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スティーブン・A・スミス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Stephen Anthony Smith

スティーブン・A・スミス
生誕 (1967-10-24) 1967年10月24日(57歳)
ニューヨーク州
ニューヨーク市ブロンクス区
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身校 ウィンストン・セーラム州立大学
職業 スポーツジャーナリスト司会者コメンテーター
活動期間 1994年 -
雇用者 ESPN
テレビ番組 First Take
子供 2[1]
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スティーブン・A・スミス(Stephen Anthony Smith、1967年10月14日 - )はアメリカ合衆国司会者スポーツジャーナリストコメンテーターである[2]。挑発的な分析と気難しい語り口で知られる[3][4]

出演

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スポーツ専門チャンネルであるESPNのスポーツ論評番組「First Take」のコメンテーターであり、モリー・ケリムと共演している。

NBAのアナリストとして、ESPNの「スポーツセンター、「NBAカウントダウン」といった番組に出演するほか、NBAの試合の解説者も務めている。

ESPNラジオでは「スティーブン・A・スミス・ショー」の司会も務める。ESPNY.com、ESPN.com、フィラデルフィア・インクワイアラーのコラムニストとしても活躍している。

経歴

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1967年10月14日、ニューヨークブロンクス区で、アメリカ領ヴァージン諸島セント・トーマス島出身の両親のもとに生まれた[5]。1986年にクイーンズのトーマス・エジソン高校を卒業した[2]

ニューヨーク州立ファッション工科大学に1年間通った後、バスケットボールの奨学金を得て、ノースカロライナ州にある歴史的に黒人の多い大学、ウィンストン・セーラム州立大学に入学した。大学では、殿堂入りを果たしたクラレンス・ゲインズ監督のもとでバスケットボールをプレーした。在籍中に大学新聞にコラムを書き、ゲインズは健康上の問題から引退すべきだと主張した[6]。スミスは1991年にマスコミュニケーションの学士号を取得して卒業した[7]

新聞

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スミスは、ウィンストン・セーラム・ジャーナル紙、グリーンズボロ・ニュース・アンド・レコード紙、ニューヨーク・デイリーニューズ紙で印刷メディアのキャリアをスタートした[8]

1994年からはフィラデルフィア・インクワイアラー紙のライターとして活躍[4]。NBAコラムニストとしてフィラデルフィア・76ersの取材を開始し、やがてスポーツコラム全般を担当するようになった。

2007年8月23日、インクワイアラー紙はスミスをコラム担当から外し、一般職の記者に降格することを発表した。

2008年、インクワイアラー紙はスミスとの関係を解消した。

2010年2月、スミスは、彼のウェブサイトとケーブルニュース番組から彼の政治的見解をすべて削除することに同意するという条件で、インクワイアラー紙に復帰した[9]

ラジオ

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2005年4月11日、スミスはニューヨークのWEPNで平日の正午から午後2時までのラジオ番組の司会を「右腕のB.T.(ブランドン・ティアニー)」とともに担当することになった。

2009年11月、スミスはFOXスポーツラジオのコントリビューターとなった。11月25日の番組でアレン・アイバーソンの引退をスクープし一躍有名になった[4]。その後も、レブロン・ジェームズクリス・ボッシュドウェイン・ウェイドマイアミ・ヒート入団を予言し話題となった[10]

2009年のスミス

2011年からはESPNラジオ、2013年からはシリウスXMラジオ、2017年からは再度ESPNラジオで番組を担当した。

テレビ

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1999年、ケーブルテレビ局CNN/SIでテレビ出演のキャリアをスタートした。

2005年8月、ESPNで「Quite Frankly with Stephen A. Smith」という1時間番組を毎日担当するようになった。しかし番組は人気を得ず2年で終了となり、2009年にはESPNと袂を分かつこととなったが[11]、その後復帰し、2012年4月30日より「First Take」にレギュラー出演するようになった。番組は大人気となり現在に至っている[4]

2014年末、ESPNと年間300万ドル以上の複数年契約にサインした[12]

2019年、新たに5年契約を結び、ESPNで最も高給なスポーツキャスターとなり、年俸は800万ドルに近づくと報じられた[13]

物議を醸した発言

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2014年7月25日、ボルチモア・レイブンズランニングバック、レイ・ライスとその妻を巻き込んだドメスティックバイオレンス(DV)事件に関して、女性がDVを誘発するかもしれないという発言をした[14]。ESPNレポーターのミシェル・ビードルからのTwitterでのコメントなど発言への批判を受けて、エミネムの録画番組でその言葉に対して謝罪した。7月29日、スミスはESPNから1週間の停職処分を受け、8月6日まで同社のどの番組にも出演しなかった[15][16]

2015年3月9日、フィラデルフィア・イーグルスヘッドコーチチップ・ケリー英語版が、ランニングバックルショーン・マッコイ英語版バッファロー・ビルズにトレードし、代わりにラインバッカーのキコ・アロンソを得た、という話題について、「チップ・ケリーはここ数年、あえて言うが、数人の兄弟が不快な思いをするような決断をしてきた」と発言した[17]。この発言は、2014年のワイドレシーバーデショーン・ジャクソンの放出、マッコイのトレード、そしてワイドレシーバーのジェレミー・マクリンを放出した一方でワイドレシーバーのライリー・クーパーをロースターに残すなど、ケリーのロースター移動が人種差別に動機がある可能性をほのめかしていると捉えられた[18][19]。マッコイ自身も、ケリーのロースター移動のいくつかは人種差別的な動機があると信じていた[20]。ケリーは、彼が行ったロースター移動は人種とは関係なく、自分のチームにうまくフィットする選手を見つけることと関係があると述べた[21]。スミスは、自分はケリーが差別主義者であると暗示する人種差別という言葉を使ったことはないと述べた[22]

2015年6月11日、スミスは2015年のFIFA女子ワールドカップで、ノルウェーがドイツに対してフリーキックで決めたゴールの場面で、壁を形成していたドイツの選手たちがボールが通過する際に首をかしげたことに対し、「選手たちは髪を乱したくなかったかもしれない」とジョークを飛ばした。スミスのコメントは、性差別的であり、下手なジョークだと批判された[23][24]。ESPNはこのコメントについてスミスと話したといい、スミスは後に一連のツイートで謝罪した[25]

2021年7月12日、ESPN「FIRST TAKE」番組内において、ロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平が英語の通訳を介してメディアと話すことを好むことは「ゲームに悪い影響を与える」と発言し、「野球の顔である選手が、通訳を必要とするような人物であることは、(今後のアメリカ野球界において)助けにならないと思う」とも述べた[26]。他のジャーナリストから、彼の発言がゼノフォビック(外国人嫌悪)であり、不適切だと指摘された[27]。同日午後遅く、自身のTwitterアカウント[28]で「本当に申し訳ありませんでした。どんなコミュニティ、特にアジア人のコミュニティや大谷翔平選手自身を、不快にさせるつもりはありませんでした」と、大谷選手だけではなくアジア系の人たちへの謝意も伝えた[29]。翌7月13日の同番組内において約5分半の謝罪スピーチが行われ[30]、問題発言は彼自身の愚かさに起因するもので、ESPN親会社のディズニー、ESPN、番組責任者とは無関係であることも強調した[31]

脚注

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  1. ^ Nast, Condé (2019年12月11日). “Stephen A. Smith Is Never Satisfied” (英語). GQ. 2022年5月26日閲覧。
  2. ^ a b Who is Stephen A. Smith? Everything You Need to Know” (英語). www.thefamouspeople.com. 2022年5月26日閲覧。
  3. ^ Greenfeld, Karl Taro. “Stephen A., As In . . .” (英語). Sports Illustrated Vault | SI.com. 2022年5月26日閲覧。
  4. ^ a b c d Songco, Paolo (2021年2月2日). “How Stephen A. Smith Went From Sixers Writer To Making $10,000,000 A Year” (英語). ClutchPoints. 2022年5月26日閲覧。
  5. ^ For ESPN's Stephen A Smith, Finding a Sanctuary in St Thomas” (英語). Caribbean Journal (2012年10月8日). 2022年5月26日閲覧。
  6. ^ Sandomir, Richard (2005年7月31日). “ESPN's New Master of the Offensive Foul” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2005/07/31/arts/television/espns-new-master-of-the-offensive-foul.html 2022年5月26日閲覧。 
  7. ^ Dougherty, Jack (2020年8月12日). “Stephen A. Smith Seriously Likes His Chances Against Donald Trump and Joe Biden” (英語). Sportscasting | Pure Sports. 2022年5月26日閲覧。
  8. ^ MIT Sloan Sports Analytics Conference Speaker | Stephen A. Smith”. www.sloansportsconference.com. 2022年5月26日閲覧。
  9. ^ Stephen A. Smith in Inquirer After 2-Year Feud – journal-isms.com” (英語). 2022年5月26日閲覧。
  10. ^ Farley, Christopher John (2010年7月9日). “LeBron James Picks Miami: Stephen A. Smith Was Right” (英語). Wall Street Journal. ISSN 0099-9660. https://www.wsj.com/articles/BL-SEB-40259 2022年5月26日閲覧。 
  11. ^ Goodbye ESPN!!! | The Official Site of Stephen A. Smith”. web.archive.org (2009年4月20日). 2022年5月26日閲覧。
  12. ^ ESPN, Stephen A. Smith Agree to New Contract; Smith Will Make More Than $3 Million Per Year” (英語). Complex. 2022年5月26日閲覧。
  13. ^ Archive, View Author (2021年7月9日). “The $12 million truth about Stephen A. Smith’s ESPN deal” (英語). New York Post. 2022年5月26日閲覧。
  14. ^ ESPN Host: Battered Women Should Learn Not To Provoke It” (英語). HuffPost (2014年7月25日). 2022年5月26日閲覧。
  15. ^ Stephen A. Smith won't be on ESPN for a week after controversial comments” (英語). For The Win (2014年7月29日). 2022年5月26日閲覧。
  16. ^ Stephen A. Smith Suspended for Domestic Violence Comments” (英語). Philadelphia Magazine (2014年7月30日). 2022年5月26日閲覧。
  17. ^ Stephen A. Smith: Chip Kelly's Decisions Have Left "A few brothers feeling uncomfortable"” (英語). The Big Lead (2015年3月10日). 2022年5月26日閲覧。
  18. ^ ESPN’s Stephen A. Smith suggests racism in Chip Kelly’s roster moves”. NBC Universal. 2022年5月26日閲覧。
  19. ^ Stephen A. Smith doesn't back off bizarre Chip Kelly comments” (英語). CBSSports.com. 2022年5月26日閲覧。
  20. ^ McCoy: Kelly dumped 'the good black players'” (英語). ESPN.com (2015年5月6日). 2022年5月26日閲覧。
  21. ^ Media, Mark Eckel | For NJ Advance (2015年5月28日). “Chip Kelly talks everything Eagles at OTA” (英語). nj. 2022年5月26日閲覧。
  22. ^ NJ.com, Eliot Shorr-Parks | NJ Advance Media for (2015年5月29日). “Stephen A. Smith says he didn't call Chip Kelly racist” (英語). nj. 2022年5月26日閲覧。
  23. ^ Stephen A. Smith makes sexist joke about Women's World Cup goal” (英語). www.sportingnews.com. 2022年5月26日閲覧。
  24. ^ Stephen A. Smith's colleagues aren't amused over his joke about Women's World Cup” (英語). sports.yahoo.com. 2022年5月26日閲覧。
  25. ^ Gaines, Cork. “ESPN host Stephen A. Smith makes terrible joke about Women's World Cup players not wanting to mess up their hair” (英語). Business Insider. 2022年5月26日閲覧。
  26. ^ Stephen A. Smith's "People are misinterpreting what I'm saying" follow-up led to him actually apologizing later” (英語). Awful Announcing (2021年7月12日). 2021年7月14日閲覧。
  27. ^ 大谷選手は英語を話すべきか、米スポーツ界で激論勃発(Forbes JAPAN)”. Yahoo!ニュース. 2021年7月13日閲覧。
  28. ^ https://twitter.com/stephenasmith/status/1414711083252789248”. Twitter. 2021年7月14日閲覧。
  29. ^ 大谷翔平選手を「英語が話せないのは良くない」と持論展開。米コメンテーターが失言だったと謝罪(ハフポスト日本版)”. Yahoo!ニュース. 2021年7月13日閲覧。
  30. ^ https://twitter.com/stephenasmith/status/1414995829786619904”. Twitter. 2021年7月14日閲覧。
  31. ^ Stephen A. Smith apologizes for comments about Shohei Ohtani - ESPN Video” (英語). ESPN.com (2021年7月13日). 2021年7月14日閲覧。

外部リンク

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