スナヤツメ
スナヤツメ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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スナヤツメLethenteron reissneri
スナヤツメ(南方種)。福岡県 筑後川水系。成体。
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保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||
絶滅危惧II類(環境省レッドリスト) | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Lethenteron reissneri (Dybowski, 1869) | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
スナヤツメ |
スナヤツメ(砂八目、Lethenteron reissneri)はヤツメウナギ科の淡水魚である。
分布
[編集]鹿児島県、宮崎県を除く九州以北[1]。沿海州、中国北部、朝鮮半島に生息している。河川の下流域に生息している。日本に分布する個体群のアロザイム解析を行った結果、2群に分かれるとする報告がある[2]それらは暫定的に「北方種」「南方種」に分けられている[3]。この仲間は原始的な魚類とされるが研究者によっては魚類ではないとみなすものもある。
南方種の分布の西限である長崎県では1914年(大正3年)の報告を最後に、発見例がなく2022年(令和4年)に県内で絶滅したとみなされたが、同年11月に西海市の河川で発見され、絶滅種の指定が外された[4]。
種分化
[編集]近縁種のカワヤツメ(回遊型)あるいはその祖先種から出現した矮小成熟個体が何らかの原因で海洋との往来を阻まれた後、非寄生性で河川型(陸封型)の集団が独立し本種に分化したと考えられている[2]。
特徴
[編集]外見はウナギに似ており、幼生、成魚とも鰓穴(えらあな)が7つあり、口は丸い吸盤状で顎がない。成魚の口器は吸盤状で内側に3対の歯がある。成長すると約200mm程度。近縁種のカワヤツメ(寄生性)とは異なり、非寄生性で海へ下らず一生淡水で生活する[1]。
食性
[編集]「アンモシーテス」と呼ばれる幼生期は、目がなくミミズのように見え、デトリタスや藻類などを食べる。四年後の秋に成体になり、140〜190mmで変態して眼が現れるが、一方で消化系がなくなり、翌春の産卵期を過ぎて死ぬまで何も食べなくなる。春になると産卵し寿命を終える。
開眼
[編集]スナヤツメは一生のうちの殆どを目を閉じた状態で過ごし、産卵期にわずかに開く程度とされる。
人間との関わり
[編集]近年、水路のコンクリート化や谷戸の開発によって減少している。
出典
[編集]- ^ a b “スナヤツメ”. 河川生態ナレッジデータベース. 国土交通省 国土技術政策総合研究所 (2012年2月26日). 2015年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月4日閲覧。
- ^ a b “ヤツメウナギの種分化”. 富山大学理学部生物学科 山崎研究室 (2007年10月19日). 2017年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月4日閲覧。
- ^ 佐藤陽一「スナヤツメ」『徳島県希少野生生物保護管理マニュアル 2010』徳島県県民環境部自然環境課、2010年、15-16頁 。2023年7月4日閲覧。
- ^ 「スナヤツメ、100年ぶり見つけた 昨年、県が絶滅種指定 /長崎県」『朝日新聞』2023年6月23日、21面。
外部リンク
[編集]- 神奈川県水産技術センター 内水面試験場 スナヤツメ
- 岡田雋、邦産ヤツメの変態後に於ける外部形態変化 陸水学雑誌 Vol.7 (1937) No.1 P.1-8, doi:10.3739/rikusui.7.1
- スナヤツメ(南方種)のCT/3Dモデル(アジア淡水魚・淡水生物データベース ffish.asia)