わずに直接ステレオ録音を行った最後のアルバムである[1]

「Dizzy Dizzy」はレゲエ、「Come Sta, La Luna」はタンゴ、「Splash」はラテンジャズの要素が取り入れられた曲で、「Chain Reaction」ではアフリカやキューバの音楽に影響を受けたパーカッションがフィーチャーされた[3]。また、ホルガー・シューカイは「Quantum Physics」に関して「ヤキ・リーベツァイトの驚異的なマシン・ドラムと、イルミン・シュミットが使用したアルファ77という初期のシンセサイザーのおかげで生まれた、テクノの要素も持つアンビエント・ミュージックとしては最初期の曲の一つ」と説明している[1]。なお、「Dizzy Dizzy」の作詞者としてクレジットされているダンカン・ファロウェル英語版は、イギリス人としては最初にカンを取材したジャーナリストである[4]

評価

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Ned Raggettはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「音楽的に『ババルーマ』は少々激しさに欠けるが、メンバーが個々の音楽的ポケットの中に住み、即座に反応し合えるというバンドの感覚は不変である」と評している[2]。また、Adrien BegrandはPopMattersにおいて「多くの批評家の注目は『タゴ・マゴ』、『エーゲ・バミヤージ』、『フューチャー・デイズ』という偉大な三部作に集中しているが、『スーン・オーヴァー・ババルーマ』も見過ごされるべきではない。リード・ボーカルに挑戦したカローリは、マルコム・ムーニーやダモ鈴木ほどのカリスマ性はないが、バンドはことごとく異なるサウンドのスタイルを見事に結合させ、カンの音楽としては最も大胆で、更に言えば最もタイトになった」と評している[3]

1992年にイギリスの音楽雑誌『The Wire』が選出した「最も重要なレコード100」では、本作も挙げられている[5]

収録曲

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特記なき楽曲はメンバー4人の共作。

Side 1

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  1. Dizzy Dizzy (Lyrics by Duncan Fallowell / Music by Can) - 5:40
  2. Come Sta, La Luna - 5:42
  3. Splash - 7:45

Side 2

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  1. Chain Reaction - 11:09
  2. Quantum Physics - 8:31

参加ミュージシャン

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脚注

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  1. ^ a b c Czukay, Holger (1997年5月). “A SHORT HISTORY OF THE CAN – DISCOGRAPHY”. Perfect Sound Forever. 2015年6月13日閲覧。
  2. ^ a b Soon Over Babaluma - Can | AllMusic - Review by Ned Raggett
  3. ^ a b Begrand, Adrien (2005年8月5日). “For the Sake of Future Days: Can's Second Golden Era”. PopMatters. 2015年6月13日閲覧。
  4. ^ Arcati, Madame (2011年11月15日). “Can's Tago Mago Is 40 This Week: Duncan Fallowell Enlarges”. Anorak.co.uk. 2015年6月13日閲覧。
  5. ^ Rocklist.net... The Wire Lists... - 2015年6月13日閲覧