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スパイダーマンの誕生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

スパイダーマンの誕生 (The Origin of Spider-man) は、1967年のテレビアニメ版スパイダーマンの第21話のエピソード。米国では1968年9月14日。旧邦題では、「スパイダーマン誕生(快傑くも人間の誕生)」。

ストーリー

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9月の晴れた日の朝、ミッドタウン高校はとても賑やかだった。カップル等が楽しそうに話している中で、サールとムースは考え事をしていた。サールは、ムースに3人の女の子のうち2人の女の子をソーダを奢ってもらう作戦を立てたが失敗した。

ムースが1匹の猫を追い払えないことに退屈していると、平凡な高校生のピーター・パーカーが現れる。ムースは、ピーターを利用して3人の女の子を誘う作戦を立てる。ピーターは科学展示室で放射能実験の見学をしなくてはいけないため、猿とムースの相手をしている暇は無かった。

そのとき、ムースにガリ勉とバカにされてしまい、ピーター・パーカーは仕返しを考えた。放射能実験が終わったとき、放射能を浴びたクモがピーターの手に噛みつく。ピーターは熱を出し、外の空気を吸う。

不思議なエネルギーが溢れていき、考えているうちに悪党2人組にぶつかって顔面を殴られてしまう。しかし、痛くも痒くもなく電灯を壊し、悪党らは脱走を図る。ピーターは自分の身体に一体何があったのか疑問を持つと、謎の車が接近してきて思わず飛び出した。するとあら不思議、巨大クモみたいに壁に張り付くことができ、綱渡りもできるようになった。筋力・敏捷も増し、クモ能力を手に入れたピーターは、ベンおじさんとメイおばさんに仮を返すためにアルバイトを目指してウェブシューターと赤と青のコスチュームを作り、テレビ出演を目指す。

テレビ出演のために窓から突入するが、そこで逃げるテレビ局の泥棒を目撃した後、警官が「エレベーターで逃げる前に捕まえてくれ」と言われるが、ピーターはその男を逃がし、エド・サリバンの楽屋に言って演技を見せた。その後、エド氏本人から「ライトとカメラの前でもう一度見せてほしい」と頼まれた際、喜んで空を飛んでひとっとびした。

その後・・・。ピーターは、自宅で1台のパトカーが止まっているのを見つけ、警官に何があったのか尋ねた。すると警察官は「君か・・・。気の毒にな、キミのおじさんが銃で撃たれて亡くなった」と告げる。それを聴いてショックを受けたピーターは、警官から「犯人は港近くの倉庫に立てこもっている」と聞き、とっさに「僕がそいつを捕まえてやる!」と怒りを上げてバレなさそうな場所でスパイダーマンのコスチュームに着替え、犯人のところまでたどり着く。

そして見事に港近くの倉庫に追いつき、スパイダーマンは犯人と対面する。犯人は壁が壊されたことに驚き、スパイダーマンに銃を向けるとクモの巣を掛けられる。スパイダーマンがクモの巣を出せたり壁を這いまわれることに驚いた犯人は、「ここから出して!」と逃げ出す。スパイダーマンは犯人の後を追い、「お前が逃げられる場所など、この世界には存在しない。たとえおじさんを殺したとしてもだ!」と怒り悔しみつつ犯人の頬を殴る。その後、犯人は気絶し、スパイダーマンはその男が自分が逃がした泥棒だと知る。泥棒を捕まえていればベンおじさんは死なずに済んだとショックを受けるが、自分のせいでベンおじさんが殺され、「that with great power there must also always be great responsibility.」という言葉に気が付いたスパイダーマンは、その言葉を胸にニューヨーク市民を守るスーパーヒーローとして悪いやつらと立ち向かっていくのだった。

最後、本編終盤に「こうして新たな伝説が生まれ・・・」がナレーションによって読まれる。

備考

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  • 「Amazing Fantasy(1962) #15」の最初のページと「Specutacular Spider-Man (1968)」の「In The Beginning」を基に製作されているが、プロレスに向かう場面は映像化されなかった[1]
  • コミック版ではテレビ出演を果たしているが、この作品では果たさなかった。。
  • 自動車に乗ったサルとムースはアニメオリジナルで、コミック版には登場しない。
  • 当時大人気だった「エド・サリヴァン・ショー」が放送中だったため、「エド・サリヴァン」という有名な司会者の名前がピーターの口から出ていた。
  • 本作のエピソードでは、来週予告(Next Week)で「King Pinned」をアナウンスしている。日本語吹き替え版において、富山敬版では「キングピンを倒せ」だが、キングピンのことを暴力団と言っていた。森川智之版では「犯罪王キングピン」で、マフィアと言っていた。
  • 「With great power there must also come great responsibility.」という原文はコミック版でも使われているが、本編では「That with great power there must also always be great responsibility.」を使っている。本の邦訳版では「大いなる力には、大いなる責任が伴う」となっていることが多く、これに近い邦訳がテレビ版に存在していたことがある。

挿入曲

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  • 「スパイダーマンのテーマ」
『スパイダーマンなら関係ない!』と言って飛び出すシーンから歌が入る。

BGMの変更

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東京12チャンネル版
  • 日本語版主題歌に差し替え、効果音使い回しかは不明。
ローカル局版
  • 詳細不明。殆ど差し替えと思われるが、Aパート(前編)の終盤は同じBGM。英語版主題歌が流れなかった。
CS版
  • スパイダーマンのテーマをそのまま使用。Aパートの終盤は同じBGM。Bパートも同じBGMだが曲の一部がリピート、「僕は変わった・・・」のところはBGMが入らず、ビルの間を飛び回るシーンにスパイダーマンのテーマのインストゥメンタル(ナレーションが読むシーンでも同様)が入った。泥棒がエレベーターに乗るシーンにあったBGMは差し替え。「僕がそいつを・・・、捕まえてやる・・・!」の後のシーンに流れるBGMは同じ。

キャスト

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登場人物 担当声優[2] 日本語吹き替え
東京12チャンネル ローカル局 CS
ピーター・パーカー/スパイダーマン ポール・ソールズ 富山敬 田中秀幸 森川智之
ベン・パーカー トム・ハーヴェイ 松岡文雄 麦人
メイ・パーカー ペグ・ディクソン 定岡小百合
サール ポール・ソールズ 塚田正昭 いずみ尚
ムース アルフィー・スコップ 納谷六朗 細井治
不良A(不良のメガネ男) ? 塚田正昭
不良B(メガネ男の仲間) ? 納谷六朗
教授 ? 八奈見乗児[3]
警官 ポール・クリグマン
ガードマン アルフィー・スコップ 松岡文雄
テレビ局の強盗 マックス・ファーガソン
エド・サリヴァン
※テレビ局の司会者
ナレーション バーナード・コワン 石井敏郎 梁田清之
その他

脚注

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  1. ^ プロレスの場面が初めて描写されたのはスパイダーマン&アメイジング・フレンズからで、それ以前の作品には無い。
  2. ^ Spider-man 1967 Staff and Cast”. IMDB. 2023年3月8日閲覧。
  3. ^ 重役も含める

外部リンク

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