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スレーター積分(英: Slater integral)とは数学または数理物理学において用いられる、三つの球面調和関数積の積分である。三次元の回転変換した単位球面上の関数の正規直交基底関数を用いるときに現れる積分である。このような積分は球対称性をもつ原子の物性計算を行うときによく用いられる。数学的ないくつかの性質により、これらの積分は下記のように定義される。
原子構造の量子論とこの積分の関係についてジョン・クラーク・スレイターは3つの球面調和関数の積の積分を係数cとして定義した。[1]この係数はウィグナーの3jm記号
この積分はクーロン演算子と交換演算子が必要となる、原子のハートリー-フォック方程式の計算に必要である。
二つの球面調和関数の積はこの積分によって書くことができる。
この積分は次のような[恒等式]をもつ
配位子場理論において、次の値をスレーター積分 (またはスレーター-コンドンのパラメータ) という。[2]
ここでは波動関数の動径部分である。
また次のもスレーター積分という。コンドン-ショートレーパラメータとも呼ばれる。
ラカー(Racah)は原子スペクトルの理論で次のラカーパラメーターA、B、Cを導入した。
- ^ John C. Slater, Quantum Theory of Atomic Structure, McGraw-Hill (New York, 1960), Volume I
- ^ 上村洸、菅野暁、田辺行人『配位子場理論とその応用』裳華房、1969年。ISBN 978-4-7853-2404-9。