スリー・サイズ・トゥ・エヴリ・ストーリー
『スリー・サイズ・トゥ・エヴリ・ストーリー』 | ||||
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エクストリーム の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
フォートローダーデール ニュー・リヴァー・スタジオ[1] アディショナル・レコーディング: ロンドン アビー・ロード・スタジオ[1] | |||
ジャンル | ヘヴィメタル、グラム・メタル、ファンク・メタル | |||
時間 | ||||
レーベル | A&Mレコード | |||
プロデュース | ヌーノ・ベッテンコート、ボブ・セント・ジョン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ゴールドディスク | ||||
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エクストリーム アルバム 年表 | ||||
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『スリー・サイズ・トゥ・エヴリ・ストーリー』(III Sides to Every Story)は、アメリカ合衆国のヘヴィメタル・バンド、エクストリームが1992年に発表した3作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]アルバム全体が三部構成となっており、「Yours」は政治的なロック・ナンバーが主体、「Mine」はポップ色の強い音楽性で、「& Truth」はプログレッシブ・ロック色が取り入れられた[2]。ただし、ゲイリー・シェローンは、「Yours」収録曲のうち「キューピッズ・デッド」に関して「割とシンプルな失恋の歌」と説明している[15]。
「レスト・イン・ピース」は、音楽的にはジミ・ヘンドリックスからの影響を反映した曲だが、歌詞に関しては湾岸戦争当時の反戦スローガン「Make Love, Not War」に対する批判的な意見が表明され、ヌーノ・ベッテンコートは2015年のインタビューで「誰だって戦争は嫌だけど、自分の国が侵略されたら話は別だ」「俺達は戦争なんか愛していないし、『愛』をもっと愛している。でも、問題はそんなに単純じゃない」と説明している[16]。「ピースメイカー・ダイ」はマハトマ・ガンディー、イエス・キリスト、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、ジョン・レノンといった平和主義者を題材とした曲で、マーティン・ルーサー・キング3世(キングの息子)から許諾を得て、キングの演説「I Have a Dream」のサンプリングを使用した[17]。
本作のLPヴァージョンには、「Mine」の最後に「ドント・リーヴ・ミー・アローン」が収録されていたが、CDでは収録時間の制約により外され、日本初回盤CDではボーナスCDシングルに収録された[18]。
反響・評価
[編集]アメリカのBillboard 200では10位に達して、バンドにとって2作目の全米トップ10アルバムとなり[5]、1992年12月にはRIAAによってゴールドの認定を受けた[14]。イギリスでは11週にわたり全英アルバムチャート入りして、バンド史上最高の2位を記録した[3]。本作からは「レスト・イン・ピース」(全米96位[5]・全英13位[3])、「ストップ・ザ・ワールド」(全米95位[5]・全英22位[3])、「トラジック・コミック」(全英15位[3])がシングル・ヒットした。
スティーヴ・ヒューイはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「極めてムラの多いアルバムで、全体的には自由奔放だが、優れた曲も幾つかある」と評している[2]。
収録曲
[編集]全曲ともゲイリー・シェローンとヌーノ・ベッテンコートの共作。
- Yours
- ウォーヘッズ - "Warheads" - 5:18
- レスト・イン・ピース - "Rest in Peace" - 6:01
- ポリティカラミティ - "Politicalamity" - 5:04
- カラー・ミー・ブラインド - "Color Me Blind" - 5:00
- キューピッズ・デッド - "Cupid's Dead" - 5:56
- ピースメイカー・ダイ - "Peacemaker Die" - 6:03
- Mine
- セヴン・サンデーズ - "Seven Sundays" - 4:18
- トラジック・コミック - "Tragic Comic" - 4:44
- アワ・ファーザー - "Our Father" - 4:02
- ストップ・ザ・ワールド - "Stop the World" - 5:57
- ゴッド・イズント・デッド - "God Isn't Dead?" - 2:02
- & The Truth
エヴリシング・アンダー・ザ・サン - "Everything Under the Sun"
- I. ライズン・シャイン - "Part I Rise 'N Shine" - 6:22
- II. アム・アイ・エヴァー・ゴナ・チェンジ - "Part II Am I Ever Gonna Change " - 6:56
- III. フー・ケアーズ? - "Part III Who Cares?" - 8:19
日本初回盤(POCM-1001)ボーナスCDシングル
[編集]- ドント・リーヴ・ミー・アローン - "Don't Leave Me Alone" - 5:43
参加ミュージシャン
[編集]- ゲイリー・シェローン - ボーカル
- ヌーノ・ベッテンコート - ギター、ピアノ、キーボード、パーカッション、バッキング・ボーカル
- パット・バッジャー - ベース、バッキング・ボーカル
- ポール・ギアリー - ドラムス、パーカッション、バッキング・ボーカル
アディショナル・ミュージシャン
- スティーヴン・シガードソン- ストリングス(on "Rest in Peace", "Everything Under the SunPart III Who Cares?")、チェロ・ソロ(on "Everything Under the Sun Part I Rise 'N Shine")
- ジェレミー・ミラー - ストリングス(on "Rest in Peace", "Everything Under the Sun Part III Who Cares?")
- ジョン・プレッツィオーザ・ジュニア - ラップ(on "Cupid's Dead")
- マイク・モラン - ストリングス・アレンジ(on "Everything Under the Sun Part III Who Cares?")
脚注
[編集]- ^ a b CD英文ブックレット内クレジット
- ^ a b c Huey, Steve. “III Sides to Every Story - Extreme - Album”. AllMusic. 2024年7月2日閲覧。
- ^ a b c d e EXTREME songs and albums | full Official Chart history
- ^ “スリー・サイズ・トゥ・エヴリ・ストーリー - エクストリーム”. オリコン. 2024年7月2日閲覧。
- ^ a b c d “Extreme - Awards”. AllMusic. 2015年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月2日閲覧。
- ^ charts.org.nz - Extreme - III - Sides To Every Story
- ^ Extreme - III - Sides To Every Story - dutchcharts.nl
- ^ Extreme - III - Sides To Every Story - hitparade.ch
- ^ swedishcharts.com - Extreme - III - Sides To Every Story
- ^ norwegiancharts.com - Extreme - III - Sides To Every Story
- ^ Offizielle Deutsche Charts
- ^ Extreme - III - Sides To Every Story - austriancharts.at
- ^ australian-charts.com - Extreme - III - Sides To Every Story
- ^ a b “Gold & Platinum”. RIAA. 2024年7月2日閲覧。
- ^ 日本盤CD (POCM-1001, UICY-6418)ライナーノーツにおけるゲイリー・シェローンのコメント(1992年7月15日、訳:藤林初枝)参照。
- ^ Prato, Greg (2015年5月8日). “Nuno Bettencourt of Extreme: Songwriter Interviews”. Songfacts. 2024年7月2日閲覧。
- ^ Prato, Greg (2023年4月10日). “Gary Cherone of Extreme: Songwriter Interviews”. Songfacts. 2024年7月2日閲覧。
- ^ 日本初回盤CD (POCM-1001)付属のCDシングルの紙ジャケット参照。
外部リンク
[編集]- スリー・サイズ・トゥ・エヴリ・ストーリー - Discogs (発売一覧)