スペキュラティブデザイン
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スペキュラティブデザインは、RCA(=ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)の教授であるアンソニー・ダンが提唱したデザインの立場。
概要
[編集]問題解決型のように「未来はこうあるべきだ」と提唱するのではなく、スペキュラティブデザインは「未来はこうもありえるのではないか」という臆測を提示し、問いを創造するデザインの方法論である。このデザインの目的は、未来を予測するのではなく、「私たちに未来について考えさせる(思索=speculate)ことでより良い世界にする」ことである。上記のようにしばしば、問題解決型のデザイン思考と対比される[1]。このスタンスは、世の中の価値や信念、態度を疑って、さまざまな代替の可能性を提示する役割を担っている[2]。
形成
[編集]デザインは従来、企業のための問題解決や商品の売上向上というイメージが一般的であった。しかし、現代の人類が直面する課題の多くは解決不能で、これらを克服するためには、私たちの価値観、信念、考え方を変えるという方法がある。問題をあえて解決せず、思索するきっかけを与える「問い」を生み出すのがスペキュラティブデザインである[3]。
科学との関わり
[編集]科学の発展によって、起きるかもしれない世界を表現し、それを科学者に戻すことで、研究の方向性を考えなおすきっかけを与える。デザインは、さまざまな未来の可能性を実体化して提示することが可能なので、それをもとに議論し、理想とする未来を企業、街、社会を構成する人々それぞれが判断できるという利点がある。
スペキュラティブデザインを使った作品
[編集]- 「I wanna deliver a dolphin…」長谷川愛
脚注
[編集]- ^ “スペキュラティブデザインと出会う|ツクロア – DESIGN LAB”. ツクロア – DESIGN LAB. 2019年9月9日閲覧。
- ^ “デザインの使命は「問い」を生み出すこと:Superfluxの「スペキュラティヴ・デザイン」とは #WXD|WIRED.jp”. WIRED.jp. 2019年9月9日閲覧。
- ^ “CBCNET » 「問い」を生み出し、未来のシナリオをデザインする「スペキュラティヴ・デザイン」について紹介した書籍が刊行”. CBCNET. 2019年9月9日閲覧。
参考文献
[編集]- アンソニー・ダン『スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。—未来を思索するためにデザインができること』ビー・エヌ・エヌ新社、2015年11月25日。ISBN 9784802510028。